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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

二番煎じはウケませんよ?

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    はぁ。朝から面倒事があったばかりのホームルーム。勿論両隣と前の教壇には攻略対象。
    ――この学校はいわゆる置き勉は認められていないから、あの後教室に来たら今度は教科書がイタズラされてた……!    ……なんて事はなかったけど、机にはご丁寧に落書きはしてあった。
    教室に王子様ご一行はまだ来てなかったけど、流石に私達が最初……ではなかった。
    いっせいに集まった視線は、純粋に哀れむものや見下すもの、微妙に目を逸らすものとあったけど。
    「まあっ!    下駄箱のみならずクラスの机まで!    貴女、これも早く消しなさい!    あなた達も!    これを殿下や先生に言うんじゃないわよ!」
    ……うん。勿論机にも初日に対策は施してる。
    この学校の机も、下駄箱同様他クラスや特室棟には学校の机らしい机――天板とパイプ足のあれ――が使われてるんだけど、このクラスだけは事務机のような――職員室で先生が使ってる――あれの木製ゴージャスバージョンの物が使われてる。
    だから三段ある引き出しの、唯一鍵付きの一番上の机の引き出しの目立たない所に下駄箱と同じ仕掛けを設置済みだったからね。
    あっという間に消える落書きに何か皆して驚いている。
    お嬢様は何か言いたそうだったけど、その前に王子様達が来ちゃったから、愛想の良い婚約者モードに切り替え優雅に挨拶を交わしてた。
    「……きょうはいよいよ魔法実技の授業の日だな」
    王子様は随分楽しそう。
    うん。先週は大半の授業が自己紹介とか今後の授業内容説明みたいなオリエンテーションの延長みたいなのばっかだったからね!
    一部、この学校に来たならある程度出来て当然!    とばかりにいきなり実技テストを課せられた華道の授業は冷や汗ものだった……。一応前日に付け焼き刃で予習はしたけど、あんなの一夜漬けでどうにかなるもんじゃない。
    クリエイトスキルに華道なんてジャンルは含まれないけど、かつて鍛えた人の技を盗むコツとか手先の器用さ、美的センスがなければヤバかった。
    というかそれを駆使してやっとお嬢様達の下の上レベルに何とか食らいつけた。
    勿論先生にボロクソ叱られたよ……。
    けど、先生の腕は確かだった。先生の言う通りに直せばちょっとの差で全然違って見えるんだもん。
    大変だけど以外と楽しかった。
    で。
    今日は初の魔法実技の授業。
     専用の修練場での授業で、ここに通う大半の生徒が選択する授業とあって、メインで教える先生の他に助手の先生が十人もつくらしい。
    最初は初級魔法の練習からだけど、後には魔法での戦闘なんかもやるから、専用の服に着替える必要がある。
    そこはお金持ち学校だけあって修練場に更衣室がある。……ってったって体操着に着替えるんじゃないんだし。結界とか防御系の魔法を施したローブを制服の上に纏うだけ。
    前世庶民、今世もお金持ちではあるけど自分の事は自分でやる平民として育ち、冒険者稼業なんてやってたんだから、こんなもの豪快にさっさと羽織ったれやー!    ……って思うんだけどね。ここはお上品に着替えてナンボの場所。ええ、TPOくらい弁えます!
    さあ、いざ私の独壇場の場へ……!
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