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第一章

調味料生成

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 このスキル。
 気づいたら持っていて、その時にはスキルレベルは1。

 レベル1で生成できた調味料は、調味料の基本の醤油やみりん、料理酒(日本酒に赤白ワインに紹興酒)、オリーブオイルとごま油、そして塩と砂糖。
 本当に基本調味料だけだった。

 が、ロイスの家で調理の手伝いをしつつスキルを使っていると少しずつレベルが上がって、今ではこのお好みソースやインスタントのお出汁まで生成出来るようになった。

 が、いわゆる薬味系調味料が、調味料と食材の境界線が曖昧で……、

 ワサビや辛子、七味唐辛子等はスキルで出せるんだけど、紅生姜は食材と見なされ今のレベルでは調味液は作れても生姜は自分で用意しなければならない。
 ハーブ系は、日本のスーパーで売ってたような乾燥させて刻んだタイプの物は出せるけど、生の葉っぱは出せない。

 カプレーゼを作ろうにも、バジルの生葉は自分で用意しないと、オリーブオイルに乾燥バジルを振るだけのなんちゃってカプレーゼしか作れない。

 けど、よく見るラノベの主人公が一番苦労する調味料確保が最初から可能なこのスキル、戦闘や政治系チートとは無縁だけど、グルメ系チートとしてはかなり有能だと思う。

 醤油や味噌を醗酵させる菌なんて、正直異世界でどう調達すれば良いのか分からないし、ウスターに中濃、そしてこのお好みソースなんてそもそも作り方も分からない。

 せいぜいマヨネーズは何とか手作りできても毎回手作りなんかしてたら腕が死ぬでしょ?

 ホント、ソースとマヨネーズ、今現在進行中で大いに役立っておりますよ?
 だって……

 「うおっ、何だこれ、美味いっ!」
 「安っぽい味と思うのに、何でかやめられない!」
 「酒、エールが欲しい!」

 作戦的中、味見をした方々の多くが屋台に並び、行列を作る。
 そうして丸々一個買った客が店の側で食べる姿を見てまた人が集まる。

 そもそも匂いに釣られてふらふらと広場にやって来る人の波が出来る。

 連れの居る人は、一人に列に並ばせておいて隣の酒屋に駆け込む。
 「おいおやっさん、エールくれや」
 そうして買い込んだエールをお好み焼きをつまみに一杯。

 「カーッ、旨え! 酒のアテにピッタリだな、エールが進むぜ!」
 「ああ。ワインには合うかどうかちと微妙だが、エールの供には申し分ない」

 人気は上々。
 初の出店は大成功と言っても良い……よね?

 明日までの営業だと伝えたら、この町にもっと居てくれと言う人が続出したけど。
 ……もっと豊富に食材が手に入る町ならまだしも、この町に留まるつもりはない。
 きっぱり断り、翌々日の早朝、屋台を片付け私達はその町を後にしたのだった。
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感想 8

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