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第三章 リゾートを作ろう!

鶏肉料理

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 朝採れ卵を産む鶏は、雄鶏とは別にして、無精卵を産ませている。

 しかし無精卵では勿論子は生まれない。

 だから、雄鶏と一緒に買い、有精卵を産ませる雌鳥も勿論居て。その卵から孵った子を飼育するための檻もまた別に作った。

 卵から孵った黄色いヒヨコが大人と同じ経路になるのにかかる期間はおよそ3ヶ月、90日。

 雌鳥は無精卵、または有精卵を産んで貰うため、それぞれの檻にお引越しして貰う。

 が、雄鶏は。繁殖用に、特に元気そうな雄は避けて、残った若鶏はといえば……、お肉にして食べる一択です!

 まぁ、その前に必要なプロセスはあるんだけどね。

 と、言うわけで!

 「さて、どうやって捕獲するか……」

 ただでさえ凶暴な雄鶏。なのにこの世界の鶏はまるで魔物の様な鶏なのだ。対策もなしに奴らを捕えよう等としたら、大怪我間違いなし。

 そこで、私は罠作戦を採用することにした。
 あの、罠を仕掛けた地面を踏むと仕掛けが作動して、タロットカードの吊るされた男みたく足を吊られて逆さ吊りにされるアレ。

 ……捕獲した鶏の喉を切って血抜きする工程は結構なスプラッターであったけど。

 吸血鬼のヴォルティスも、暗殺者だったシンくんも、村ではよく見た光景ですよと微笑むサナも、平気な顔でその光景を平然と見ていた。

 そんな中で一人気絶なんかしたら格好悪いから、なんとか気合で踏ん張ったけど……。
 ちょっと気分は悪くなった。

 と、言うのにだ。

 羽をむしり、それぞれパーツごとに解体し、その内のモモ肉をまず塩焼きにしようと、網の上で焼き始めると……

 「おお、美味そうな匂いだな」

 肉の焼ける良い匂いに、私のお腹も空いてくる。何とも現金な、と自分でも思うんだけど。

 手羽は煮込んで出汁を取り、ボンジリや皮、内臓はヤキトリ(塩)に。

 出汁にはミルクを足してスープに仕立てた。

 「これで今日明日は鶏肉三昧だね」

 「肉料理はやっぱ嬉しいな」
 と、ヴォルティスはご機嫌だ。

 「……ところで、血の匂いは大丈夫だったの?」
 「あん?」
 「いや、さっきの鶏の血だよ。一時とはいえ結構濃厚に血の匂いがしてたからさ」

 「阿呆。よっぽど飢えて死にそうとかならともかく、獣の血なんぞに食欲が湧くわけないだろう。極稀に獣の血を好む奴も居ない訳じゃないが、そんな奴は俺らの間じゃゲテモノ食いの変人扱いだ」

 ニヤリと嗜虐的な笑みを浮かべるヴォルティスは。

 「あんな臭い血に欲情する訳がないだろう? 間近に上等なご馳走があるってのに、わざわざゲテモノを食いたがる奴がいると思うか?」

 わざとらしく私の首筋を指でなぞり上げ。

 私がテンパるのを見て楽しそうに腹を抱えて笑いやがった。
 く、悔しい……!
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