59 / 107
第二章 紗栄子・高1
18 夏季スポーツ大会
しおりを挟む
城北高校は文武両道を標榜している学校である。
1学期の期末テストが終わると、体育祭とは別に、クラス対抗の校内スポーツ大会というものが行われる。よほどスポーツ好きな生徒を除いて、みんないい迷惑だと思っている。
夏は水泳・陸上・サッカー。冬はバスケ・バレー・卓球という内容で行われる。
夏季は水泳大会があるので、部員は運営委員として携わる。とりたててスポーツが得意というわけでもない紗栄子は、クラスメートになんら遠慮することはなく、水泳大会の運営委員をすることになった。
大会をさぼれてラッキー、と安堵した紗栄子だが、礼子からの提案で気分は一変する。
「アナウンスは紗栄子にまかせるわね。」
レース時の選手紹介のアナウンスを、紗栄子にやらせるというのである。
「悪いけど、私はクラスの様子を見に行きたいから、サポートは春菜にまかせるわよ。」
冬季スポーツ大会は11月に行われ、3年生のクラスは自由参加になる。だから、夏季スポーツ大会は、3年生は部活の運営委員よりも、クラスへの参加が優先されるというのが暗黙の了解だ。
「アナウンスなんて緊張しちゃいます。」
「なに言ってんの。紗栄子は良く通る声が出るじゃない。」
そうなのだ。張り上げて無理やり出すような春菜の声と違って、紗栄子は比較的やすやすとのびのびした声を出す。紗栄子自身、マネージャー業務が定着してようやく気付いた自分の特長だったのだ。
「大会のアナウンスの感じでいいんですよね?」
「そうそう。」
※
スポーツ大会当日になり、紗栄子は出場選手の一覧を見ながら、アナウンスとしての役割をこなした。
棄権の選手についても、急きょ交代の選手(所詮は正式な大会ではないので、それもありなのだ)についても、あわてず対応する。春菜が交代する必要性はほとんどないが、あんまりしゃべりっぱなしでも大変だろうということで、時折交代するくらいだ。
「サマになってんじゃん。声がよく通って聞きやすい。声がのびのびしてる。」
レース中。後ろから声がして、紗栄子は驚いて振り向いた。ニヤニヤしている蓮がいる。
「あれ?サッカーは?」
「うん。1回勝ったけど、とりあえず休憩。」
それなりの運動神経の蓮は、運営委員ではなく選手として参加することにした。実際、それなりに楽しんでいる。
自分のクラスはどうだったかな、と紗栄子は思い出そうとする。確か、野球部の工藤大志もサッカーに参加するといっていた気がする。
「ごめん蓮、ちょっと待ってて。」
紗栄子はマイクに向き直り、泳ぎ終えた参加者を激励する。
≪はい、みなさんゴール、お疲れ様でした。≫
そしてすぐに次のレースが始まるので、各選手の紹介をする。やがて号砲が鳴り、再度紗栄子が振り返ると、蓮の姿がない。紗栄子にいちいち後ろを振り返らせるのも気が引けたらしく、蓮が入り口から入ってきた。春菜が座っているのとは反対の、紗栄子の隣に座る。
「蓮、うちのクラスどうなったか知ってる?」
「ああ、勝ってたよ。次、俺らと試合。」
「わ、そうなんだ。お手柔らかに。」
「はいはい。」
軽く答えつつ、蓮は工藤大志の顔を思い浮かべていた。大志もそれなりに上手そうだった。
なんともいえない闘争心のようなものを感じながら、蓮はしばらく紗栄子の隣にいることにした。春菜から、微妙な視線を投げられているのを感じないわけでもなかったが。
蓮は紗栄子の隣で、しばらく水泳のレースを眺めていた。
「俺、試合だから、そろそろ行くな。」
「うん。」
蓮が立ち上がるのを、紗栄子があっさりと見送る。そこで、春菜が声を上げた。
「紗栄子。蓮の相手、紗栄子のクラスなんでしょ。ちょっと試合見てきたら?」
「え?やだ、いいですよ。だって、ここ春菜先輩一人になっちゃいますし。」
さすがに校内のスポーツ大会なので、試合時間は90分ではないが、それなりに時間はかかる。
「まあ、だから、試合時間全部ってのは勘弁してほしいけど、ね。ちょっとだけなら。」
蓮はかすかに苦笑いをした。春菜の提案が、単なる親切心から来ている物ではないことを、わかっているからだ。
―――――おせっかい、だよな。まったく。
そう思いつつも、蓮は抗わない言葉を紡ぐ。
「せっかく春菜先輩がそう言ってくれてるんだし、いいんじゃない?」
「じゃあ、…そうさせてもらいますね。」
幾分ウキウキしたような様子で、紗栄子も立ち上がった。
※
「大志、川原、来たぞ。」
「えっ?」
クラスメートの島本勲の声に、大志はあからさまに嬉しそうな声を上げて振り返った。確かに、グラウンドに紗栄子が来ている。
彼女を作ったとはいえ、大志が紗栄子を感じよく思っていることにかわりはない。見に来てくれたのなら嬉しい―――と思った瞬間、違う人物が目に入る。紗栄子に向かって言葉を、笑顔を返す、水泳部員。最近彼女と別れたらしい男―――青山蓮。
2人は互いに小さく手を振って別れたようだ。しかし、紗栄子があっさりとクラスメートの隣に座るのに対し、蓮も同じようにクラスメートのもとに行きつつも、明らかに紗栄子のことを気にかけている。
「あいつら、あれで付き合ってないとかおかしくない?」
大志の心を代弁するかのように、勲が声を潜めて囁く。
そうなのだ。彼女と別れたらしい、などという状況があろうがなかろうが、やっぱりあの青山蓮という男はいつだって紗栄子のことを気遣い、大切にしている。勲のように、蓮たちのことを普段はさして気にしていない者でさえ、気づいてしまうくらいに。
たとえば拓海なら紗栄子を邪険に扱っているというのでもない。ただ、拓海が紗栄子に対して接する様子とは、何かが明らかに違うのだ。
「でも、付き合ってないらしいからな。」
自分の気持ちを鼓舞するかのように、大志がつぶやく。大志こそ彼女がいるのだから、紗栄子と蓮が付き合っていようが、蓮に違う彼女がいようが、口を挟む余地などないというのに。
「…とりあえず、サッカーは勝つか。」
「そうだな。」
※
―――なんなんだよ。
蓮はグラウンド狭しと走りながら、荒い息とは別に、ため息をつきたい気分だった。
名前を知っている程度の男―――確か、島本勲とか言ったか―――のガードがやたらと強い。
試合開始前、彼は大志と親しくしゃべっていた。彼女がいるくせに、相変わらず紗栄子に視線を送り続ける大志と。
大志も蓮もフォワードなので、直接ぶつかることはない。その代わりとばかりに、ディフェンスの勲が蓮にしつこくくっついてくる。正直、蓮ではないフォワードの方が、サッカーはうまいというのに。
「なんか、島本君すごい迫力だね。なんで青山君にあんなにいってるんだろ。」
「そうだね。頑張ってるけどねえ。」
クラスメートの言葉に、紗栄子は素直に首を傾げた。
大志が紗栄子にいいところを見せられるようにと思って頑張っている勲だが、空回りして、自分が一番目立ってしまっている。
「お、まえ、しつこいよ、マジで…。」
「はん、楽しいだろ。」
「少しはシュート打たせろよ。ストレスたまるわ。」
「俺の脚でも蹴れば。」
「いや、レッドカードもらいたくねえし。」
勲の活躍により、この試合は、1年4組が勝ち上がった。
※
「川原っ。」
プールサイドのアナウンス席に戻っていた紗栄子が、突然の声に振り返ると、クラスメートの工藤大志と島本勲がいた。紗栄子はマイクから顔を離し、二人の方へ顔を近づける。
「お疲れさま。応援、途中で抜けてごめんね。どうだった?」
「勝ったよ。大志がシュート決めて。」
「わあ、すごい。おめでとう。」
大志は褒められたのが素直に嬉しくにっこり笑った。
「あいつもうまかったよ。水泳部の…青山?」
「ああ、蓮も運動神経いいもんね。」
紗栄子がさらっと蓮をほめるので、彼のことをよく把握しているなあとうらやましくなる。
「あ、ちょっと待って。———続いてのコース順を申し上げます。第一のコース…。」
紗栄子が次のレース参加者を紹介し、レーススタートの笛が鳴った。無事にレースが始まったのを確認し、後方を振り返ると大志たちはまだいた。
「川原、アナウンス上手だな。声がよく通ってきれいだし、とっさに実況できたり、すごい。」
———俺は好きだよ。
さすがにその言葉は飲み込んだが、大志の態度から、その言葉は発せられたも同然だ———と、勲と春菜は思った。
「ありがとう。照れちゃうな。」
当の紗栄子は感じないらしい。
1学期の期末テストが終わると、体育祭とは別に、クラス対抗の校内スポーツ大会というものが行われる。よほどスポーツ好きな生徒を除いて、みんないい迷惑だと思っている。
夏は水泳・陸上・サッカー。冬はバスケ・バレー・卓球という内容で行われる。
夏季は水泳大会があるので、部員は運営委員として携わる。とりたててスポーツが得意というわけでもない紗栄子は、クラスメートになんら遠慮することはなく、水泳大会の運営委員をすることになった。
大会をさぼれてラッキー、と安堵した紗栄子だが、礼子からの提案で気分は一変する。
「アナウンスは紗栄子にまかせるわね。」
レース時の選手紹介のアナウンスを、紗栄子にやらせるというのである。
「悪いけど、私はクラスの様子を見に行きたいから、サポートは春菜にまかせるわよ。」
冬季スポーツ大会は11月に行われ、3年生のクラスは自由参加になる。だから、夏季スポーツ大会は、3年生は部活の運営委員よりも、クラスへの参加が優先されるというのが暗黙の了解だ。
「アナウンスなんて緊張しちゃいます。」
「なに言ってんの。紗栄子は良く通る声が出るじゃない。」
そうなのだ。張り上げて無理やり出すような春菜の声と違って、紗栄子は比較的やすやすとのびのびした声を出す。紗栄子自身、マネージャー業務が定着してようやく気付いた自分の特長だったのだ。
「大会のアナウンスの感じでいいんですよね?」
「そうそう。」
※
スポーツ大会当日になり、紗栄子は出場選手の一覧を見ながら、アナウンスとしての役割をこなした。
棄権の選手についても、急きょ交代の選手(所詮は正式な大会ではないので、それもありなのだ)についても、あわてず対応する。春菜が交代する必要性はほとんどないが、あんまりしゃべりっぱなしでも大変だろうということで、時折交代するくらいだ。
「サマになってんじゃん。声がよく通って聞きやすい。声がのびのびしてる。」
レース中。後ろから声がして、紗栄子は驚いて振り向いた。ニヤニヤしている蓮がいる。
「あれ?サッカーは?」
「うん。1回勝ったけど、とりあえず休憩。」
それなりの運動神経の蓮は、運営委員ではなく選手として参加することにした。実際、それなりに楽しんでいる。
自分のクラスはどうだったかな、と紗栄子は思い出そうとする。確か、野球部の工藤大志もサッカーに参加するといっていた気がする。
「ごめん蓮、ちょっと待ってて。」
紗栄子はマイクに向き直り、泳ぎ終えた参加者を激励する。
≪はい、みなさんゴール、お疲れ様でした。≫
そしてすぐに次のレースが始まるので、各選手の紹介をする。やがて号砲が鳴り、再度紗栄子が振り返ると、蓮の姿がない。紗栄子にいちいち後ろを振り返らせるのも気が引けたらしく、蓮が入り口から入ってきた。春菜が座っているのとは反対の、紗栄子の隣に座る。
「蓮、うちのクラスどうなったか知ってる?」
「ああ、勝ってたよ。次、俺らと試合。」
「わ、そうなんだ。お手柔らかに。」
「はいはい。」
軽く答えつつ、蓮は工藤大志の顔を思い浮かべていた。大志もそれなりに上手そうだった。
なんともいえない闘争心のようなものを感じながら、蓮はしばらく紗栄子の隣にいることにした。春菜から、微妙な視線を投げられているのを感じないわけでもなかったが。
蓮は紗栄子の隣で、しばらく水泳のレースを眺めていた。
「俺、試合だから、そろそろ行くな。」
「うん。」
蓮が立ち上がるのを、紗栄子があっさりと見送る。そこで、春菜が声を上げた。
「紗栄子。蓮の相手、紗栄子のクラスなんでしょ。ちょっと試合見てきたら?」
「え?やだ、いいですよ。だって、ここ春菜先輩一人になっちゃいますし。」
さすがに校内のスポーツ大会なので、試合時間は90分ではないが、それなりに時間はかかる。
「まあ、だから、試合時間全部ってのは勘弁してほしいけど、ね。ちょっとだけなら。」
蓮はかすかに苦笑いをした。春菜の提案が、単なる親切心から来ている物ではないことを、わかっているからだ。
―――――おせっかい、だよな。まったく。
そう思いつつも、蓮は抗わない言葉を紡ぐ。
「せっかく春菜先輩がそう言ってくれてるんだし、いいんじゃない?」
「じゃあ、…そうさせてもらいますね。」
幾分ウキウキしたような様子で、紗栄子も立ち上がった。
※
「大志、川原、来たぞ。」
「えっ?」
クラスメートの島本勲の声に、大志はあからさまに嬉しそうな声を上げて振り返った。確かに、グラウンドに紗栄子が来ている。
彼女を作ったとはいえ、大志が紗栄子を感じよく思っていることにかわりはない。見に来てくれたのなら嬉しい―――と思った瞬間、違う人物が目に入る。紗栄子に向かって言葉を、笑顔を返す、水泳部員。最近彼女と別れたらしい男―――青山蓮。
2人は互いに小さく手を振って別れたようだ。しかし、紗栄子があっさりとクラスメートの隣に座るのに対し、蓮も同じようにクラスメートのもとに行きつつも、明らかに紗栄子のことを気にかけている。
「あいつら、あれで付き合ってないとかおかしくない?」
大志の心を代弁するかのように、勲が声を潜めて囁く。
そうなのだ。彼女と別れたらしい、などという状況があろうがなかろうが、やっぱりあの青山蓮という男はいつだって紗栄子のことを気遣い、大切にしている。勲のように、蓮たちのことを普段はさして気にしていない者でさえ、気づいてしまうくらいに。
たとえば拓海なら紗栄子を邪険に扱っているというのでもない。ただ、拓海が紗栄子に対して接する様子とは、何かが明らかに違うのだ。
「でも、付き合ってないらしいからな。」
自分の気持ちを鼓舞するかのように、大志がつぶやく。大志こそ彼女がいるのだから、紗栄子と蓮が付き合っていようが、蓮に違う彼女がいようが、口を挟む余地などないというのに。
「…とりあえず、サッカーは勝つか。」
「そうだな。」
※
―――なんなんだよ。
蓮はグラウンド狭しと走りながら、荒い息とは別に、ため息をつきたい気分だった。
名前を知っている程度の男―――確か、島本勲とか言ったか―――のガードがやたらと強い。
試合開始前、彼は大志と親しくしゃべっていた。彼女がいるくせに、相変わらず紗栄子に視線を送り続ける大志と。
大志も蓮もフォワードなので、直接ぶつかることはない。その代わりとばかりに、ディフェンスの勲が蓮にしつこくくっついてくる。正直、蓮ではないフォワードの方が、サッカーはうまいというのに。
「なんか、島本君すごい迫力だね。なんで青山君にあんなにいってるんだろ。」
「そうだね。頑張ってるけどねえ。」
クラスメートの言葉に、紗栄子は素直に首を傾げた。
大志が紗栄子にいいところを見せられるようにと思って頑張っている勲だが、空回りして、自分が一番目立ってしまっている。
「お、まえ、しつこいよ、マジで…。」
「はん、楽しいだろ。」
「少しはシュート打たせろよ。ストレスたまるわ。」
「俺の脚でも蹴れば。」
「いや、レッドカードもらいたくねえし。」
勲の活躍により、この試合は、1年4組が勝ち上がった。
※
「川原っ。」
プールサイドのアナウンス席に戻っていた紗栄子が、突然の声に振り返ると、クラスメートの工藤大志と島本勲がいた。紗栄子はマイクから顔を離し、二人の方へ顔を近づける。
「お疲れさま。応援、途中で抜けてごめんね。どうだった?」
「勝ったよ。大志がシュート決めて。」
「わあ、すごい。おめでとう。」
大志は褒められたのが素直に嬉しくにっこり笑った。
「あいつもうまかったよ。水泳部の…青山?」
「ああ、蓮も運動神経いいもんね。」
紗栄子がさらっと蓮をほめるので、彼のことをよく把握しているなあとうらやましくなる。
「あ、ちょっと待って。———続いてのコース順を申し上げます。第一のコース…。」
紗栄子が次のレース参加者を紹介し、レーススタートの笛が鳴った。無事にレースが始まったのを確認し、後方を振り返ると大志たちはまだいた。
「川原、アナウンス上手だな。声がよく通ってきれいだし、とっさに実況できたり、すごい。」
———俺は好きだよ。
さすがにその言葉は飲み込んだが、大志の態度から、その言葉は発せられたも同然だ———と、勲と春菜は思った。
「ありがとう。照れちゃうな。」
当の紗栄子は感じないらしい。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
【R18】カッコウは夜、羽ばたく 〜従姉と従弟の托卵秘事〜
船橋ひろみ
恋愛
【エロシーンには※印がついています】
お急ぎの方や濃厚なエロシーンが見たい方はタイトルに「※」がついている話をどうぞ。読者の皆様のお気に入りのお楽しみシーンを見つけてくださいね。
表紙、挿絵はAIイラストをベースに私が加工しています。著作権は私に帰属します。
【ストーリー】
見覚えのあるレインコート。鎌ヶ谷翔太の胸が高鳴る。
会社を半休で抜け出した平日午後。雨がそぼ降る駅で待ち合わせたのは、従姉の人妻、藤沢あかねだった。
手をつないで歩きだす二人には、翔太は恋人と、あかねは夫との、それぞれ愛の暮らしと違う『もう一つの愛の暮らし』がある。
親族同士の結ばれないが離れがたい、二人だけのひそやかな関係。そして、会うたびにさらけだす『むき出しの欲望』は、お互いをますます離れがたくする。
いつまで二人だけの関係を続けられるか、という不安と、従姉への抑えきれない愛情を抱えながら、翔太はあかねを抱き寄せる……
托卵人妻と従弟の青年の、抜け出すことができない愛の関係を描いた物語。
◆登場人物
・ 鎌ヶ谷翔太(26) パルサーソリューションズ勤務の営業マン
・ 藤沢あかね(29) 三和ケミカル勤務の経営企画員
・ 八幡栞 (28) パルサーソリューションズ勤務の業務管理部員。翔太の彼女
・ 藤沢茂 (34) シャインメディカル医療機器勤務の経理マン。あかねの夫。
満員電車でうばわれて、はじまる
丹戸尾
恋愛
女子高生、茉莉花は毎朝乗る電車で気になる他校の男子生徒がいた。
毎日遠くから見ただけで満足する日々だったが、ある日からその車両で痴漢されるようになってしまった。
優しく嬲る指に翻弄される茉莉花。
いつしか茉莉花は快感の虜となり、痴漢される度に彼のことを思い浮かべて彼に愛撫されることを願うようになっていた。
痴漢の正体が判明し、茉莉花は秀俊という名前だった彼と付き合うようになる。
映画館の暗がりで触れてくる秀俊に茉莉花は煽られて、自ら彼を誘って快楽に酔いしれる。
秀俊に開発されていく茉莉花の身体は、彼と共にインモラルなシチュエーションを愉しむようになっていくのだった。
※実際の痴漢は犯罪です。フィクションの官能小説として愉しんでください。
【R18】禁断の家庭教師
幻田恋人
恋愛
私ことセイジは某有名私立大学在学の2年生だ。
私は裕福な家庭の一人娘で、女子高2年生であるサヤカの家庭教師を引き受けることになった。
サヤカの母親のレイコは美しい女性だった。
私は人妻レイコにいつしか恋心を抱くようになっていた。
ある日、私の行動によって私のレイコへの慕情が彼女の知るところとなる。
やがて二人の間は、娘サヤカの知らないところで禁断の関係へと発展してしまう。
童貞である私は憧れの人妻レイコによって…
【女性向けR18】性なる教師と溺れる
タチバナ
恋愛
教師が性に溺れる物語。
恋愛要素やエロに至るまでの話多めの女性向け官能小説です。
教師がやらしいことをしても罪に問われづらい世界線の話です。
オムニバス形式になると思います。
全て未発表作品です。
エロのお供になりますと幸いです。
しばらく学校に出入りしていないので学校の設定はでたらめです。
完全架空の学校と先生をどうぞ温かく見守りくださいませ。
完全に趣味&自己満小説です。←重要です。
【R18】闇堕ちバレリーナ~悲鳴は届かない~
月島れいわ
恋愛
憧れのバレエ団の入団テストに合格した玲於奈。
大学もあと一年というところで退学を決めた。
かつてのようなお嬢様ではいられなくなった。
それでも前途は明るいはずだったのにーーーー想像もしなかった官能レッスンが待っていた。
女の子にされちゃう!?「……男の子やめる?」彼女は優しく撫でた。
広田こお
恋愛
少子解消のため日本は一夫多妻制に。が、若い女性が足りない……。独身男は女性化だ!
待て?僕、結婚相手いないけど、女の子にさせられてしまうの?
「安心して、いい夫なら離婚しないで、あ・げ・る。女の子になるのはイヤでしょ?」
国の決めた結婚相手となんとか結婚して女性化はなんとか免れた。どうなる僕の結婚生活。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる