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宝石までの道のりは遠い

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なかなかトランポリンの罠から抜け出せなかった怪盗ユータだったが、なんとか楽しんで・・・・・

いや、抜け出して次の部屋へとたどり着く事ができた。
次の部屋はたくさんの壁がある迷路の部屋だった。


「次は迷路か・・・これは、手強そうだな。」


しばし考え込んだ怪盗ユータは、迷路の攻略へと乗り出した。

まずは、真正面から攻略してみる。しかしすぐに行き詰まってしまう。

なんとか迷路を通らなくてもいい他のルートは無いか探ってみるが、見つからない。

どうしようかと、悩み込んだ時、怪盗ユータは閃いた!


「そうだ!この壁をブチ破って真っ直ぐ行けば、最短距離だ!」


名案だとばかりにユータは拳に魔力を込め始める。そして、強烈なパンチを繰り出し・・・・・・



◇◆◇◆◇◆◇◆



「ちょ、、、ちょっと、待ったぁぁぁぁぁ!!ユー君!!ママが一生懸命ダンボールで作った迷路をいきなり壊そうとするのは、あんまりじゃないかなぁ!!?ユー君が作ってって言ったから、頑張って作ったのにーーー!!!」

「えーー、だって、難しいもん。」

「難しくないから!もうちょっと頑張ってみてーー!お願いっ!いきなり破壊されるとママは悲しい・・・うぅ・・・。」


たくさんのダンボールを立て、ガムテープで繋げて作った迷路だが、一部ユータの手によって破壊されていた。

部屋の半分くらいを使った迷路だったが、ユータには難しかったようだ。


「えーっと、そうだ!ここを・・・こうして・・・こうすれば・・・」

またダンボール迷路の壁を破壊しようとするユータから、ダンボール迷路を守りつつ、ママは、マジックでダンボールに書き込んでいく。


「ほら、ヒントがあるよ!怪盗なら、この謎が解けるかなぁ?」


ママは必死に迷路をユータにお勧めしてみる。


「なぞなぞがあるのー??やるーー!!」

「・・・ほっ。よかった。」




◇◆◇◆◇◆◇◆




一旦、破壊するのをやめた怪盗ユータ。なぜかというと、壁に何やら文字が見えたからだ。

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あたかいたたせんたをすたたすため!

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この文字の下に可愛らしいタヌキのイラストが描かれていた。

よく見ると壁には赤い線と青い線の模様が入っている。


「うーん、なんだろう?あたかい?・・・あったかい・・・タヌキは意味があるのかな?」


しばらく、その場でうーん、と考え込んでしまった怪盗ユータ。

謎は解けるのか?!



「よしっ!分からん!!最初の案で行くぞ!壁をぶち破って最短距離だ!」


ドゴオオオォォォォォォン!


もうもうと煙が上がり、その中を悠々と怪盗ユータは歩いて行くのだった。




◇◆◇◆◇◆◇◆




「ユー君が・・・・・・ひどいぃぃぃぃぃぃぃ~・・・。」

ダンボール迷路の跡にはママの涙があったとか、なかったとか。
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