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第一章
精霊様の言う事には
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しかし。コイツさっき“神様”がどうとか言ったよね?
異世界転移と神様、ラノベ界では切っても切れないお約束じゃない?
大変ムカつくが、話は一応聞いておくべきかもしれない。
私は大きく深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「……それで。契約ってどう言う事よ。それにどうして神様なんてのが関わってるのよ」
「水の精霊と契約すれば、うっかり溺れても死なないぞ? まぁ、神様の贈り物のあの船は転覆もしないし、耐久値が残ってる限りは竜のブレスでも船に攻撃は通らないけどな!」
……今の紙耐久値では航海するだけで耐久値も危ういけどね。
まぁ今はそうでも、このまま経験値をためて船を進化させていけばいずれチート出来る様になるんだろう。
「それで。なんで私が神様にそんな贈り物をして貰えた訳? 異世界転移のお約束ってやつ?」
「えっ!? いやー、そのー、何かグチグチ言ってた気がするけどー、忘れちゃった☆」
テヘペロ♡ で誤魔化そうとするタツノオトシゴ。
「……チェンジ」
「え?」
「水の精霊との契約はともかく、お前とは契約したくない。だから、チェンジ」
「え、ちょ、待って。それ待って、契約してくれないとボク次の査定で評価下げられちゃうから!」
評価って……。サラリーマンか。
「それで。その神様とやらと私は話せるの?」
「う……、その、大陸の教会でお祈りすれば……」
大陸、ね。少なくとも今の船じゃ辿り着く前に船が消える。
まだしばらくはこの群島暮らしになるだろうし、その間ずっと話す相手もなく一人ってのもゾッとしない。
こんなのでも話し相手にはなるか……。
「はぁ、仕方ないね。良いよ、契約してやる。で、どうすれば良い」
「名前を付けてくれればいい。……本当なら、契約に値するかどうか試練を受けなきゃいけなかったりして、精霊と契約するのは大変なんだ! だから、今回はトクベツタイグウってやつなんだぞ!」
「じゃ、オルカで」
「契約は、結ばれた」
そう言って。ふとタツノオトシゴ……オルカが消えた。
「え……」
そして。
もぞもぞと、脇に抱えたシャチのぬいぐるみが動き出す。
「え?」
ふよふよと、自力で空中を泳ぎ、船の舳先のステータス画面にヒレを触れさせた。
“ピコン”
“登録が完了しました”
「それじゃ、今日はもう遅いしボクは寝るよ、お休みなさい~☆」
「は、おいこら待て、色々説明を――!」
しかし、私愛用の抱き枕兼用のぬいぐるみは、光となって消え去った。
耐久値を越した時のこの船の時と同じ様に――。
異世界転移と神様、ラノベ界では切っても切れないお約束じゃない?
大変ムカつくが、話は一応聞いておくべきかもしれない。
私は大きく深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「……それで。契約ってどう言う事よ。それにどうして神様なんてのが関わってるのよ」
「水の精霊と契約すれば、うっかり溺れても死なないぞ? まぁ、神様の贈り物のあの船は転覆もしないし、耐久値が残ってる限りは竜のブレスでも船に攻撃は通らないけどな!」
……今の紙耐久値では航海するだけで耐久値も危ういけどね。
まぁ今はそうでも、このまま経験値をためて船を進化させていけばいずれチート出来る様になるんだろう。
「それで。なんで私が神様にそんな贈り物をして貰えた訳? 異世界転移のお約束ってやつ?」
「えっ!? いやー、そのー、何かグチグチ言ってた気がするけどー、忘れちゃった☆」
テヘペロ♡ で誤魔化そうとするタツノオトシゴ。
「……チェンジ」
「え?」
「水の精霊との契約はともかく、お前とは契約したくない。だから、チェンジ」
「え、ちょ、待って。それ待って、契約してくれないとボク次の査定で評価下げられちゃうから!」
評価って……。サラリーマンか。
「それで。その神様とやらと私は話せるの?」
「う……、その、大陸の教会でお祈りすれば……」
大陸、ね。少なくとも今の船じゃ辿り着く前に船が消える。
まだしばらくはこの群島暮らしになるだろうし、その間ずっと話す相手もなく一人ってのもゾッとしない。
こんなのでも話し相手にはなるか……。
「はぁ、仕方ないね。良いよ、契約してやる。で、どうすれば良い」
「名前を付けてくれればいい。……本当なら、契約に値するかどうか試練を受けなきゃいけなかったりして、精霊と契約するのは大変なんだ! だから、今回はトクベツタイグウってやつなんだぞ!」
「じゃ、オルカで」
「契約は、結ばれた」
そう言って。ふとタツノオトシゴ……オルカが消えた。
「え……」
そして。
もぞもぞと、脇に抱えたシャチのぬいぐるみが動き出す。
「え?」
ふよふよと、自力で空中を泳ぎ、船の舳先のステータス画面にヒレを触れさせた。
“ピコン”
“登録が完了しました”
「それじゃ、今日はもう遅いしボクは寝るよ、お休みなさい~☆」
「は、おいこら待て、色々説明を――!」
しかし、私愛用の抱き枕兼用のぬいぐるみは、光となって消え去った。
耐久値を越した時のこの船の時と同じ様に――。
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