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美少女との出会い編
檻の中からこんにちは!
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しばらく悶々と自分の現状把握の為に考え込んでいると、コンコンコンッと3回ノックが鳴った。
ガチャッとドアが開いた。
(返事してないのに、入ってきた!って、それもそうか。誰も居ないし、わたしは喋れなかったわ~。)
入ってきたのは、ルルリの森で出会った茶色い髪の女性だった。
(あの時は分からなかったけど、あの女性が着ている服って・・・メイド服じゃないかな?コスプレって事は無いだろうから・・・ってことは、本物のメイドさんだ!!目に焼き付けておこう。)
本物も何もないだろうが、前世オタクのヒナタはウキウキとメイドの姿を目で追う。
メイドは部屋の掃除に来たようだった。
ハタキをかけ、床を掃き、窓や調度品を拭きあげる。そしてベットメイクをピシッと終えたところで
・・・メイドと目が合った。
「あ!あぁ~っ!!あのスライム起きてる!!って・・・起きてるわよね?動いてないとよく分からないわ・・・。」
(失礼な!起きてるわよ!このつぶらな瞳が開いているのが分かんないの??)
とりあえず、口が無いので心の中で文句を言っておく。
「とにかくお嬢様にお知らせしなきゃ!」
パタパタと忙しない様子で部屋から飛び出していくメイドだった。
しばらく待っていると、「お嬢様早く早く!」とメイドの声が聞こえきた。
「もう、落ち着きない!リタがそんなに慌てていたら他の人にバレちゃうでしょ?さっきみたいに大きな声で呼びに来るのも今後は控えてね!・・・ちょうど授業が終わった所だったから、誤魔化せたんだから。」
「・・・はい。申し訳ありませんでした。お嬢様。」
「分かってくれればいいのよ。これは貴方の身を守る為でもあるんだからね!」
しゅんと肩を落としたメイドとツーンとした顔で耳が赤い美少女が部屋に入ってきた。
(身を守る・・・?どういう環境なの?わたしにも関係してきたりしないよね・・・?)
少し不穏な会話をする2人に自分の身は大丈夫なのか不安を感じた。
(まずは、どういう環境か探らなきゃ。なるべく会話を聞こう。・・・そういえば、わたし言葉が理解できてる!なんで?日本語ではないよね?・・・ま、いっか。)
なぜか言語理解できている事は疑問に思うが、理由は今のところ分からないのでひとまず置いておこう。
そんな事を考えながらも2人の会話は進む。
「それより、スライムが起きたか確認しなきゃね。」
「おそらく、起きたと思うのですが・・・動いてましたし、確認していただけますか?」
一直線にヒナタに向かってくる美少女とメイド。表情がワクワクしてるのが遠目でも分かる。
(とりあえず無害アピールでもしてみるか。)
そう判断したヒナタは、自分の体からミニョーンと触手?を一本伸ばして手を振るように振ってみた!
(こんにちはー!わたしは無害なスライムのヒナタでっす!!)
ビシィ!
空気が凍るような音が聞こえた気がした。ワクワクして近づいて来ていた2人の足がその場に止まる。
「「・・・・・・・・・・。」」
固まる2人。しばし見つめる時間が流れた。
(あれ?なんかダメだった??)
ガチャッとドアが開いた。
(返事してないのに、入ってきた!って、それもそうか。誰も居ないし、わたしは喋れなかったわ~。)
入ってきたのは、ルルリの森で出会った茶色い髪の女性だった。
(あの時は分からなかったけど、あの女性が着ている服って・・・メイド服じゃないかな?コスプレって事は無いだろうから・・・ってことは、本物のメイドさんだ!!目に焼き付けておこう。)
本物も何もないだろうが、前世オタクのヒナタはウキウキとメイドの姿を目で追う。
メイドは部屋の掃除に来たようだった。
ハタキをかけ、床を掃き、窓や調度品を拭きあげる。そしてベットメイクをピシッと終えたところで
・・・メイドと目が合った。
「あ!あぁ~っ!!あのスライム起きてる!!って・・・起きてるわよね?動いてないとよく分からないわ・・・。」
(失礼な!起きてるわよ!このつぶらな瞳が開いているのが分かんないの??)
とりあえず、口が無いので心の中で文句を言っておく。
「とにかくお嬢様にお知らせしなきゃ!」
パタパタと忙しない様子で部屋から飛び出していくメイドだった。
しばらく待っていると、「お嬢様早く早く!」とメイドの声が聞こえきた。
「もう、落ち着きない!リタがそんなに慌てていたら他の人にバレちゃうでしょ?さっきみたいに大きな声で呼びに来るのも今後は控えてね!・・・ちょうど授業が終わった所だったから、誤魔化せたんだから。」
「・・・はい。申し訳ありませんでした。お嬢様。」
「分かってくれればいいのよ。これは貴方の身を守る為でもあるんだからね!」
しゅんと肩を落としたメイドとツーンとした顔で耳が赤い美少女が部屋に入ってきた。
(身を守る・・・?どういう環境なの?わたしにも関係してきたりしないよね・・・?)
少し不穏な会話をする2人に自分の身は大丈夫なのか不安を感じた。
(まずは、どういう環境か探らなきゃ。なるべく会話を聞こう。・・・そういえば、わたし言葉が理解できてる!なんで?日本語ではないよね?・・・ま、いっか。)
なぜか言語理解できている事は疑問に思うが、理由は今のところ分からないのでひとまず置いておこう。
そんな事を考えながらも2人の会話は進む。
「それより、スライムが起きたか確認しなきゃね。」
「おそらく、起きたと思うのですが・・・動いてましたし、確認していただけますか?」
一直線にヒナタに向かってくる美少女とメイド。表情がワクワクしてるのが遠目でも分かる。
(とりあえず無害アピールでもしてみるか。)
そう判断したヒナタは、自分の体からミニョーンと触手?を一本伸ばして手を振るように振ってみた!
(こんにちはー!わたしは無害なスライムのヒナタでっす!!)
ビシィ!
空気が凍るような音が聞こえた気がした。ワクワクして近づいて来ていた2人の足がその場に止まる。
「「・・・・・・・・・・。」」
固まる2人。しばし見つめる時間が流れた。
(あれ?なんかダメだった??)
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