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第十一章

必需品開発

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 まず、何が何でも必要なアイテムは、先の呼び出しベルだが。

 「できればドリンクバーなんかも開発したいのよね」

 「ドリンクバー、ですか?」
 「そう。セルフでドリンク飲み放題ってシステムよ。これが開発できればフードコート以外でも、庶民向けのレストラン……特に小さい子のいるファミリー向けの飲食店には助かると思うわ」

 前世では、ファミレスなら最早ドリンクバーはあって当たり前と言うレベルで普及していたドリンクバー。
 しかし、そのスタイルは店によってなかなか個性的な物からメーカー品まで多種多様。
 しかし、基本のコンセプトは変わらない。

 「ドリンクを定額で飲み放題、ただしセルフ式、ですか」

 レストランなら最初の注文時に聞けば良いけど、今回はフードコート。
 ……日本のフードコートでは、水やお茶の無料サービスは見たことあるけど、基本ドリンクは各店舗で注文するシステムだったが。

 少なくとも今回手掛けるのはチーズ特化のフードコート。
 ……チーズドリンクって、タピオカドリンク同様スイーツドリンク扱い。
 デザートと食べるなら良いけど、食事系とは合わない物もあるだろうし、だけど同じドリンクを各店舗毎に用意って、なんかこう、システム的に無駄な様に思えてしまう。

 「ここは、コップ一つにつき幾ら、でコップのレンタル自販機作って、そのコップのみ使用可能なマシンで飲み放題が妥当かな」
 コップが汚れてもう一つ、って場合は……追加レンタルにするか、それとも汚れたコップと引き換えに新しいコップに替えるサービスか。……そこは後者か。

 あんまりアコギに稼いでもな……。

 「なるほど、飲み物を濃縮して粉にして、それを後で水に溶かして飲む。飲み物の種類は開発次第、と。これもまた面白い。本当にお嬢様はどこからこんなにユニークなアイテムが出てくるんです?」
 ……前世の記憶からです、なんて言えない。

 そう、せっかくなんでフリーズドライのマシンも作りたい!

 その為に取った技術系の講義だ。
 「これが原案よ。……まだ素人に毛の生えたヒヨッ子の考えた穴だらけの設計図だけど」
 「そこは僕たちも一緒だよ。この設計図に書かれている事は理解できるけど、粗探しなんて大した成果もあげられない。プロの意見を聞かないと……」

 「うん、だよね……。だからさ、実はコレ、課題中にチラッと先生に見せてみたんだよね。そしたら面白いねって、改善案出してくれたの。自分で調べてみなさいって、問題点を指摘して、課題としてさ」

 「おお、ホントだ。問題点にチェックしてある」

 「そ、だからそれを来期の課題にするつもりだったんだよ」
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