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冒険者ランクを上げましょう
3-14 大人の余裕?
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「――まあ、本来ならマリーに任せるのがベストなのは分かっていたがな」
……本当に。そんなシーンは漫画かドラマでしか見た事なかったのに。
「しかし、マリーに寝ずの看病はまだ荷が重いし、ケントはまた別の意味で手に余りそうだったからな。リアルな消去法で俺がお前の看病をした。それだけの話だ」
寝ぼけた頭でも、リアルな温もりと固いのに滑らかな肌に触れていた感触がリアルに残っている。
うん、昨夜は風邪引いて熱を出して、イマルさんが用意してくれた薬を飲んで即寝入ったまでは覚えてる。
けど、朝目覚めてまず心地よい温もりに触れてぼんやりと幸福感に浸りながら、脳の覚醒を待つうちにその現状に疑問を覚え。
やがてそれが人肌と気づいた上に女性ではあり得ない筋肉質な固さに気づいて目を開けて最初に目にしたのがイケメンのリアル半裸。
――ええ、ウチのオヤジが風呂上がりに晒すたるんだ半裸とは全く別物の、引き締まった綺麗な若い男の身体は、喪女の私には目の保養よりも前に攻撃力が高すぎて目に毒だった。
しかもそれが、本当に目と鼻の先にあって、たくましい腕が私の体を抱え込んでいる。
それをうっかり気持ちいいと思ってしまっていた事に気づいて一人ふるふる身悶えて。
更に自分も薄い肌着一枚なのに改めて気づいてパニックを起こした私はつい悲鳴をあげ……。
気だるげに目覚めた彼――イマルさんに、怯えるハムスターでも愛でるかのように宥められ、今に至る。
つまり、夜中にまた熱が上がって、その悪寒に震える私を暖める目的で添い寝をしていただけだと。
ベッドに腰かけたままあっさりシャツを身に着け上着に袖を通す。
「ほら、お前もさっさと着替えろ。熱も下がったし、飯を食いに行くぞ」
本当に。本当にあっさりと部屋を出ていくイマルさん。
私の方はもう何度でも恥ずか死ねそうなのに……。ああいうのがオトナのオトコの余裕ってやつなんだろうか? 少なくとも同級生や知る限りの先輩にあんな人はいなかった。……顔の良し悪しはともかく。
平和な日本の高校生男子と、魔物相手の戦闘行為が日常な世界の現役冒険者(26歳)を比べちゃいけないんだろうけど……。
それにしたってイマルさんがかっこ良すぎる件について。
鬼だけど、面倒見が良くて優しくて強くてかっこ良いとか。……どんだけパーフェクターなんですか、イマルさん。
……もしかして。異世界なんて極限状態で、身近に居なかった大人の若い男に優しくされたという、ある種の吊り橋効果なのかも知れないけど。
私はその日初めてイマルさんが異性だった事を思い出して。
ケント君やマリーさんに向けるのとは確実に何かが違う想いを自覚した。
……本当に。そんなシーンは漫画かドラマでしか見た事なかったのに。
「しかし、マリーに寝ずの看病はまだ荷が重いし、ケントはまた別の意味で手に余りそうだったからな。リアルな消去法で俺がお前の看病をした。それだけの話だ」
寝ぼけた頭でも、リアルな温もりと固いのに滑らかな肌に触れていた感触がリアルに残っている。
うん、昨夜は風邪引いて熱を出して、イマルさんが用意してくれた薬を飲んで即寝入ったまでは覚えてる。
けど、朝目覚めてまず心地よい温もりに触れてぼんやりと幸福感に浸りながら、脳の覚醒を待つうちにその現状に疑問を覚え。
やがてそれが人肌と気づいた上に女性ではあり得ない筋肉質な固さに気づいて目を開けて最初に目にしたのがイケメンのリアル半裸。
――ええ、ウチのオヤジが風呂上がりに晒すたるんだ半裸とは全く別物の、引き締まった綺麗な若い男の身体は、喪女の私には目の保養よりも前に攻撃力が高すぎて目に毒だった。
しかもそれが、本当に目と鼻の先にあって、たくましい腕が私の体を抱え込んでいる。
それをうっかり気持ちいいと思ってしまっていた事に気づいて一人ふるふる身悶えて。
更に自分も薄い肌着一枚なのに改めて気づいてパニックを起こした私はつい悲鳴をあげ……。
気だるげに目覚めた彼――イマルさんに、怯えるハムスターでも愛でるかのように宥められ、今に至る。
つまり、夜中にまた熱が上がって、その悪寒に震える私を暖める目的で添い寝をしていただけだと。
ベッドに腰かけたままあっさりシャツを身に着け上着に袖を通す。
「ほら、お前もさっさと着替えろ。熱も下がったし、飯を食いに行くぞ」
本当に。本当にあっさりと部屋を出ていくイマルさん。
私の方はもう何度でも恥ずか死ねそうなのに……。ああいうのがオトナのオトコの余裕ってやつなんだろうか? 少なくとも同級生や知る限りの先輩にあんな人はいなかった。……顔の良し悪しはともかく。
平和な日本の高校生男子と、魔物相手の戦闘行為が日常な世界の現役冒険者(26歳)を比べちゃいけないんだろうけど……。
それにしたってイマルさんがかっこ良すぎる件について。
鬼だけど、面倒見が良くて優しくて強くてかっこ良いとか。……どんだけパーフェクターなんですか、イマルさん。
……もしかして。異世界なんて極限状態で、身近に居なかった大人の若い男に優しくされたという、ある種の吊り橋効果なのかも知れないけど。
私はその日初めてイマルさんが異性だった事を思い出して。
ケント君やマリーさんに向けるのとは確実に何かが違う想いを自覚した。
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