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トラップ
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森の中を歩きながら沙耶香は手榴弾とスタングレネードを草で隠れる位置に仕込んでいく。
「澪ちゃん?」
「何?」
「犬飼とはどうなのよ?」
ニヤケながら沙耶香は聞くと澪の顔がみるみる内に赤くなった。
「なっ、何でもないぞ。ただ戯言を言っていたのでちょっとからかっただけだ!」
「へ~まぁ、本気なら逃がさないようにね?」
澪は真っ赤になりながら慌てて否定しながらもせっせと手榴弾を木々にくくりつけていく。
「本気な訳がないだろう!勘違いもいい加減にしてほしいものだ」
「あんたは素直じゃないんだから!」
沙耶香はクスリと笑うと立ち上がり、回りを警戒しながら進んでいく。
間隔を開けないと一個が爆発した時に全部が連鎖して爆発してしまっては困るのだ。
このトラップには何回も活躍してもらわなければならないからである。
もし、最期の決戦がこの山手だったらいいのになぁ~っと冗談で笑いながら澪と話した。
トラップの仕掛けた木には印をつけて、どちらの方角に仕掛けてあるかをお互いがわかるようにしておいた。
これでもし、どちらかが死ぬことになっても片方が生きていれば安心できる。
そう、笑って沙耶香が言うものだから澪は本気で頭にきていた。
「死ぬなんて絶対に言うな!絶対に生き残る。それ以外は許さない。」
「はいはい。もし、だよ。冗談に決まってるでしょ?本気にしないでよ~」
澪は睨みつけると先に歩いていってしまう。
「全く~、少し見ない内に変わったわね~。あたしだって死にたいわけないじゃない。でも・・・」
前回の事もあるのだ。気付いたら荒木俊介を突き飛ばしたけど、そのあと焼け付くような痛みに意識を手放していた。それが一瞬の油断で招いた死、だったのだ。
「そろそろ麓の家でも制圧しに行こっか?」
遺跡で拾ったハンドガンだけで乗り込むつもりでいた。
下には家が一軒と倉庫が2つ。沙耶香は倉庫の壁に張り付くとそっとなかの様子を伺う。
静まり返ったそこには誰の気配もしなかった。
中には9mmの弾だけが落ちていた。
「澪?聞こえる?9mmの弾のみ発見。建物の中にはいるかも、気を付けなよ」
「分かっている。人の気配はしている。今から二階に移る」
一階を調べ終えた澪は二階の階段を上がろうとして足元のトラップに気付いた。
「なるほど。待ち構えているわけだ!」
トラップをそっとはずすと二階の扉は2つ。
どちらも怪しい。やることはひとつだけ。手前のドアをそっと奥に開けると同時にスタングレネードを投げ込む。一瞬の明かりが辺りに散って中で声が漏れた。逃がさないために手榴弾も次いでに投げ込む。
けたたましい爆音が響いて中には1人の死体が転がっていた。
もうひとつの扉も同じように開くとスタングレネードを投げ込み、時間をあけて、這い出てこようとしたところを手榴弾で片付ける。もうひとつの部屋には2人いたようで丸焼け遺体が3つ出来上がった。
転がっているM416を回収すると部屋を物色した時に迷彩のジャケット見つけて着替えた。
沙耶香はいつの間にかマイクロウージーを手にしていた。
「3人かぁ~。これって仲間がいると思う?」
澪は持ってる武器を思うとどうにももう少し別動隊がいそうであると思った。
「まだどこかにいるのか、それとも別れて行動していそうだ。それに7.62mmの弾はあるのに武器がない。ということは仲間が持っていっている。しかも、そいつはスナイパーを得意としている可能性が高いということになる。」
沙耶香は満面の笑みで肯定した。
「正解。そう見るのが妥当よね。ここで、帰ってくるのを待ってみない?」
沙耶香の申し出に賛同してドアを全部閉めると入り口を開けた瞬間爆発するようにトラップを仕掛けて二階と一階の階段裏に待避した。
そう待つ事なく家の前にバイクが止まった。
息を潜めてじっと待つだけで確実に一人は倒せる。
足音が段々と近づいてきて止まった。
コンコンッ。コンコンッ。
ノックが合図なのか暫く外から動かなかったが痺れを切らしたのか何か外で声が聞こえた。
しかし、日本語ではない。話されたのは英語であった。
ということはさっきの死体もそうだったがこのゲームの参加者はさまざまな国の人間がいるようだった。
そうなると、尚更自分達は不利であるのがハッキリと実感してきた。
無反応が気に入らないのか勢いよくドアを蹴ったようだった。
慎重に窓から入るかと思ったが意外と短気であるらしかった。
蹴られたドアは衝撃で歪み手榴弾のピンも抜ける。
すると大きな爆発が起きてそのまま外に吹き飛ばした。沙耶香は二階の窓から倒れている男を見ていたが他に人がいないことを確認すると一階に降りた。
「周りには人はいないしバイクもいただきだね?もうそろそろ合流しようか?」
澪は男の持ち物をあさる事に余念はない。
「M24かぁ、ないよりはいいよね?」
M24を沙耶香の方に放り投げる。
「ありがとう。グリップ付けてくれたんだー!スコープは持ってなかったの?」
「ドットサイトくらいかな、ないよりはましか?」
続いて投げて渡した。器用にキャッチするとそのまま装着する。
「澪ちゃん?」
「何?」
「犬飼とはどうなのよ?」
ニヤケながら沙耶香は聞くと澪の顔がみるみる内に赤くなった。
「なっ、何でもないぞ。ただ戯言を言っていたのでちょっとからかっただけだ!」
「へ~まぁ、本気なら逃がさないようにね?」
澪は真っ赤になりながら慌てて否定しながらもせっせと手榴弾を木々にくくりつけていく。
「本気な訳がないだろう!勘違いもいい加減にしてほしいものだ」
「あんたは素直じゃないんだから!」
沙耶香はクスリと笑うと立ち上がり、回りを警戒しながら進んでいく。
間隔を開けないと一個が爆発した時に全部が連鎖して爆発してしまっては困るのだ。
このトラップには何回も活躍してもらわなければならないからである。
もし、最期の決戦がこの山手だったらいいのになぁ~っと冗談で笑いながら澪と話した。
トラップの仕掛けた木には印をつけて、どちらの方角に仕掛けてあるかをお互いがわかるようにしておいた。
これでもし、どちらかが死ぬことになっても片方が生きていれば安心できる。
そう、笑って沙耶香が言うものだから澪は本気で頭にきていた。
「死ぬなんて絶対に言うな!絶対に生き残る。それ以外は許さない。」
「はいはい。もし、だよ。冗談に決まってるでしょ?本気にしないでよ~」
澪は睨みつけると先に歩いていってしまう。
「全く~、少し見ない内に変わったわね~。あたしだって死にたいわけないじゃない。でも・・・」
前回の事もあるのだ。気付いたら荒木俊介を突き飛ばしたけど、そのあと焼け付くような痛みに意識を手放していた。それが一瞬の油断で招いた死、だったのだ。
「そろそろ麓の家でも制圧しに行こっか?」
遺跡で拾ったハンドガンだけで乗り込むつもりでいた。
下には家が一軒と倉庫が2つ。沙耶香は倉庫の壁に張り付くとそっとなかの様子を伺う。
静まり返ったそこには誰の気配もしなかった。
中には9mmの弾だけが落ちていた。
「澪?聞こえる?9mmの弾のみ発見。建物の中にはいるかも、気を付けなよ」
「分かっている。人の気配はしている。今から二階に移る」
一階を調べ終えた澪は二階の階段を上がろうとして足元のトラップに気付いた。
「なるほど。待ち構えているわけだ!」
トラップをそっとはずすと二階の扉は2つ。
どちらも怪しい。やることはひとつだけ。手前のドアをそっと奥に開けると同時にスタングレネードを投げ込む。一瞬の明かりが辺りに散って中で声が漏れた。逃がさないために手榴弾も次いでに投げ込む。
けたたましい爆音が響いて中には1人の死体が転がっていた。
もうひとつの扉も同じように開くとスタングレネードを投げ込み、時間をあけて、這い出てこようとしたところを手榴弾で片付ける。もうひとつの部屋には2人いたようで丸焼け遺体が3つ出来上がった。
転がっているM416を回収すると部屋を物色した時に迷彩のジャケット見つけて着替えた。
沙耶香はいつの間にかマイクロウージーを手にしていた。
「3人かぁ~。これって仲間がいると思う?」
澪は持ってる武器を思うとどうにももう少し別動隊がいそうであると思った。
「まだどこかにいるのか、それとも別れて行動していそうだ。それに7.62mmの弾はあるのに武器がない。ということは仲間が持っていっている。しかも、そいつはスナイパーを得意としている可能性が高いということになる。」
沙耶香は満面の笑みで肯定した。
「正解。そう見るのが妥当よね。ここで、帰ってくるのを待ってみない?」
沙耶香の申し出に賛同してドアを全部閉めると入り口を開けた瞬間爆発するようにトラップを仕掛けて二階と一階の階段裏に待避した。
そう待つ事なく家の前にバイクが止まった。
息を潜めてじっと待つだけで確実に一人は倒せる。
足音が段々と近づいてきて止まった。
コンコンッ。コンコンッ。
ノックが合図なのか暫く外から動かなかったが痺れを切らしたのか何か外で声が聞こえた。
しかし、日本語ではない。話されたのは英語であった。
ということはさっきの死体もそうだったがこのゲームの参加者はさまざまな国の人間がいるようだった。
そうなると、尚更自分達は不利であるのがハッキリと実感してきた。
無反応が気に入らないのか勢いよくドアを蹴ったようだった。
慎重に窓から入るかと思ったが意外と短気であるらしかった。
蹴られたドアは衝撃で歪み手榴弾のピンも抜ける。
すると大きな爆発が起きてそのまま外に吹き飛ばした。沙耶香は二階の窓から倒れている男を見ていたが他に人がいないことを確認すると一階に降りた。
「周りには人はいないしバイクもいただきだね?もうそろそろ合流しようか?」
澪は男の持ち物をあさる事に余念はない。
「M24かぁ、ないよりはいいよね?」
M24を沙耶香の方に放り投げる。
「ありがとう。グリップ付けてくれたんだー!スコープは持ってなかったの?」
「ドットサイトくらいかな、ないよりはましか?」
続いて投げて渡した。器用にキャッチするとそのまま装着する。
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