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第二章
爆盛り系グルメ
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爆盛り。
……呼称や名称は多少異なっても、スポーツで有名な高校や大学のそばにある飲食店にありがちな、腹ペコ野郎共御用達の、安価でお腹いっぱい食べられるメニュー。
今回私はアレを目指す事にした。
翌朝。
昨夜時間をかけて丁寧に作った出汁スープに、ニンニク生姜を加え、窯に米と鶏肉をINして火にかける。
これでシンガポールのチキンライス風炊き込みご飯はもう火加減に気をつけつつ見てれば良いだけなので、火の番をロイスにまかせて、私は沖縄のブ○ノチキン風ローストチキンの調理に取り掛かる。
丸鶏のお腹ににんにくや玉ねぎなどとハーブやスパイスに香味野菜をこれでもかと詰め込んで、数羽まとめて串に刺し、オーブンの中でくるくる回しながらじっくり焼き上げていく。
肉にこんがりと美味しそうな焼き目がつくに従い、辺りをにんにくの匂いが支配し始める。
うん、調理中のにんにくの匂いは、どうにも食欲をそそるよね。
ああ、ポタポタ垂れる肉汁の雫。
にんにくの香りばかりでなく、肉の焼ける良い匂いも加わる。
そう、あともう少しで……
「おーい、飯が炊けたぞー!」
お、良いタイミング。
「んじゃ、丼にたっぷりご飯盛り付けて!」
城に常備されていた丼は、普通サイズのご飯茶碗四、五杯分の特大サイズ。
これなら大盛りにせずとも十分爆盛りと言えるだろう。
さらにその丼を縁取るように、一日タレに漬け込んだ鶏肉のつくね団子を並べて……
丼からこれから乗っける鶏肉が落ちないように……、
そして、丼の真ん中から左半分には照焼きチキンを、右半分にはブ○ノチキン風ローストチキンを乗っけて、照焼きチキンの上からマヨネーズをかけ、丼の頂上に紅生姜をトッピングして……
「完成ー!」
爆盛りチキン満喫丼、完成です!
「あとはひたすらこれを量産するのよ、覚悟は良い?」
ご飯もお肉もすでに揃っている。
あとはひたすら盛り付けてこの場にやってくる兵士たちに振る舞い続けるのみ!
「商品の説明はミルフィちゃんに任せた! 盛り付けるだけならレストも出来るよね? 今回護衛は必要なさそうだから、レストもこっちの戦力に組み込むよ! ロイスも準備は良い?」
「おうよ!」
「それじゃ、営業開始するよ!」
「「「おう!」」」
食堂で一人、その時を待っていた連絡役の兵士さんがそれを見て扉を開ける。
「うおお、やっとか!」
「さっきから美味そうな匂いがしてて……、もう腹ペコだぜ!」
「肉! 肉! 肉! 肉を食うぞ!」
「あー、ガーリックの美味そうな匂いがたまらねぇー!」
その瞬間、兵士達が食堂になだれ込んでくる。
さあ、私達の戦闘開始だ。
……呼称や名称は多少異なっても、スポーツで有名な高校や大学のそばにある飲食店にありがちな、腹ペコ野郎共御用達の、安価でお腹いっぱい食べられるメニュー。
今回私はアレを目指す事にした。
翌朝。
昨夜時間をかけて丁寧に作った出汁スープに、ニンニク生姜を加え、窯に米と鶏肉をINして火にかける。
これでシンガポールのチキンライス風炊き込みご飯はもう火加減に気をつけつつ見てれば良いだけなので、火の番をロイスにまかせて、私は沖縄のブ○ノチキン風ローストチキンの調理に取り掛かる。
丸鶏のお腹ににんにくや玉ねぎなどとハーブやスパイスに香味野菜をこれでもかと詰め込んで、数羽まとめて串に刺し、オーブンの中でくるくる回しながらじっくり焼き上げていく。
肉にこんがりと美味しそうな焼き目がつくに従い、辺りをにんにくの匂いが支配し始める。
うん、調理中のにんにくの匂いは、どうにも食欲をそそるよね。
ああ、ポタポタ垂れる肉汁の雫。
にんにくの香りばかりでなく、肉の焼ける良い匂いも加わる。
そう、あともう少しで……
「おーい、飯が炊けたぞー!」
お、良いタイミング。
「んじゃ、丼にたっぷりご飯盛り付けて!」
城に常備されていた丼は、普通サイズのご飯茶碗四、五杯分の特大サイズ。
これなら大盛りにせずとも十分爆盛りと言えるだろう。
さらにその丼を縁取るように、一日タレに漬け込んだ鶏肉のつくね団子を並べて……
丼からこれから乗っける鶏肉が落ちないように……、
そして、丼の真ん中から左半分には照焼きチキンを、右半分にはブ○ノチキン風ローストチキンを乗っけて、照焼きチキンの上からマヨネーズをかけ、丼の頂上に紅生姜をトッピングして……
「完成ー!」
爆盛りチキン満喫丼、完成です!
「あとはひたすらこれを量産するのよ、覚悟は良い?」
ご飯もお肉もすでに揃っている。
あとはひたすら盛り付けてこの場にやってくる兵士たちに振る舞い続けるのみ!
「商品の説明はミルフィちゃんに任せた! 盛り付けるだけならレストも出来るよね? 今回護衛は必要なさそうだから、レストもこっちの戦力に組み込むよ! ロイスも準備は良い?」
「おうよ!」
「それじゃ、営業開始するよ!」
「「「おう!」」」
食堂で一人、その時を待っていた連絡役の兵士さんがそれを見て扉を開ける。
「うおお、やっとか!」
「さっきから美味そうな匂いがしてて……、もう腹ペコだぜ!」
「肉! 肉! 肉! 肉を食うぞ!」
「あー、ガーリックの美味そうな匂いがたまらねぇー!」
その瞬間、兵士達が食堂になだれ込んでくる。
さあ、私達の戦闘開始だ。
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