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第十四章
結婚式
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いよいよ、だ。
とうとうこの日がやって来た。
今私は城の使用人に取り囲まれ、わちゃわちゃと身支度をあれこれと世話されている最中である。
このイベント週間の始まりから毎日ドレスで着飾り、その度風呂だマッサージだエステだとえらい騒ぎであったのだけど、今日のそれはやはり、格別だった。
日本の乙女ゲームの世界とあって、ウェディングドレスは勿論、白だ。
流石に王太子妃様の時のドレスの豪華さを越えるのは失礼と、それに比べれば控えめなのだと周りの皆は言うけどさ、そこは王子様との結婚式とあって、十分過ぎる程に豪華で贅沢なドレスだった。
――幸いなのは『精霊姫』なんて呼称につられて、幼稚園のお遊戯会の延長のようなイタいドレスではなかった事か。
いや、実はデザイン決めの時に、そんなドレスを提案していたデザイナーも居たんだよ。全力でその提案を蹴っ飛ばしたけどもね。
なのに周囲には一定数そのドレスの肩を持つ者がいたからね……。
ウェディングドレスでなくとも夜会で着れば? とも言われたけど、そういうドレスは私が好みじゃないんだ。
そうしてようやく、……本当によーやく終わった身支度。
早速会場への控室へと移動する。
ノアも、今頃別室で待ち、私より先に一人で会場入りする手筈になっている。
そして、そのノアの待つバージンロードの途中までエスコートしてくれる父親役は――
「何で貴方なのかしらね、ローでリヒ」
そう、影教師のローでリヒであった。
「影が参加可能ならアンタよりウチの執事のが適役でしょうに」
「いやー、いくら第三王子と言っても王子は王子だからねぇ。その結婚式に、上級とはいえ、使用人が参加はできないでしょ? その点教師という尊敬される職に就い――「あーはいはい、そこら辺は理解はしてても納得したくないのよ、もっと他の人選は無かったのかってね!」
扉の前で言葉の小競り合いを繰り広げるも、勝ち負けの判定が下る前に、時間が来てしまった。
中から漏れ聞こえてくる音楽の曲調が変わり、扉がゆっくりと開かれる。
大勢の観衆と、そしてバージンロードの先で待つ、リアル王子様。
こういう場で着飾った相手を“まるで王子”と称すが、かれは本物王子様。
だけど、リアル王子だからってイケメンとは限らないのに、ノアはお伽噺の王子より綺麗で格好いい。
バージンロードの途中で、エスコート役はノアに引き継がれる。
そして壇上で誓いの言葉を述べ、指輪を交換する。
島の精霊の祝福を受けた指輪だ。
「ふふ、やっと君を僕のものに出来た」
嬉しそうにノアは皆の前で私にキスをする。
わっと、会場が一斉に祝福の拍手で満たされた。
とうとうこの日がやって来た。
今私は城の使用人に取り囲まれ、わちゃわちゃと身支度をあれこれと世話されている最中である。
このイベント週間の始まりから毎日ドレスで着飾り、その度風呂だマッサージだエステだとえらい騒ぎであったのだけど、今日のそれはやはり、格別だった。
日本の乙女ゲームの世界とあって、ウェディングドレスは勿論、白だ。
流石に王太子妃様の時のドレスの豪華さを越えるのは失礼と、それに比べれば控えめなのだと周りの皆は言うけどさ、そこは王子様との結婚式とあって、十分過ぎる程に豪華で贅沢なドレスだった。
――幸いなのは『精霊姫』なんて呼称につられて、幼稚園のお遊戯会の延長のようなイタいドレスではなかった事か。
いや、実はデザイン決めの時に、そんなドレスを提案していたデザイナーも居たんだよ。全力でその提案を蹴っ飛ばしたけどもね。
なのに周囲には一定数そのドレスの肩を持つ者がいたからね……。
ウェディングドレスでなくとも夜会で着れば? とも言われたけど、そういうドレスは私が好みじゃないんだ。
そうしてようやく、……本当によーやく終わった身支度。
早速会場への控室へと移動する。
ノアも、今頃別室で待ち、私より先に一人で会場入りする手筈になっている。
そして、そのノアの待つバージンロードの途中までエスコートしてくれる父親役は――
「何で貴方なのかしらね、ローでリヒ」
そう、影教師のローでリヒであった。
「影が参加可能ならアンタよりウチの執事のが適役でしょうに」
「いやー、いくら第三王子と言っても王子は王子だからねぇ。その結婚式に、上級とはいえ、使用人が参加はできないでしょ? その点教師という尊敬される職に就い――「あーはいはい、そこら辺は理解はしてても納得したくないのよ、もっと他の人選は無かったのかってね!」
扉の前で言葉の小競り合いを繰り広げるも、勝ち負けの判定が下る前に、時間が来てしまった。
中から漏れ聞こえてくる音楽の曲調が変わり、扉がゆっくりと開かれる。
大勢の観衆と、そしてバージンロードの先で待つ、リアル王子様。
こういう場で着飾った相手を“まるで王子”と称すが、かれは本物王子様。
だけど、リアル王子だからってイケメンとは限らないのに、ノアはお伽噺の王子より綺麗で格好いい。
バージンロードの途中で、エスコート役はノアに引き継がれる。
そして壇上で誓いの言葉を述べ、指輪を交換する。
島の精霊の祝福を受けた指輪だ。
「ふふ、やっと君を僕のものに出来た」
嬉しそうにノアは皆の前で私にキスをする。
わっと、会場が一斉に祝福の拍手で満たされた。
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