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新領主誕生
初夜【微R18】
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「……疲れた」
それは夜も更け丑三つ時もそろそろ過ぎ去ろうと言う時分の事。
皇帝陛下らをそれぞれの城に戻し、後片付けを使用人に頼んで私達は漸く自分達に与えられた寝室へと戻って来た。
既に着替えも入浴済ませ、二人とも夜着姿。
その格好のまま、私はベッドにダイブした。
このまま眠りたい……という気がしないでもないが、今日はやらなきゃいけない事があるからね。
うつ伏せていた体をくるりとひっくり返して大の字になって彼を見上げた。
……私は前世で死んだ年齢を一つ越えて、十八歳になった。
心も体も大人になったんだから、と。
いつでも来い! とばかりに待ち構える。
その様を、ベッドに腰掛け眺めたレイフレッドは――一つ溜め息を吐いて見下ろした。
「お嬢様……いえ、アンリ……。何というか……潔さを誉めるべきなのか、情緒のなさを嘆くべきなのか……悩むところですね」
「むぅ……」
レイフレッドの突っ込みに私は何も言えない。
「でも……まぁ、構いませんよ。俺が何とかしますんで」
そう言って、レイフレッドはするりと私の腕を取り、牙を立てた。
いつもの通りに血を啜ると、いつもの通りに心地良さが全身を巡り出す。
だけど、手首を噛っていたのはほんの一瞬で。
するりと夜着が解かれ、すぐに素肌が外気に触れる。――と同時に彼の手が胸に触れた。
……吸血時とはまた微妙に異なる快楽がじんわりと広がっていく。
「レイ……」
けど、もう片方の胸の頂に彼の舌が触れ――牙が埋まる。
「ひゃぅ!」
舌で転がされながら、血も吸われる。二重の快楽に思わず声が出てしまう。
そんな私を上から楽しそうに眺めるレイフレッドは、口付けを求めて唇同士を触れ合わせた。
その間も胸を弄り続ける彼の手指……。
そして空いたもう片方の手が唯一残された下着へと伸びていく。
その布地の上から探られたそこがやけにしっとりしていて。ひくり、と動き、触れられた感触を快楽として脳に伝えてきた。
しばらく弄ぶかのように遊ばせていた指を、そろりと布地の下へと滑り込ませた。
彼の指が溢れたもので濡れそぼり、その濡れた指で何度も執拗に撫で上げられる。
……こんなに直接的に触れられたのは初めてで、私はその快楽に翻弄されていた。
するりといつの間にか下着を脱がされていて、指や舌がそこを執拗に責める。
快楽の高ぶりに、キュッと下腹部が切なくなる。
息の荒いレイフレッドが私に覆い被さり、そこに彼自身が触れ―― 痛みと共にそれが私の中に割って入ってくる。
覚悟していた痛みに耐えつつ、それを受け入れる。
前世含め初めて味わう感覚を味わいながら、私は呼吸を整えた。
そうして、彼が果てるのを見届けて……。
私達は正真正銘、夫婦の契りを交わしたのだった。
それは夜も更け丑三つ時もそろそろ過ぎ去ろうと言う時分の事。
皇帝陛下らをそれぞれの城に戻し、後片付けを使用人に頼んで私達は漸く自分達に与えられた寝室へと戻って来た。
既に着替えも入浴済ませ、二人とも夜着姿。
その格好のまま、私はベッドにダイブした。
このまま眠りたい……という気がしないでもないが、今日はやらなきゃいけない事があるからね。
うつ伏せていた体をくるりとひっくり返して大の字になって彼を見上げた。
……私は前世で死んだ年齢を一つ越えて、十八歳になった。
心も体も大人になったんだから、と。
いつでも来い! とばかりに待ち構える。
その様を、ベッドに腰掛け眺めたレイフレッドは――一つ溜め息を吐いて見下ろした。
「お嬢様……いえ、アンリ……。何というか……潔さを誉めるべきなのか、情緒のなさを嘆くべきなのか……悩むところですね」
「むぅ……」
レイフレッドの突っ込みに私は何も言えない。
「でも……まぁ、構いませんよ。俺が何とかしますんで」
そう言って、レイフレッドはするりと私の腕を取り、牙を立てた。
いつもの通りに血を啜ると、いつもの通りに心地良さが全身を巡り出す。
だけど、手首を噛っていたのはほんの一瞬で。
するりと夜着が解かれ、すぐに素肌が外気に触れる。――と同時に彼の手が胸に触れた。
……吸血時とはまた微妙に異なる快楽がじんわりと広がっていく。
「レイ……」
けど、もう片方の胸の頂に彼の舌が触れ――牙が埋まる。
「ひゃぅ!」
舌で転がされながら、血も吸われる。二重の快楽に思わず声が出てしまう。
そんな私を上から楽しそうに眺めるレイフレッドは、口付けを求めて唇同士を触れ合わせた。
その間も胸を弄り続ける彼の手指……。
そして空いたもう片方の手が唯一残された下着へと伸びていく。
その布地の上から探られたそこがやけにしっとりしていて。ひくり、と動き、触れられた感触を快楽として脳に伝えてきた。
しばらく弄ぶかのように遊ばせていた指を、そろりと布地の下へと滑り込ませた。
彼の指が溢れたもので濡れそぼり、その濡れた指で何度も執拗に撫で上げられる。
……こんなに直接的に触れられたのは初めてで、私はその快楽に翻弄されていた。
するりといつの間にか下着を脱がされていて、指や舌がそこを執拗に責める。
快楽の高ぶりに、キュッと下腹部が切なくなる。
息の荒いレイフレッドが私に覆い被さり、そこに彼自身が触れ―― 痛みと共にそれが私の中に割って入ってくる。
覚悟していた痛みに耐えつつ、それを受け入れる。
前世含め初めて味わう感覚を味わいながら、私は呼吸を整えた。
そうして、彼が果てるのを見届けて……。
私達は正真正銘、夫婦の契りを交わしたのだった。
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