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ゲームの趣旨
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男はコウジと名乗った。
コウジが言うには離脱用のポットがあるというのだがメニューにそんなものはない。
そもそもメニュー画面が出ることすら知らなかったと言うと呆れられた。
チーム同士だと通信で話せるというのも始めて知った。
敵を挟み撃ちにするタイミングなどを謀るのに便利だと言っていた。
メニューにてチームの補充と変更が可能であることも分かった。
死んでしまっても別の人を補充すれば戦いやすくなるというのだ。
死んだ場合はもう生き返る事はないという。
「あっ・・・だが、勝ち残れば生き返らせるってのも有りかもな」
「どういうことだ?」
奥田澪が食いついた。
「だからだ、どんな願いでも叶えてくれるってよ。ありえない事でもなんでもいいっていうんだから、人を生き返らせてくれってのも有りかなって。まぁ、そんな願いを言う奴なんか今まで居なかったけどな」
「例えば、どんな願いが叶ったんだ?」
犬飼要が不意に気になって聞くとコウジ自信は最後まで残ったことがないらしいが噂は聞いているらしい。
「それな、聞いて驚くなよ。サウジアラビアの石油王の爺さんがいるだろう?そいつが自分の敷地に枯れることのない石油を湧かせてくれって頼んだそうだ。それと、今も現職でやってるアメリカの大統領って前までどこにいたか知ってるか?」
「あっ、それなら知ってるぞ。軍人だったんだろう?しかも一平兵だろ?すごい出世だよな~」
金古亮太が羨ましいもんだよな~と嘆く。
「そいつも、このゲームに参加した次の年に異例の大統領に就任したって訳だ。どうだ?」
「それは、すごいが・・・そうなると日本人だけでなく各国の人種がいることになるんじゃないか?そうなると俺達のように銃をもたない人種は不利じゃないか?」
犬飼要の疑問は最もだった。銃に慣れている人種と一緒になんてやれる訳がない。
「そこさ。それがあるから日本人は隠れて残りが10人を切った時に離脱するんだよ。中には自衛官なんてのもいるから油断できねーのよ。そろそろほどいてくれねーか?俺の望みは同じチームに入れて貰うこと。どうかな諸君」
「どうって言われてもなぁ?どうするよ?」
金古亮太はそこまで敵意を持たなかった。俊介を助けて貰ったのも大きいのかもしれない。
しかし、犬飼要は余りいい顔はしなかった。
「こっちにメリットはないんじゃないか?」
「そりゃねーよ。色々教えたじゃねーか。俺の知ってることならなんでも教えるぞ」
「どうするよ?」
荒木俊介と奥田澪の方に振ると荒木俊介は首を振った。
「こいつは紗耶香の敵だ」
「そう、敵。今、仕留めておくべき」
二人の意見はぴったりと揃っていた。
「お前らな~さっきも聞いただろう?もしも、生き返らせれるのなら生存確率を上げる必要が有るんだ。俺たちだけじゃ心もとないが、一応さぁ、まかりなりにも経験者なんだぜ。利用するにこしたことはないだろう?」
「おぉ~言ってくれるねー。まぁ、悪い話じゃないと思うぜ」
荒木俊介はずっと睨んでいたが犬飼要の意見に賛同した。
しかし、奥田澪だけが頑なに嫌がった。
「ここで殺しておくべきだ。私は生かしておくなど許さない。ましてや一緒に行動するなど認めない。お前達がやらないなら私が殺る」
「考えなおっせて。生き残る為だって」
金古亮太がいくらいっても聞き入れる気はないらしい。
すると奥田澪がいきなり金古亮太にスカーの銃口を向けた。
「なっ、なにを・・・」
「すぐにしゃがめ」
小さな声で聞こえるように言うと、慌てて金古亮太は身を低くした。
奥田澪のいきなりの行動に荒木俊介と犬飼要は慌てたがしゃがんだ金古亮太を見て自分達もしゃがみこんだ。
そのタイミングと同時にある一ヶ所に向けてスカーが火花を散らす。
タタタッ。タタタッ。タタタッ。
「しくじったか?」
奥田澪が走り出すのを見て犬飼要は後を追うことにした。
「俊介、亮太、お前らはそいつを見とけ」
さっき、奥田澪が撃った場所には血痕があった。
怪我をしているらしい。
「どんだけゲームにのめりこんでんだよ。だが今は、それに助けられてるって訳か」
奥田澪の後を追いながら途中で逆サイドに回り込む。足を引きずるような足音が近づいてくる。犬飼要は、まずは隠れて通りすぎるのを待った。するとタイミングよくこちらに近づいてくるとパネルを挟んで反対側で足を止めた。
「くそっ、あのガキが。殺してやる」
物騒な声が聞こえた方へと近づき見える位置までくるとセーフティーレバーを解除して引き金を引いた。
「誰だっ」
ドォンッ。ドォンッ。
ショットガンなので威力は落ちると言うものの、間近で撃てば話は別である。
それから軽い足音がして奥田澪が現れた。
「少しは役にたったかな?」
「あぁ、上出来だ」
「こいつを連れてきてくれるか?」
奥田澪の申し出に嫌とは言えず、引きずるように運んだ。
金古亮太に見せるとコイツで間違いないらしい。
コウジが言うには離脱用のポットがあるというのだがメニューにそんなものはない。
そもそもメニュー画面が出ることすら知らなかったと言うと呆れられた。
チーム同士だと通信で話せるというのも始めて知った。
敵を挟み撃ちにするタイミングなどを謀るのに便利だと言っていた。
メニューにてチームの補充と変更が可能であることも分かった。
死んでしまっても別の人を補充すれば戦いやすくなるというのだ。
死んだ場合はもう生き返る事はないという。
「あっ・・・だが、勝ち残れば生き返らせるってのも有りかもな」
「どういうことだ?」
奥田澪が食いついた。
「だからだ、どんな願いでも叶えてくれるってよ。ありえない事でもなんでもいいっていうんだから、人を生き返らせてくれってのも有りかなって。まぁ、そんな願いを言う奴なんか今まで居なかったけどな」
「例えば、どんな願いが叶ったんだ?」
犬飼要が不意に気になって聞くとコウジ自信は最後まで残ったことがないらしいが噂は聞いているらしい。
「それな、聞いて驚くなよ。サウジアラビアの石油王の爺さんがいるだろう?そいつが自分の敷地に枯れることのない石油を湧かせてくれって頼んだそうだ。それと、今も現職でやってるアメリカの大統領って前までどこにいたか知ってるか?」
「あっ、それなら知ってるぞ。軍人だったんだろう?しかも一平兵だろ?すごい出世だよな~」
金古亮太が羨ましいもんだよな~と嘆く。
「そいつも、このゲームに参加した次の年に異例の大統領に就任したって訳だ。どうだ?」
「それは、すごいが・・・そうなると日本人だけでなく各国の人種がいることになるんじゃないか?そうなると俺達のように銃をもたない人種は不利じゃないか?」
犬飼要の疑問は最もだった。銃に慣れている人種と一緒になんてやれる訳がない。
「そこさ。それがあるから日本人は隠れて残りが10人を切った時に離脱するんだよ。中には自衛官なんてのもいるから油断できねーのよ。そろそろほどいてくれねーか?俺の望みは同じチームに入れて貰うこと。どうかな諸君」
「どうって言われてもなぁ?どうするよ?」
金古亮太はそこまで敵意を持たなかった。俊介を助けて貰ったのも大きいのかもしれない。
しかし、犬飼要は余りいい顔はしなかった。
「こっちにメリットはないんじゃないか?」
「そりゃねーよ。色々教えたじゃねーか。俺の知ってることならなんでも教えるぞ」
「どうするよ?」
荒木俊介と奥田澪の方に振ると荒木俊介は首を振った。
「こいつは紗耶香の敵だ」
「そう、敵。今、仕留めておくべき」
二人の意見はぴったりと揃っていた。
「お前らな~さっきも聞いただろう?もしも、生き返らせれるのなら生存確率を上げる必要が有るんだ。俺たちだけじゃ心もとないが、一応さぁ、まかりなりにも経験者なんだぜ。利用するにこしたことはないだろう?」
「おぉ~言ってくれるねー。まぁ、悪い話じゃないと思うぜ」
荒木俊介はずっと睨んでいたが犬飼要の意見に賛同した。
しかし、奥田澪だけが頑なに嫌がった。
「ここで殺しておくべきだ。私は生かしておくなど許さない。ましてや一緒に行動するなど認めない。お前達がやらないなら私が殺る」
「考えなおっせて。生き残る為だって」
金古亮太がいくらいっても聞き入れる気はないらしい。
すると奥田澪がいきなり金古亮太にスカーの銃口を向けた。
「なっ、なにを・・・」
「すぐにしゃがめ」
小さな声で聞こえるように言うと、慌てて金古亮太は身を低くした。
奥田澪のいきなりの行動に荒木俊介と犬飼要は慌てたがしゃがんだ金古亮太を見て自分達もしゃがみこんだ。
そのタイミングと同時にある一ヶ所に向けてスカーが火花を散らす。
タタタッ。タタタッ。タタタッ。
「しくじったか?」
奥田澪が走り出すのを見て犬飼要は後を追うことにした。
「俊介、亮太、お前らはそいつを見とけ」
さっき、奥田澪が撃った場所には血痕があった。
怪我をしているらしい。
「どんだけゲームにのめりこんでんだよ。だが今は、それに助けられてるって訳か」
奥田澪の後を追いながら途中で逆サイドに回り込む。足を引きずるような足音が近づいてくる。犬飼要は、まずは隠れて通りすぎるのを待った。するとタイミングよくこちらに近づいてくるとパネルを挟んで反対側で足を止めた。
「くそっ、あのガキが。殺してやる」
物騒な声が聞こえた方へと近づき見える位置までくるとセーフティーレバーを解除して引き金を引いた。
「誰だっ」
ドォンッ。ドォンッ。
ショットガンなので威力は落ちると言うものの、間近で撃てば話は別である。
それから軽い足音がして奥田澪が現れた。
「少しは役にたったかな?」
「あぁ、上出来だ」
「こいつを連れてきてくれるか?」
奥田澪の申し出に嫌とは言えず、引きずるように運んだ。
金古亮太に見せるとコイツで間違いないらしい。
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