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領主のお仕事
レイリアのパートナー
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「紹介したい人が居る」
領地に帰ってしばらく。闇ギルドの件でピリピリしていた私達夫婦に、長女のレイリアが打診してきた。
彼女ももう十二歳。……成人まであと三年だ。だから、そろそろだろうな、という覚悟というか心づもりはあったから、「分かった、連れておいで」と、すんなりと言葉は出た。
……レイフレッドは影でこそこそ泣いてたけどね。
けど、パートナーの重要性はそれこそ身を以て知っているから、〝影でこそこそ〟してるんだ。
だから、私はそれを見て見ぬフリしてその日を迎えた。
お茶とお菓子を用意して、レイフレッドと二人で待つ。すると、レイリアに案内されてきたのはレイリアと同じくらいの年頃の――獣耳と尻尾のついた少年だった。その耳と尻尾は――
「虎……の獣人のハーフの子かしら?」
「ははは、はいっ! その、レイリアさんとお付き合いをさせていただいておりまして……!」
緊張してガチガチになっているその顔は人間のものと変わらない。……これは獣人ハーフの特徴だ。
「親御さんの承認は得られているの?」
「はいっ、……あの、俺、孤児院の出身で……、院長先生は、お前の決めた道ならって言ってくれてて!」
ふむ、なら問題はないか……?
「契約は、まだもう少ししてからだよ。でも、彼が私のパートナーなのはほぼ決まりだから」
レイリアは、慌てる彼――名前をシン君と言うらしいその子の様子とは裏腹にやけに落ち着いた応対をしていた。
「だって、二人で慌てふためいてたら話が進まないじゃない」
……だって。我が娘ながら中々にマイペースと言うかドライと言うか……。
「その先の話はもっとまだだけど、でも、時間の問題だと思っといてね」
「――パートナーになるって話はそれで良いけど、その先についてはもう少しシン君の事を知らないと、レイリアの事を安心して任せられないよ」
だけど、そこはレイフレッドがチクリと釘を刺した。
「はいっ、俺、警備隊に入りたくて鍛えてて……! 学校出たら試験を受けるんです!」
その言葉が嘘じゃないことは見ていれば分かる。
「そうか。それは頑張れ、と言う事しかできないな。ウチはコネとか一切認めてないからね。――だから、そう言う事は試験に受かってからまた聞こう」
「うん。それは分かってる。だから、今はまだパートナーとして認めてくれればそれで良い」
「……分かったよ。その時が来たらまた声をかけてくれ。立会人役は俺達で良いんだろう?」
「うん。ありがとう」
その後、彼女達は二人して仲良くお菓子なんか食べてお喋りして……とても楽しそうだった。
レイフレッドは血の涙を流しながらその様子をこっそり覗いていたけどね。……嫌なら見なきゃ良いのに。そうはいかないのが男親の面倒臭いトコなのかな……?
領地に帰ってしばらく。闇ギルドの件でピリピリしていた私達夫婦に、長女のレイリアが打診してきた。
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……レイフレッドは影でこそこそ泣いてたけどね。
けど、パートナーの重要性はそれこそ身を以て知っているから、〝影でこそこそ〟してるんだ。
だから、私はそれを見て見ぬフリしてその日を迎えた。
お茶とお菓子を用意して、レイフレッドと二人で待つ。すると、レイリアに案内されてきたのはレイリアと同じくらいの年頃の――獣耳と尻尾のついた少年だった。その耳と尻尾は――
「虎……の獣人のハーフの子かしら?」
「ははは、はいっ! その、レイリアさんとお付き合いをさせていただいておりまして……!」
緊張してガチガチになっているその顔は人間のものと変わらない。……これは獣人ハーフの特徴だ。
「親御さんの承認は得られているの?」
「はいっ、……あの、俺、孤児院の出身で……、院長先生は、お前の決めた道ならって言ってくれてて!」
ふむ、なら問題はないか……?
「契約は、まだもう少ししてからだよ。でも、彼が私のパートナーなのはほぼ決まりだから」
レイリアは、慌てる彼――名前をシン君と言うらしいその子の様子とは裏腹にやけに落ち着いた応対をしていた。
「だって、二人で慌てふためいてたら話が進まないじゃない」
……だって。我が娘ながら中々にマイペースと言うかドライと言うか……。
「その先の話はもっとまだだけど、でも、時間の問題だと思っといてね」
「――パートナーになるって話はそれで良いけど、その先についてはもう少しシン君の事を知らないと、レイリアの事を安心して任せられないよ」
だけど、そこはレイフレッドがチクリと釘を刺した。
「はいっ、俺、警備隊に入りたくて鍛えてて……! 学校出たら試験を受けるんです!」
その言葉が嘘じゃないことは見ていれば分かる。
「そうか。それは頑張れ、と言う事しかできないな。ウチはコネとか一切認めてないからね。――だから、そう言う事は試験に受かってからまた聞こう」
「うん。それは分かってる。だから、今はまだパートナーとして認めてくれればそれで良い」
「……分かったよ。その時が来たらまた声をかけてくれ。立会人役は俺達で良いんだろう?」
「うん。ありがとう」
その後、彼女達は二人して仲良くお菓子なんか食べてお喋りして……とても楽しそうだった。
レイフレッドは血の涙を流しながらその様子をこっそり覗いていたけどね。……嫌なら見なきゃ良いのに。そうはいかないのが男親の面倒臭いトコなのかな……?
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