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国王のお仕事

国際会議への使者

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    各国で、元闇ギルドメンバー……とは名ばかりの、チンピラに毛が生えたような連中が次々と狩られ、闇ギルドは本格的に崩壊を迎え、ほぼ壊滅状態へと追い込んだ――そんな頃の事だった。
    から使者が来たのは。
    その使者はとある会議の開催を報せ、また招待状を携えてやって来た。
   「新たなる国の王よ、そこに記されし日時に、我が国へ参られよ」
    その使者は王の前でも跪かずにそう告げるだけ告げて帰って行った。
   「……さすが、ね」
   「――ええ、随分と高圧的な使者でしたね」
   「まぁウチは新参者だからね……」
    ものすごく上から目線で伝えられた知らせと、「やるんだからありがたく受け取れ」と無言の主張を受けながら渡された招待状。
    流石、この世界の警察を名乗り、この世界唯一の宗教の総本山だ。
    使者達は、三皇帝にもあんな態度なんだろうか?
   「でも、ウチの教会を見てビックリしてたわよ!」
   「ふふふ、思った以上に立派だったんでしょ!」
     うん。来たついでに教会を視察したいって言うから案内したら凄く驚いて……なんか悔しそうにしてた。あれ、教会がショボかったらなんか言われてたんだろうなーとついつい邪推してしまう。
   「しかし……半年後、ですか。しかも島への船出は会議開始半月前の一便だけ。会議期間は一ヶ月。……ちなみに船の出る港はマルクニアの港。支部があるので港まではすぐに行き来できますがこれは……長旅になりますね」
   「ええ。参加可能なのは王と王妃……または王配と、護衛三人、宰相か外交官のいずれかの六名までだそうよ」
    「なら、二人は決まりよね?    残りの人選はどうしよっか?」
    「……俺は、双子を連れて行きたい」
     レイフレッドが提案した。
    「良い経験になりそうだ。護衛のもう一人は騎士団長を連れて行けば何とかなるだろう」
    「んじゃ、後は宰相か外交官か……どっちを連れていく?」
    「うん、今回は色んな国のヒトが来るからさ、外交に強いヒトを連れて行きたいと思う」
    ……だって、この招待状、会議の場所と日時は書いてあるのに議題とか何にも書いてないんだもん。
    勿論使者だって、一言も言ってない。
    だけど、様々な国が集まるのなら、方々で外交が行われるだろう。それに対応するのに私たち二人だけではちょっと心許な過ぎる。
   「確かに。では、外務大臣を連れて行きましょう」
   「……では、仕事の引き継ぎにかかりましょう」
   「念のため、会議についての情報収集も。表と影両面から探ってちょうだい」
   「……了解しました!」
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