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魔王対策
ちょっと調子に乗り過ぎました。
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「――で。アンリ、何か言う事は?」
「う、ご、ごめんなさい……」
「……高ランクの冒険者とは聞いていたが――随分と規格外なのだな。突然ドラゴンが空を舞った時には流石に一瞬怯んじまったぜ」
あ、止めのブレスを受けた鯨は腹出して海上にプカプカ浮かんでます。勿論息絶えたのは確認済み。今兵士さんが人海戦術で解体中で、今夜は鯨肉の焼き肉パーティーの予定……なのですが。
皆を驚かせてしまったので、現在お説教中です。
「まぁ、結果的に助かったから良いけどな。……取り敢えずあんたの国と武力で争う未来が来ない様、外交官にはキツく言い聞かせておこう。さて、ではそろそろパーティーの支度を始めさせねばな。大食らい共が暴動を起こしかねん」
「――お手伝いしますよ」
「……今度は普通に手伝ってくれると助かる」
「勿論です」
こらこらレイフレッドさんや、それはどういう意味かな?
鯨肉……。日本じゃ散々捕鯨問題がニュースになったりしてたけど……。鯨肉なんて、戦争中の給食メニューだったんだよね?
どうにもあまり美味しそうなイメージがない。
無いけど……こいつは魔物だから普通の鯨とも違うし……。肉が焼ける匂いはまぁ美味しそう……ではある。
「鯨肉か……。俺も飲み屋で馬肉は食ったことあるけど鯨は無いなぁ」
「いや、だから魔物だから真っ当な鯨じゃないし。聞いたけど、あんな化け物級に大きいのが出たのは初めてらしいけど、普通の軍船で狩れる程度のは今までも出てたってよ。結構な美味らしいよ、あいつの肉。大きくなったせいで大味にさえなってなきゃ期待しても良いんじゃない?」
「あ、本当だ。美味い。何だろ、とろとろの豚角煮食べてるみたいなのに脂がしつこくなくてさっぱりしてるのに……凄い甘い」
「これ、焼き肉なんだよね? 煮込み料理じゃないのにこの厚さでこの柔らかさってのも凄いね」
「魔物とはいえ海の生き物なんだし焼き肉っつーよりは焼き魚って言う方が正しそうだけど……。この食感は魚じゃなく肉なんだよなぁ」
「そんなのどっちでも良いじゃない、美味しければ! ……希少な魔物素材でなければ養殖して売りさばきたいくらいの味なのよ!」
……我が娘ながら相変わらず商魂逞しい娘である。
「けど、この味……あの調味料を試してもらいましょうか。これでウケればこの国で売れる商品がまた一つ増えるわ!」
こうして美味しいお肉でお腹を満たした私達はその翌日、改めて港を離れ次の国を目指して航海を再開する。
「では、お仕事をお願いしますね?」
……たっぷりの仕事と共に。
「う、ご、ごめんなさい……」
「……高ランクの冒険者とは聞いていたが――随分と規格外なのだな。突然ドラゴンが空を舞った時には流石に一瞬怯んじまったぜ」
あ、止めのブレスを受けた鯨は腹出して海上にプカプカ浮かんでます。勿論息絶えたのは確認済み。今兵士さんが人海戦術で解体中で、今夜は鯨肉の焼き肉パーティーの予定……なのですが。
皆を驚かせてしまったので、現在お説教中です。
「まぁ、結果的に助かったから良いけどな。……取り敢えずあんたの国と武力で争う未来が来ない様、外交官にはキツく言い聞かせておこう。さて、ではそろそろパーティーの支度を始めさせねばな。大食らい共が暴動を起こしかねん」
「――お手伝いしますよ」
「……今度は普通に手伝ってくれると助かる」
「勿論です」
こらこらレイフレッドさんや、それはどういう意味かな?
鯨肉……。日本じゃ散々捕鯨問題がニュースになったりしてたけど……。鯨肉なんて、戦争中の給食メニューだったんだよね?
どうにもあまり美味しそうなイメージがない。
無いけど……こいつは魔物だから普通の鯨とも違うし……。肉が焼ける匂いはまぁ美味しそう……ではある。
「鯨肉か……。俺も飲み屋で馬肉は食ったことあるけど鯨は無いなぁ」
「いや、だから魔物だから真っ当な鯨じゃないし。聞いたけど、あんな化け物級に大きいのが出たのは初めてらしいけど、普通の軍船で狩れる程度のは今までも出てたってよ。結構な美味らしいよ、あいつの肉。大きくなったせいで大味にさえなってなきゃ期待しても良いんじゃない?」
「あ、本当だ。美味い。何だろ、とろとろの豚角煮食べてるみたいなのに脂がしつこくなくてさっぱりしてるのに……凄い甘い」
「これ、焼き肉なんだよね? 煮込み料理じゃないのにこの厚さでこの柔らかさってのも凄いね」
「魔物とはいえ海の生き物なんだし焼き肉っつーよりは焼き魚って言う方が正しそうだけど……。この食感は魚じゃなく肉なんだよなぁ」
「そんなのどっちでも良いじゃない、美味しければ! ……希少な魔物素材でなければ養殖して売りさばきたいくらいの味なのよ!」
……我が娘ながら相変わらず商魂逞しい娘である。
「けど、この味……あの調味料を試してもらいましょうか。これでウケればこの国で売れる商品がまた一つ増えるわ!」
こうして美味しいお肉でお腹を満たした私達はその翌日、改めて港を離れ次の国を目指して航海を再開する。
「では、お仕事をお願いしますね?」
……たっぷりの仕事と共に。
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