朝が来るまでキスをして。

月湖

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99 今更な女

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局に着くと、下3人が先に着いていた。



「おはよう、リーダー」



「おはようございます葛城さん」



「おはよ♪リーダー♪」



車で少し寝たとはいえ治まらない眠気を隠さないまま部屋に入ると一斉に寄越される挨拶に



「はよ・・・」



と、テンションの上がらないまま返した。



「オニーサン、眠そうですねえ」



「オンナノコが放してくれなかったとか?(笑)」



「まだ時間あるし、メイク呼ばれるまで寝れば?」



「ん。そうする」



好き勝手言う二人は無視して、ちょっと心配そうに言う末っ子にだけ返事をする。

そしたら無視された二人が騒いだけど



「マジ眠いんだよ・・・」



ってぼそっと言ったら、それも大人しくなった。



「なんかあったのかな?」



とか



「さあ?」



とか聞こえてきたけど、それになんか言う気力もない。

カイが開けてくれたソファに寝っ転がり、そのまま目を閉じた。


―――瞬間。


コンコン、と扉をノックする音が聞こえてきた。

まだ来てないヒカルちゃんならノックなんてしない。

俺は無視して寝ようとしたのだけど、



 「リーダー、誰か来たけど、開けていい?」



って、申し訳なさげな末っ子の声に目を開けた。



「いいよ」



俺が小さくそう言うと、朔也は既に扉の方にいたヒロキに



「リーダーが開けていいって」



と声を掛けた。



「はーい、どちら様ですかー?」



ヒロキが明るく声を掛けると、扉の向こうから聞こえてきたのは



「私・・・リエコです」



控えめな女の声。

名前を聞いた瞬間に胸がムカムカしてくる。

いつか俺から離れていったモデルの女だ。

今更なんの用だよ。



「・・・リーダー・・・」



困ったようなヒロキの声。

扉を開けるかどうか迷っているのだろう。


チッ。


舌打ちをすると、側にいた朔也の肩がビクッと震えたのが分かった。



「・・・しかたねえ・・ちょっと行ってくるわ」



こんなとこくるとかバカじゃねえの?

眠いのもあり不機嫌を隠さずに言うと、3人は揃って



「うん・・・」



と言って俺を見た。



「遅かったら探しに来て」



起き上がり一応保険を掛け扉を開けると、彼女には何も言わないまま前に立って歩き出した。



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