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緊迫の銃撃戦

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タッ・・・・・タッ・・・・・タッ・・・・・


夕方に差し掛かり、空が暁色に染まる頃。人影のない街並みを走る足音が響いていた。
男は後ろを何度も振り返りつつ、家の影に隠れるようにしながら進んでいく。


その時だった。
ズキュゥゥゥーン!!!


男の顔スレスレを弾丸が掠っていった。
反射的にその場から飛び退き、壁に沿うように体を壁に付ける。なるべく相手の視界に入らないように隠れる。
頬からは水分が流れるが気にしてはいられない。


「ちょっと待ってくれっ!!なんで俺を狙うんだっ!?」


銃を撃ってきた方角へ声をかける。
声をかけながら冷静に自分の拳銃に弾を込める。


ザッザッ・・・


砂利を蹴るような足音が近づいてくる。


「それはお前が俺の目の前にいるからだ!」


ニヤリと歪んだ笑みを浮かべ相手の男が答えた。獲物を狩る狼の眼だった。
そして、隠れている男に向かって執拗に銃撃し始める。


ドン!ドン!ドガァーーン!!
ドガガガガガガガッ!!!


ここで対抗しなければ、負ける!その思いから激しい銃撃戦が始まった!
両方とも相手に決定打を浴びせる事が出来ず、激しい銃撃戦だけが続く!
家の壁や塀などをバリケードに使い、器用に銃撃を避け、相手を撃つ。
そんな事を繰り返していたが、2人とも弾が底をついてきた。

(くっ、このままじゃ弾が無くなっちまう?!どうすればっ!?)

焦り始めた男の後ろに突然、殺気が生まれた!


「・・・余所見してちゃダメだよ?」
「なにっ?いつの間に!!」
「じゃあね。これでぼくの勝ちだ。」
「や・・・やめろおぉぉぉぉぉ!!」
「・・・バイバイ」


無邪気な笑顔と共に銃弾が男の胸を貫く。
男はその勢いのまま背中から地面へと倒れ込んだ。


「・・・・・・裏切りやがって・・・・・・ユータァァ・・・。」














「ユータは俺と仲間じゃなかったのかよっ?挟み撃ちはズルくね?見ろよ!俺、ずぶ濡れだせ?」
「ふっふっふっ。ぼくは最初から誰の仲間でもないよ!」
「なんだよ、それ!」


水鉄砲を片手にみんなで蛇口の前で集まり、先程の勝負について話が盛り上がる。順番に水を補充しながら、次はどこからスタートしようかと話し合う。

まだ少し朝晩は冷んやりする季節だが、ユータ達はたくさん走り回って汗をかいていたので、水を浴びると気持ちがいいようだ。


「もっと大きい水鉄砲だと、たくさん水が入るから長く撃てるけど重たくなるんだよなぁ。」
「やっぱり長く撃てるより命中率が高くないと勝てないよ。」
「ユータは、撃つのが上手いからいいけどさぁ。結構難しいんだぜ?」
「練習あるのみじゃない?」
「それもそうだな!みんな、もう一戦やろうぜ!」

「「おおーーー!!」」


そしてまた、激しい銃撃戦が始まる。
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