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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

一山越えて

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    体育祭が無事に終わった翌日。
    私達生徒会メンバーは、体育祭の反省会及び次の学園祭へ向けて本格的な詰めの話し合いの為に集まっていた。
    「体育祭は来場客からの評判も良く、参加した生徒からも好評価を得ています。今年の体育祭は大成功と言って良いでしょう」
    生徒会長も満足げな顔でそう総評した。
   「ですので、この流れのまま文化祭も良いものにしたいと思います」
    続けて次への抱負に繋げ、既に骨子までは出来上がった計画書を配る。
    「体育祭と同じく、各クラス及びクラブにはそれぞれ自らの展示は定期的に報告を上げて貰いながら各自て準備して貰う。展示は体育祭とは異なり保護者らにも各自で自由に回って貰う形になる。講堂を使う企画は体育祭同様実行委員を中心に進行。我々生徒会はそのバックアップと客の誘導が当日の主な仕事だ」
    うん。生徒会の仕事はやっぱり裏方仕事がメインなんだよね。……メンバーが皆目立つ容姿なだけにもっと派手な仕事をしていると思われがちなんだけどさ。
    「その後の音楽祭についても同時進行で。クラスでの練習もそろそろ始めるべきだろう。音楽室の使用許可の順の調整はどうなってる?」 
    ……なんて。
    そんな話し合いの一方で、クラスやクラブでは文化祭の展示の話し合いやら合唱の練習やらと、ハードスケジュールが続く日々で。
    ……クラスの展示は各教科の成果発表だから、クラスでの話し合いなんてせいぜいセッティングをどうするか程度の話し合いなんだけど、設営は業者に頼むことになっているから、その発注に齟齬が生じないよう細かく決める必要があった為、おざなりでは済まされず、きっちり話し合いが行われた。
    まぁ、基本的には貴族がメインの学校だからね。貴族は基本人を使う側。これはその予行練習なんだろう。
    だから私は、今後お祖父様の負担が減ると良いと思いながら、職人の考え方や、効率的で職人側に新設な発注の仕方とかこっそり囁いてみたりして暗躍してみた。
    逆に音楽祭はクラスではひたすら歌の練習をすれば良いけど、生徒会の方では練習場所の確保の平等性を調整したり、当日の発表の順番や審査や進行等やらなければならないことが山積みで。
    仕事の為に週末には商会の事務所に顔を出しても、本当に仕事だけで一日が終わり、せいぜいがケットシーの密偵の報告を聞くくらい。
    子爵家では使用人離れが深刻化しつつあるらしいが、当人たちは未だにその危機に気づいていないらしい。
    あーあ、と思う私もまた、忙しすぎて外野の動きを気にする余裕を無くしていた。
    体育祭で生まれた波に誘われ、文化祭が本来の意図とは違うところで注目を集めている事に……。
   「ソレス。ここで一気に畳み掛けるぞ。マティス、お前もクラスの抑えを頼む」
    「――御意」
   
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