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魔王対策
実験しよう!
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私はこれまで魔法使ったり魔道具作るのに困ったことってあんまり無かった。……特に術式構築に困った事はほとんど無かった。
商品改良の為に試行錯誤する苦労はあっても、そのアイデアを形にする事に苦労した事はない。
そうして構築したアイデアが上手くいかずに失敗した商品はあっても、アイデアを実現できずに失敗した事は無かった。
だから今回も、より効率的に稼働できる術式を開発する苦労は想定しても、叩き台にするつもりの術式が稼働しないなんて事態を私は全く想定していなかったのだ。
だけど……。
「まさか『邪気』とか適当に付けた名前に反応しないどころか、『負の感情』ってストレートに書いても上手くいかないとは思わなかったわ……」
技術者の指摘は正しかったらしい。
確かにこれは術式の開発以前に実験が必要だわ。
でも「神界へ」という方は既に対策は高じている。
電話と一緒で送信機と受信機を作れば良い。で、受信機を神様自身に神界へ持って行って貰えば良い。
だから、今一番の課題は『邪気』の認識である。
「あ、偽装の魔道具開発はこっちに任せてくれて良いよ!」
と、爽やかに微笑んだカレンはこちらの実験にはノータッチだ。
「知らない事は喋れないからね。代わりに、偽装魔道具については誰より詳しく説明出来るように頑張るよ!」
と、頼もしい宣言をされた。
「さて、どうしようかな」
紙とペンを前に、私とカイルがうんうん唸る。
「目に見えるモンじゃないってのが難しいよな。掃除機ならゴミって目に見えるし、小さくて普通じゃ目に見えない物も顕微鏡使えば見えると俺達は知ってる。けど、感情が生み出す負の空気なんて確かに見えねぇし、酸素や二酸化炭素みたく具体的に感じるのも難しい」
「日本じゃ良く『空気読め』って言ってたけど、あれも感受性に個人差結構あったしね」
取り敢えず思い付く限りの言葉を試しては失敗する。……失敗は成功の母とは言うけど。
エジソンさん、アンタ偉いよ。私、失敗しすぎてそろそろ心折れそうだよ。
一方で、カレン主導で作っている偽装魔道具は調子が良いらしい。私もちょっとあっちに混ざってキャッキャウフフとやりたい衝動にかられるけど、私がそれやっちゃマズイからグッと我慢してる。
「で、出来た……!」
……結局成功するまで一月かかっちゃったよ。
だけど、この肝が出来れば後は既にある術式を応用すれば良いだけだ。
「それじゃ、素材採集に行きますか!」
その頃にはカレンの方も後は量産するだけの体制を整えていて、必要な素材のリストを渡された。
……我が娘ながらちゃっかりしている。
「レイフレッド、行くよ!」
この間の休日みたいなレジャー半分の冒険じゃない。久々の冒険者仕事へと私達は旅立つのだった。
商品改良の為に試行錯誤する苦労はあっても、そのアイデアを形にする事に苦労した事はない。
そうして構築したアイデアが上手くいかずに失敗した商品はあっても、アイデアを実現できずに失敗した事は無かった。
だから今回も、より効率的に稼働できる術式を開発する苦労は想定しても、叩き台にするつもりの術式が稼働しないなんて事態を私は全く想定していなかったのだ。
だけど……。
「まさか『邪気』とか適当に付けた名前に反応しないどころか、『負の感情』ってストレートに書いても上手くいかないとは思わなかったわ……」
技術者の指摘は正しかったらしい。
確かにこれは術式の開発以前に実験が必要だわ。
でも「神界へ」という方は既に対策は高じている。
電話と一緒で送信機と受信機を作れば良い。で、受信機を神様自身に神界へ持って行って貰えば良い。
だから、今一番の課題は『邪気』の認識である。
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と、爽やかに微笑んだカレンはこちらの実験にはノータッチだ。
「知らない事は喋れないからね。代わりに、偽装魔道具については誰より詳しく説明出来るように頑張るよ!」
と、頼もしい宣言をされた。
「さて、どうしようかな」
紙とペンを前に、私とカイルがうんうん唸る。
「目に見えるモンじゃないってのが難しいよな。掃除機ならゴミって目に見えるし、小さくて普通じゃ目に見えない物も顕微鏡使えば見えると俺達は知ってる。けど、感情が生み出す負の空気なんて確かに見えねぇし、酸素や二酸化炭素みたく具体的に感じるのも難しい」
「日本じゃ良く『空気読め』って言ってたけど、あれも感受性に個人差結構あったしね」
取り敢えず思い付く限りの言葉を試しては失敗する。……失敗は成功の母とは言うけど。
エジソンさん、アンタ偉いよ。私、失敗しすぎてそろそろ心折れそうだよ。
一方で、カレン主導で作っている偽装魔道具は調子が良いらしい。私もちょっとあっちに混ざってキャッキャウフフとやりたい衝動にかられるけど、私がそれやっちゃマズイからグッと我慢してる。
「で、出来た……!」
……結局成功するまで一月かかっちゃったよ。
だけど、この肝が出来れば後は既にある術式を応用すれば良いだけだ。
「それじゃ、素材採集に行きますか!」
その頃にはカレンの方も後は量産するだけの体制を整えていて、必要な素材のリストを渡された。
……我が娘ながらちゃっかりしている。
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