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聖剣と聖女と聖木と
8話 騎士の誓い
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最後は中央が大きく波打った。
「真ん中に大きいのがきます!」
「皆、一斉に散開!」
ルイスの声にハイド先生の声が混ざる。
すると、すぐに飛び退いたのだった。
大きな姿を現した瞬間、かっこうの餌食だった。
最初に渡された聖水を一気に四方から投げ飛ばす。
すると、大きな雄叫びを上げて悶えるとその場か
らチリとなって消えたのだった。
「やったぁ~!倒せたのよね?」
セシリアが喜ぶとルイスに抱きついた。
「おい、ルイスから離れろっ!」
「ちょっと!弟だからって独占しすぎじゃないの?
私だって友人なのよ?」
セシリアの腕からジェイムスはルイスを奪い返す
と自分の腕の中に収めた。
「よくやった、ルイス」
「うん、ありがとう兄さん。あとは奥の剣を取っ
てくるだけだよ。早く行こう」
「そうだな」
開かれている扉の奥には台座があり、そこに一振
りの剣が刺さっている。
豪華な装飾に煌びやかな刀身。
どうみても普通ではありえない輝きを放っていた
のだった。
「俺が抜いてもいいのか?」
「うん。兄さんが持つものだからね」
ルイスに言われて前に進むとそのまま柄を握った。
身体の力が一気にスゥっと抜けて、さっきまで重
く感じたモノが消えて行く気がした。
毎回ルイスに無理させているので、気にはなって
いたがそれが解消された気分だった。
「これは……」
「一気に抜いちゃってよ」
「おう……」
グッと力を込めるが、一向に抜く気配はない。
「兄さん?」
「これって本当に抜けるのか?」
「あっ。そっか、うん、一緒に抜こうか!」
そういえば戦いが終わってボロボロになりながら
この部屋に来てセシリアと一緒に抜いたんだっけ。
ルイスも一緒に支えるように持つとさっきまでび
くともしなかったのにぐらっと浮くと簡単に引き
抜く事ができた。
これで聖剣が手に入った。
あとはこれを持って聖木を浄化できれば、この
ゲームの要とも取れるおおまかなあらすじはク
リアとなる。
あとは夜会でダンスに誘われればそのままなし
崩しに王妃の座が転がり込むという物語だった。
だが、それに関しては上手く行くとは思えなか
った。
聖女にセシリアが選ばれなかったせいで、セシ
リアは普通の一般生徒にすぎないのだ。
「鞘を作らないとな……ルイス、これはお前が持
たなくてもいいのか?ルイスが居なかったらこ
こまでくるのは大変だったしな…」
「僕には剣は使えないよ?それに兄さんが持って
て護ってくれると嬉しいな」
なんの気なしに言った言葉だったが、周りの空気
が一瞬で変わった気がした。
「あれ?何か変な事言った?」
「いや、俺は一生ルイスの事を護ることをここに
誓おう」
「いやぁっ~、なんか良かったね!ルイスくん」
「なんとも……こんなところで騎士の誓いをさせ
るとは…」
「ルイス、相手に兄でもいいのか?って、無駄な
詮索か?そういえばお前らもう、仲良いもんな」
かく各々が言うとやっとさっきの言葉を理解した
のだった。
「真ん中に大きいのがきます!」
「皆、一斉に散開!」
ルイスの声にハイド先生の声が混ざる。
すると、すぐに飛び退いたのだった。
大きな姿を現した瞬間、かっこうの餌食だった。
最初に渡された聖水を一気に四方から投げ飛ばす。
すると、大きな雄叫びを上げて悶えるとその場か
らチリとなって消えたのだった。
「やったぁ~!倒せたのよね?」
セシリアが喜ぶとルイスに抱きついた。
「おい、ルイスから離れろっ!」
「ちょっと!弟だからって独占しすぎじゃないの?
私だって友人なのよ?」
セシリアの腕からジェイムスはルイスを奪い返す
と自分の腕の中に収めた。
「よくやった、ルイス」
「うん、ありがとう兄さん。あとは奥の剣を取っ
てくるだけだよ。早く行こう」
「そうだな」
開かれている扉の奥には台座があり、そこに一振
りの剣が刺さっている。
豪華な装飾に煌びやかな刀身。
どうみても普通ではありえない輝きを放っていた
のだった。
「俺が抜いてもいいのか?」
「うん。兄さんが持つものだからね」
ルイスに言われて前に進むとそのまま柄を握った。
身体の力が一気にスゥっと抜けて、さっきまで重
く感じたモノが消えて行く気がした。
毎回ルイスに無理させているので、気にはなって
いたがそれが解消された気分だった。
「これは……」
「一気に抜いちゃってよ」
「おう……」
グッと力を込めるが、一向に抜く気配はない。
「兄さん?」
「これって本当に抜けるのか?」
「あっ。そっか、うん、一緒に抜こうか!」
そういえば戦いが終わってボロボロになりながら
この部屋に来てセシリアと一緒に抜いたんだっけ。
ルイスも一緒に支えるように持つとさっきまでび
くともしなかったのにぐらっと浮くと簡単に引き
抜く事ができた。
これで聖剣が手に入った。
あとはこれを持って聖木を浄化できれば、この
ゲームの要とも取れるおおまかなあらすじはク
リアとなる。
あとは夜会でダンスに誘われればそのままなし
崩しに王妃の座が転がり込むという物語だった。
だが、それに関しては上手く行くとは思えなか
った。
聖女にセシリアが選ばれなかったせいで、セシ
リアは普通の一般生徒にすぎないのだ。
「鞘を作らないとな……ルイス、これはお前が持
たなくてもいいのか?ルイスが居なかったらこ
こまでくるのは大変だったしな…」
「僕には剣は使えないよ?それに兄さんが持って
て護ってくれると嬉しいな」
なんの気なしに言った言葉だったが、周りの空気
が一瞬で変わった気がした。
「あれ?何か変な事言った?」
「いや、俺は一生ルイスの事を護ることをここに
誓おう」
「いやぁっ~、なんか良かったね!ルイスくん」
「なんとも……こんなところで騎士の誓いをさせ
るとは…」
「ルイス、相手に兄でもいいのか?って、無駄な
詮索か?そういえばお前らもう、仲良いもんな」
かく各々が言うとやっとさっきの言葉を理解した
のだった。
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