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ノースポール公爵家の事情編
解毒から大脱出へ!
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ヒナタは期待の眼差しを受けて、自信なさげではあったが、フローレンスお嬢様の為にも頑張ろうと決意し、グレースに向き合う。
「では、絶対できるとは断言はできませんが、やれる事はやってみたいと思います。少し集中しますね。」
深く深呼吸をして、グレースを見つめる。顔は青白く、呼吸は弱々しい。未だに開かれない瞳に切なさが込み上げてくる。
(創作魔法って事は狙った効果が出る魔法を作れるのよね?よし、もし出来なくてもやらないよりはやってみる方が後悔しない!やるぞっ!)
両手をグレースの右手に重ね、瞳を閉じて念じる。
(グレースさんの毒がなくなりますように!体力も戻って、体調が良くなりますように!)
その瞬間、淡い光がヒナタの手から滲み出る。淡く白い光がキラキラと輝きながら、少しずつグレースの体を包み込んでいく。
グレースの体全体が光に包み込まれると、徐々にグレースの顔に赤みが差してくる。
痩せこけていた体は少し、ふっくらしたようだった。また、カサカサしていた皮膚がすべすべになっていく。そしてパサパサしていた蜂蜜色の髪に艶が戻っていったのだった。
光が収まると浅かった呼吸がすうすうと穏やかな呼吸へと変化していた。
ヒナタは光が収まると手を離し、ベッド横の床にへたり込んでしまった。
だが、あまりにも劇的な変化だった。
しかし、目の前で目撃した光景に3人共じわじわと安堵が湧いてくる。
「お母様・・・お母様!!」
フローレンスはグレースに駆け寄り手を握りしめる。
その声に応えるようにグレースの瞼が少し震え、ゆっくりと開いた。
「・・・フローレンス?」
「お母様!体の具合はどう?苦しい所はない?!」
目をぱちぱちと瞬き、グレースは部屋を見回す。そして、フローレンスに話しかけようとしてゲホッとむせてしまった。
「お嬢様。グレース奥様にお水を。・・・失礼します。」
そのタイミングで水差しの水を吸のみに入れ、グレースの口元へと差し出す。
少しずつ飲むとグレースはふぅと息を整え、再び話しかけた。
「フローレンスなのね。なかなか体が良くならなくて、心配・・・かけたわね。ごめんね。」
グレースの言葉と共に涙が一筋流れていく。
「今日はとっても体の調子が良いのよ。胸も苦しくないの。これからどんどん体調も良くなるから、また一緒にピクニックに行きましょうね。」
「ええ・・・ええ!もちろん!約束ですわよ!その時を楽しみにしております。」
涙を流しながら、フローレンスもグレースも硬く手を握ったのだった。
しばらくポツポツと話をしたが、グレースがウトウトとしてきたので、また寝るように声をかけ布団をかけ直すとすぐにすうすうと寝息が聞こえてきた。
しばらくフローレンスはグレースを見ていたが、ふと、ヒナタに向き合うと頭を下げた。
「ヒナ、ありがとう。貴女のお陰でお母様を救う事ができたわ。本当に感謝してる。」
急なお礼にはびっくりしたヒナタは慌てて、頭を上げるように伝える。
「頭を上げてください!その、よかったですね!自分がお役にたったようで本当によかったです。鑑定で見ましたが、毒は解毒できました!それに状態も良好になったみたいです。筋力は衰えてるようですが、少しずつリハビリすれば大丈夫だと思います。」
「リハビリ?」
「あ、えっーとお散歩とかして少しずつ体を動かしてあげると大丈夫です。」
「そうなのね。本当にありがとう。貴女と出会えてよかったわ。」
出会えたというか、拾われたというか。
「ヒナ。わたしからもお礼を。本当にありがとう。」
リタが涙ぐみながら抱きついてきた。
「わあ!リタさん?」
「・・・本当によかった。お嬢様の心からの笑顔が見れて。」
リタの背中をぽんぽんと叩いて、しばらく抱き合っていたが、急に姿勢を正しうっすら赤い目で見つめる。
「でもまだ、脅威が去ったわけではありませんね。ここから脱出しないといけません。ヒナ、また力を貸してちょうだい。」
「リタの言う通りね。気を引き締めていきましょう。」
フローレンスの言葉に再び緊張感が戻ってくる。
「では、ここからお母様脱出作戦へと移るわよ!」
「「はい!!」」
「では、絶対できるとは断言はできませんが、やれる事はやってみたいと思います。少し集中しますね。」
深く深呼吸をして、グレースを見つめる。顔は青白く、呼吸は弱々しい。未だに開かれない瞳に切なさが込み上げてくる。
(創作魔法って事は狙った効果が出る魔法を作れるのよね?よし、もし出来なくてもやらないよりはやってみる方が後悔しない!やるぞっ!)
両手をグレースの右手に重ね、瞳を閉じて念じる。
(グレースさんの毒がなくなりますように!体力も戻って、体調が良くなりますように!)
その瞬間、淡い光がヒナタの手から滲み出る。淡く白い光がキラキラと輝きながら、少しずつグレースの体を包み込んでいく。
グレースの体全体が光に包み込まれると、徐々にグレースの顔に赤みが差してくる。
痩せこけていた体は少し、ふっくらしたようだった。また、カサカサしていた皮膚がすべすべになっていく。そしてパサパサしていた蜂蜜色の髪に艶が戻っていったのだった。
光が収まると浅かった呼吸がすうすうと穏やかな呼吸へと変化していた。
ヒナタは光が収まると手を離し、ベッド横の床にへたり込んでしまった。
だが、あまりにも劇的な変化だった。
しかし、目の前で目撃した光景に3人共じわじわと安堵が湧いてくる。
「お母様・・・お母様!!」
フローレンスはグレースに駆け寄り手を握りしめる。
その声に応えるようにグレースの瞼が少し震え、ゆっくりと開いた。
「・・・フローレンス?」
「お母様!体の具合はどう?苦しい所はない?!」
目をぱちぱちと瞬き、グレースは部屋を見回す。そして、フローレンスに話しかけようとしてゲホッとむせてしまった。
「お嬢様。グレース奥様にお水を。・・・失礼します。」
そのタイミングで水差しの水を吸のみに入れ、グレースの口元へと差し出す。
少しずつ飲むとグレースはふぅと息を整え、再び話しかけた。
「フローレンスなのね。なかなか体が良くならなくて、心配・・・かけたわね。ごめんね。」
グレースの言葉と共に涙が一筋流れていく。
「今日はとっても体の調子が良いのよ。胸も苦しくないの。これからどんどん体調も良くなるから、また一緒にピクニックに行きましょうね。」
「ええ・・・ええ!もちろん!約束ですわよ!その時を楽しみにしております。」
涙を流しながら、フローレンスもグレースも硬く手を握ったのだった。
しばらくポツポツと話をしたが、グレースがウトウトとしてきたので、また寝るように声をかけ布団をかけ直すとすぐにすうすうと寝息が聞こえてきた。
しばらくフローレンスはグレースを見ていたが、ふと、ヒナタに向き合うと頭を下げた。
「ヒナ、ありがとう。貴女のお陰でお母様を救う事ができたわ。本当に感謝してる。」
急なお礼にはびっくりしたヒナタは慌てて、頭を上げるように伝える。
「頭を上げてください!その、よかったですね!自分がお役にたったようで本当によかったです。鑑定で見ましたが、毒は解毒できました!それに状態も良好になったみたいです。筋力は衰えてるようですが、少しずつリハビリすれば大丈夫だと思います。」
「リハビリ?」
「あ、えっーとお散歩とかして少しずつ体を動かしてあげると大丈夫です。」
「そうなのね。本当にありがとう。貴女と出会えてよかったわ。」
出会えたというか、拾われたというか。
「ヒナ。わたしからもお礼を。本当にありがとう。」
リタが涙ぐみながら抱きついてきた。
「わあ!リタさん?」
「・・・本当によかった。お嬢様の心からの笑顔が見れて。」
リタの背中をぽんぽんと叩いて、しばらく抱き合っていたが、急に姿勢を正しうっすら赤い目で見つめる。
「でもまだ、脅威が去ったわけではありませんね。ここから脱出しないといけません。ヒナ、また力を貸してちょうだい。」
「リタの言う通りね。気を引き締めていきましょう。」
フローレンスの言葉に再び緊張感が戻ってくる。
「では、ここからお母様脱出作戦へと移るわよ!」
「「はい!!」」
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