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1話 星降る夜の聖なる乙女
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小説が大ヒットして『星降る夜の聖なる乙女』は
晴れてゲーム化する事になった。
いわゆる乙女ゲームというやつだった。
内藤裕太はそのゲーム制作会社の社員だった。
まだ配信前のゲームだが、社内で試して不具合が
あれば修正するのが彼の仕事だ。
小説版が売れに売れたせいでアニメ化が決定。
主人公の聖女セシリアが第一王子を含め、何人か
と恋仲になっていく話だった。
ゲームでは腹違いの弟、第二王子は毎回邪魔をし
て来る。
だが、本当は密かに聖女に恋心を募らせるという
ものだった。
だが、セシリアはその嫌がらせに負けず、各攻略
対象を落としていくのだ。
最後は聖女の力で祠の聖剣を取り、聖木を浄化し
て王妃になってエンディングを迎える。
それまでに、何度か襲われそうになるのをギリ
ギリの所で何度も助けられるのだった。
好感度を上げないと助けにすらきてもらえない
という、結構鬼畜な仕様だった。
それをパソコンにダウンロードすると、初めて
みる。
最初は普通に第一王子を攻略していく。
これには難易度も低く、50パーセントまでは
簡単だった。
他の攻略者も半分までは難なくできた。
後半は一気に好感度を上げて、聖剣を抜きに行
く時までには90パーセントまで上げなければ抜
けない仕様になっていた。
「あ~~~、また抜けないし……、小説ではこ
んな苦労しないんだけどな~」
ミニゲームなど盛り込み、そこで活躍しないと
好感度が下がってしまう仕様にしてある。
意外と難しく、こんなの出していいのだろうか
と悩み初めていた。
連続の徹夜で、そろそろ限界だった。
ゲーム企画部である為、自分達のチームの作っ
たゲームがちゃんと作動するか、確認するのも
自分たちでやっていた。
まずはクリアしてから二周目と周回を繰り返す
うちに全員の好感度をマックスに上げる。
周回ごとに、好感度は受け継がれている。
聖女は教室ではいつも一人孤独だったが、放課
後は攻略対象者達と過ごす。
それ以外には目もくれない。
実際だったら虚しいだろう。
そんな事を考えながらコンビニへと寄った。
まだ終わってない為、一旦会社へと戻らなければ
ならなかった。
コンビニで弁当を買うと会社へと引き返す。
「あぁ、僕だったらもっと一人だけを愛するの
にな~」
ゲームでは二股、三股など当たり前だった。
第二王子はいつも聖女に嫌がらせをしている。
これは兄を取られた、寂しさから来るものだろ
うか?
それとも、友人を取られた事だろうか?
どちらも攻略対象なのだから仕方がない。
そう考えていると、急に眠くなってくる。
そして…目の前が急に明るくなってけたたまし
いくらいのクラクションが響き渡ったのだった。
晴れてゲーム化する事になった。
いわゆる乙女ゲームというやつだった。
内藤裕太はそのゲーム制作会社の社員だった。
まだ配信前のゲームだが、社内で試して不具合が
あれば修正するのが彼の仕事だ。
小説版が売れに売れたせいでアニメ化が決定。
主人公の聖女セシリアが第一王子を含め、何人か
と恋仲になっていく話だった。
ゲームでは腹違いの弟、第二王子は毎回邪魔をし
て来る。
だが、本当は密かに聖女に恋心を募らせるという
ものだった。
だが、セシリアはその嫌がらせに負けず、各攻略
対象を落としていくのだ。
最後は聖女の力で祠の聖剣を取り、聖木を浄化し
て王妃になってエンディングを迎える。
それまでに、何度か襲われそうになるのをギリ
ギリの所で何度も助けられるのだった。
好感度を上げないと助けにすらきてもらえない
という、結構鬼畜な仕様だった。
それをパソコンにダウンロードすると、初めて
みる。
最初は普通に第一王子を攻略していく。
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簡単だった。
他の攻略者も半分までは難なくできた。
後半は一気に好感度を上げて、聖剣を抜きに行
く時までには90パーセントまで上げなければ抜
けない仕様になっていた。
「あ~~~、また抜けないし……、小説ではこ
んな苦労しないんだけどな~」
ミニゲームなど盛り込み、そこで活躍しないと
好感度が下がってしまう仕様にしてある。
意外と難しく、こんなの出していいのだろうか
と悩み初めていた。
連続の徹夜で、そろそろ限界だった。
ゲーム企画部である為、自分達のチームの作っ
たゲームがちゃんと作動するか、確認するのも
自分たちでやっていた。
まずはクリアしてから二周目と周回を繰り返す
うちに全員の好感度をマックスに上げる。
周回ごとに、好感度は受け継がれている。
聖女は教室ではいつも一人孤独だったが、放課
後は攻略対象者達と過ごす。
それ以外には目もくれない。
実際だったら虚しいだろう。
そんな事を考えながらコンビニへと寄った。
まだ終わってない為、一旦会社へと戻らなければ
ならなかった。
コンビニで弁当を買うと会社へと引き返す。
「あぁ、僕だったらもっと一人だけを愛するの
にな~」
ゲームでは二股、三股など当たり前だった。
第二王子はいつも聖女に嫌がらせをしている。
これは兄を取られた、寂しさから来るものだろ
うか?
それとも、友人を取られた事だろうか?
どちらも攻略対象なのだから仕方がない。
そう考えていると、急に眠くなってくる。
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いくらいのクラクションが響き渡ったのだった。
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