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第八章

初のお宝ゲット!

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 人間って、慣れる生き物なんだね……。

 あれから数日。
 相変わらず一層と二層でひたすらゴブリン&スライム狩りに徹している内に、ビチビチとイキの良い魚を捌いているのと変わらない感覚になっていくのを、私は怖いと思いつつも、この世界で生きるしかないなら必要な事なのだと思う事にして。

 ……なのに、あれ以来毎朝の習慣となったアルトへの血の提供が、どうも素面でやるにはいたたまれない気分になって。
 それを気付かれまいと必死に隠すんだけど、アルトの方はムカつくくらいに通常運転で。

 それがまた、経験値の差を見せ付けられている様で。
 余裕の無い自分が悔しく。

 人間って、慣れる生き物じゃないのか、とつい思いたくなるけど、昼のダンジョン攻略ではやっぱり人は慣れる生き物なんだと納得させられる。

 そして、いよいよ三層へと降りる許可がアルトから出た。
 それと、魔法の使用許可も。

 ただし、あらたなモンスターが出現する毎に、必ず一度は直にトドメを刺す事を条件に出して。

 階段を降りた先は――やはりこれまでと同じ……いや、これまでより尚暗くなった洞窟で。

 一段と空気が冷たくなった。
 真冬の様な、とまでは言わないが、そろそろ上着の欲しい10月下旬か11月上旬並みの肌寒さだ。

 モンスターは……スライムは、上位種しか見なくなったが、そらも少なく。
 ゴブリンはホブゴブリンに進化していた。

 加えてコウモリ型のモンスターとネズミ型モンスターが新たに増えた。

 ……これが、上位種であるホブゴブリンよりも余程厄介だった。

 魔法で狙うにしても、とにかく的が小さくて。

 以前に戦った蜂型モンスターより小さいのだ。
 しかもすばしっこい。
 特にコウモリ型のは360度自在に飛び回る。
 狙いを定めるだけで一苦労である。
 その上、毒らや混乱やらの状態異常攻撃まで仕掛けてくる。

 魔法があっても、アルトの手助けなしに一人で挑んでいたら、今頃私はこの世とお別れしていたかもしれない。

 魔法も万能では無いのだと、身にしみて理解させられた。

 が、良い事もあった。
 三層まで来てようやく、ダンジョンならではのを発見したのである。

 三層には、他の魔物よりちょっと強い、中ボスともいえる、ホブゴブリンパーティーが一組、四層への階段の前に陣取っていて。

 そいつを倒し、その背後にあった壁の凹みに、アレを見つけた時の気持ちといったら!

 いやー、ワクワクしたよね。冒険の醍醐味を感じれたみたいで嬉しかったんだよね。

 ……お約束の形状の木箱を開けるまでは。
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