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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~
成人式
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「ところで、少し遅くなってしまったけれど、成人式をしないとね」
夕食の後、お父様が言った。
先日、十五歳の鑑定式は既に学校近くの教会で済ませている。
だけど、誕生日パーティーなんてものは勿論開いていない。……いや、直近の土日に店の幹部にお祝いされたけど、公式なパーティーは開いていなかった。
「アンリ、君はこれから貴族になる。平民としてのパーティーは多分これが最後になるだろう。君も招待したい人が居るだろうし……一週間後でどうだろう?」
――こうまで言われちゃ断れないし。
「分かりました。店の幹部には通達を出しておきます」
今回のパーティーにはレイフレッドも使用人としてではなく正式にゲストとして参加する事になっていた。
他にお祖父様達も呼ぶ予定でいる。
……学校で出来たお友達は……王子とか公爵令嬢とかばかりなんで……さすがにこのパーティーには呼べない。
まぁ、鑑定式の帰りにお祝いして貰ったからね。十分過ぎるでしょ?
それで、私達の部屋を新しく貰った。
「君達は貴族になる訳だけど、ここは君達の実家なんだから……たまには帰っておいで。この部屋はそのままにしておくから」
そう言われたので、一週間使ってそれぞれの部屋から荷物を移動させた。
部屋の構造は私の部屋とそうは変わらない。ただ、寝室が夫婦仕様なだけの部屋。
ついでに、その一週間の間に全ての皇帝陛下にレイフレッドとの婚約を報告に赴いたり、その上で私にも男爵位をいただいたりしてしまった。
「そりゃそうでしょ。彼らが本当に欲しいのは私ではなくお嬢様なんですから当然ですよ」
そんなこんなで一週間が経ち。
迎賓館で私の成人パーティーが開かれた。
レイフレッドにエスコートされながら会場を回る。
「……まさか本当にやり遂げるとはなぁ」
困ったように笑うお祖父様が、ビールを片手にレイフレッドの肩を叩いた。
「まさかあん時のガキんちょが立派に子爵様になって、男爵様になったアンリを貰ってくれるとはな」
そう、レイフレッドも私が男爵位を貰った時に子爵を貰っている。
同時に正式にあの領地を賜り、これから正式に開拓が始まるのだ。それに三年もの間正式には関われないのが今の私の一番の不満だ。
「式は、私が上級学校を卒業してからだから……まだ三年は後だけどね」
その会話にシリカさんも加わってくる。
「というか、お前が上級学校を卒業したら、お前の方に辺境伯の爵位が与えられるはずだ。レイフレッドは婿入りする形になるはずだぞ?」
「……まぁ、そうでしょうね」
「ええ!?」
「ははは、だから言ってるじゃないですか。彼らが本当に欲しいのは私ではなくお嬢様の力なんだと。私はお嬢様のサポート役として必要とされてはいますが……やはりメインはお嬢様でないと……ね?」
そう言って微笑むレイフレッドは。
「せいぜい三年間、頑張って基礎作りを始めていますよ」
数日後、私を学校へと送り出したのだった。
夕食の後、お父様が言った。
先日、十五歳の鑑定式は既に学校近くの教会で済ませている。
だけど、誕生日パーティーなんてものは勿論開いていない。……いや、直近の土日に店の幹部にお祝いされたけど、公式なパーティーは開いていなかった。
「アンリ、君はこれから貴族になる。平民としてのパーティーは多分これが最後になるだろう。君も招待したい人が居るだろうし……一週間後でどうだろう?」
――こうまで言われちゃ断れないし。
「分かりました。店の幹部には通達を出しておきます」
今回のパーティーにはレイフレッドも使用人としてではなく正式にゲストとして参加する事になっていた。
他にお祖父様達も呼ぶ予定でいる。
……学校で出来たお友達は……王子とか公爵令嬢とかばかりなんで……さすがにこのパーティーには呼べない。
まぁ、鑑定式の帰りにお祝いして貰ったからね。十分過ぎるでしょ?
それで、私達の部屋を新しく貰った。
「君達は貴族になる訳だけど、ここは君達の実家なんだから……たまには帰っておいで。この部屋はそのままにしておくから」
そう言われたので、一週間使ってそれぞれの部屋から荷物を移動させた。
部屋の構造は私の部屋とそうは変わらない。ただ、寝室が夫婦仕様なだけの部屋。
ついでに、その一週間の間に全ての皇帝陛下にレイフレッドとの婚約を報告に赴いたり、その上で私にも男爵位をいただいたりしてしまった。
「そりゃそうでしょ。彼らが本当に欲しいのは私ではなくお嬢様なんですから当然ですよ」
そんなこんなで一週間が経ち。
迎賓館で私の成人パーティーが開かれた。
レイフレッドにエスコートされながら会場を回る。
「……まさか本当にやり遂げるとはなぁ」
困ったように笑うお祖父様が、ビールを片手にレイフレッドの肩を叩いた。
「まさかあん時のガキんちょが立派に子爵様になって、男爵様になったアンリを貰ってくれるとはな」
そう、レイフレッドも私が男爵位を貰った時に子爵を貰っている。
同時に正式にあの領地を賜り、これから正式に開拓が始まるのだ。それに三年もの間正式には関われないのが今の私の一番の不満だ。
「式は、私が上級学校を卒業してからだから……まだ三年は後だけどね」
その会話にシリカさんも加わってくる。
「というか、お前が上級学校を卒業したら、お前の方に辺境伯の爵位が与えられるはずだ。レイフレッドは婿入りする形になるはずだぞ?」
「……まぁ、そうでしょうね」
「ええ!?」
「ははは、だから言ってるじゃないですか。彼らが本当に欲しいのは私ではなくお嬢様の力なんだと。私はお嬢様のサポート役として必要とされてはいますが……やはりメインはお嬢様でないと……ね?」
そう言って微笑むレイフレッドは。
「せいぜい三年間、頑張って基礎作りを始めていますよ」
数日後、私を学校へと送り出したのだった。
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