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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

疑似餌の正体は

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    「ふふふ、上手くいったわね!」
   パン、と高く挙げた手を叩き合い、私達は作戦の成功を喜んだ。
    「まぁ、最終的に乗って来るだろうとは思ってたけど、流石にあぁも簡単に引っ掛かってくれるとは思わなかったけどね……。こんな策、私のお父様相手に仕掛けたらどんな冷たい目で見られるか……。鼻で笑われるのは確実として、まぁ叱られるわね」
   子爵に話を持っていった公共事業の話自体は本当なんだけど。
    コレ、ヒューリア帝国傘下の国々の大半が参加しての一大事業。
    これまで国の主要機関にのみ配されていた通信設備をもっと拡大し、利便性を高めたいとの各国の要望のもと、私達にも意見を聞きたいと、皇帝直々に会合への召喚状をいただいて、幾つか案を提示して……私達の貴重な土日は終了しました。
    で、ウチが元請けとなり、ルクスドを始めとするギルド経由で材料の調達や完成品の輸送、関連施設の建設を依頼。必要に応じて各許可を各国に求め着工、定期的に報告を上げ、予算からウチへ請求額が納められる事に決まっている。
    ……そこにあの子爵様がでしゃばれる様な舞台などある筈がない。
    それを、輸送を請け負う馬車……はウチで用意できても御者の人数を揃えるのは難しく、外部から人を募った訳だけど。
    そこにウチの元孤児の子をねじ込んだら、輸送中に煩い事を言う連中が居たと報告を受けたんだよね……。
    それが奴に見せた名簿にあった連中だ。
    つまり、奴らの煩い口を塞ぐのに賄賂を上手いこと渡してくれと依頼したわけ。勿論賄賂はこっちで用意するから上手いこと言いくるめてくれと。
    そのご褒美として歓楽街へご招待し、あの馬鹿との引き離しに成功したわけだ。
    因みに公共事業への出資はルクスドの貴族は皇帝からの勅命を受けたルクスド王のお達しで、少なくとも一口分の出資が義務付けられてるから……。
    正規の集金係には悪いが、ちょっと工作してウチのに上手いこと言わせて「裏金疑惑」の種まで撒けた。
    上出来である。
    勿論ウチの関与の証拠なんか残してませんよ?
    後で全部ケットシーちゃん達に引き上げて貰ったからね。
    ん、歓楽街豪遊のお金?
    あれは別の太客への接待のおまけでしかない。
    私やレイフレッドは大人達に止められてその手の接待には関与してません。
    ウチの従業員にはサキュバスとか適任が他にいますから、そこはプロに丸投げですよ。
    つまり、太客の我が儘に応えるために押さえておいたけど、結局使わなかった施設にご案内してるだけ。
    帳簿上に証拠は残らない。
    本命の接待相手も、接待内容的に公にはしたがらないから、情報の隠蔽だって簡単だし。
    ――ただでさえ忙しい最中の突然の大事業に貴重な休みを潰されたんだもん。ちょーっと利用させて貰ってもバチは当たらないよね?
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