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第二章

やっぱ水軍はカレーでしょ!

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 「前回は比較的楽だったけど、また今回は面倒ね……」

 王都の隣と言うだけあって、川や街道を行く物流は盛んで、手に入れようと思えば大概の食材は手に入る。
 が、ここはあくまで軍港なので、こちらから注文を入れない限りは大半の荷物が素通りして行く。

 「うーん、前世の記憶のせいで海軍てーとついついカレーのイメージが湧くんだけど……」
 ただ、ここのは海軍……というか川だし水軍と大きく括れば……
 けどカレーはカレーパンも含めすでに披露してしまったし……

 「ん、この辺は米より小麦のが安いんだ?」

 まてよ、ナンとライスは披露したけど、そういえばアレはまだ……

 「鴨肉もネギも問題なく手に入る、なら……」

 和出汁にカレーを入れ、うどんを入れたカレーうどん。
 「最後のメニューはこれで決まりで良いかな?」

 あれなら大鍋にカレー出汁を用意しとけばあとは注文受けてから麺を湯がいて出汁にダイブさせれば良いだけだし。
 オペレーションはとても簡単だ。

 「へぇ、カレーってまだ種類があったんですね……」
 ジーク君が驚きつつも賛成に回り。

 試作品をみんなに食べてもらったところ、ゴーサインが無事に下りた。

 そんなわけで、次の日のための食材を仕入れ仕込みを終わらせ宿を取る。

 明日の営業を終えたらルイーゼさんとはここでお別れ。
 ジーク君は王都までついてくるそうだけど……
 ここからは久々にクロエに馬車をひいて貰っての陸路の旅だ。

 ……まぁ、目的地の王都はもう目と鼻の先なのだけど。

 翌朝。
 「鴨ねぎ南蛮」と銘打って店を開けた。

 あの、カレーうどん独特の香りを振りまきながら。
 「朝カレー」「朝うどん」の需要を狙い、朝ごはんの時間からの営業開始だ。

 最後だからね。
 目一杯稼いで有終の美を飾ろうじゃないか。

 「いらっしゃいませー!」

 うんうん、やっぱ朝の空きっ腹にこの匂いはクリティカルヒットだった模様。
 それもガテン系の人達だもんね。
 それにここはいつぞやみたいなエリート様の集団ではない。
 優秀ではあっても元お貴族様なんかはまず配属されない部署らしく。

 朝練のあとのオヤツに一杯、という客が朝から殺到した。

 流石に本格的に訓練や任務が始まる時間になると一気に客は来なくなる。
 「次のランチのピークに備えて今のうちに洗い物終わらせよう。……ロイス、鴨肉つまみ食いするんじゃないわよ」

 滑り出しは好調。
 このままのペースで売れると良いな……
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