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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

特別措置

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    弓術の授業があるからには勿論、弓道場が存在する。
    ゲーム的に欧州系の背景が多いのだけど、この場所だけは見事に和な光景が広がる。
    弓道着も白黒の袴。勿論更衣室は道場に併設されている。
    魔法実技の授業と比べると受講生はとても少ない。
    何故なら男子は大抵剣術か体術を選ぶし、お嬢様は体育を選ぶから、女子の割合はもっと少ない。
    ……まあ、でも授業の始めが陸トレなんてのはお約束だよね? 
    普段あまり体を動かす機会の無いお坊ちゃんはあっという間にヘタれる。
    どう考えても運動量はこないだの体術の授業のが多かったのにな……。あっちは騎士志望の子も多くて意外とへたれてたのは少なかった。
    逆に跡取りでもなければ騎士にもならない男子が弓道を選ぶ。「楽そう」で「格好良さそう」だからね、端から見ると。
    陸トレの後、経験者と未経験者に分かれて練習が始まる。
    初心者はまず作法から。経験者は早速的に向けての試射練習。
    ――実戦経験者な上スキル持ちな私からすれば、動かない的なんて百発百中ど真ん中に当てられるのが当たり前。
    「……流石、黄金級冒険者というのは伊達ではないな」
    生徒には口外禁止が言い渡されたけれど、先生方の間には極秘事項として話が回っているらしい。
    「既に三年次までに教えるべき事の全てを習得しているようだ。次回から個別に試験を行う。これに全て合格したなら弓術の単位を与える」
    つまり、その試験さえ終えれば今年度はこの時間が空き時間となり、二年生からはもう一つ別の単位を取得可能になるという事で。
    ……その後、魔法関連の授業及び手芸などクリエイトスキルが有利に働く実技関連の授業は軒並み同じ措置が取られ、私が継続して取る授業は必修科目以外は華道に茶道、世界史と経済の四科目のみとなり、あっという間に時間割りが白くなってしまった。
    勿論、私のようにぎちぎちに時間割りを詰めていなければ普通に空き時間はあるだろう。そんな場合は大抵図書館で自習かカフェテリア等でお茶、もしくはクラブ活動を……となる。
    これはどうやらそろそろ本気でクラブを選べと迫られているような。
     「……レイフレッドはクラブ決めた?」
    これ、上級学校にもクラブはあって、エスカレーター制度とか、いっそ共同で活動している部もあったりする。
    「いえ。ですが、なかなか学校で直接お手伝い出来る事が無くて……。出来ることならお嬢様と同じ部を選びたいと思っていまして……」
   「ああ、それいいわね」
    そうなると必然的に選択肢が絞られてくる。
    「だったら、これに決めるわ」
     私は希望のクラブ名を届けに記入し、翌日グラシエル先生に提出し、控えと部へ提出する書類を受け取った。
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