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こことは違う世界
消えた告白
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ジリリリリリリリリと枕元の横で頭を叩きつける音が鳴り響く、そんな音を鳴らしても布団に潜ってまるで起きようとしない少年、貴哉は鳴り続ける時計を横にスヤスヤと寝ていたが。
「コラー! 目覚まし鳴らしているのに起きないとは、どういう了見だー!」
怒声と共にドアを開けて貴哉を起こしに来た義理姉のマリによってやっと目を覚ました。
「うぇ……今日、休み」
マリの朝の日課は、九割方寝ぼけている貴哉にたたき起こして、それでも睡眠をとろうとすればリビングの方まで強制的に引きずり、貴哉を食卓に座らせて目を完全に覚まさせるまでが日課となっている。
「ほら、さっさとパン食べて父さんと母さんたちに挨拶しな」
「あいぃ」と半分寝ぼけた状態でパンと食べ終わると、隣の部屋に行って仏壇の前に座り線香を焚く。その仏壇には、彼の両親の写真が飾られていた。
貴哉の両親は彼が小学生の頃不慮の事故で二人共亡くなり、そのショックで記憶障害を起こして自分自身が好きだった物や両親と過ごした日々を忘れてしまった。
葬式の時に親族同士で貴哉をどの家庭に預けるかの会議に、真っ先に貴哉を育てると言い表したのが義理姉である東城マリだった。
養子として引き取ってくれたが夫の姿どころか名前すら聞いたことなく、本当に夫がいるのか周りから不思議な目で見られたが、貴哉にとってマリは唯一の家族となっていた、
「マリねぇさん、終わった――ふわぁ~」
「ホラホラ、歯磨いて顔洗ってシャキッとなさいな。それに今日は学校に用事があって早起きしたんでしょ、早くしないとやばいんじゃない?」
「あぁ?」と頓狂な声を上げて壁に掛けてある時計を見ると、ほぼ閉じ掛かっていた瞼を全開に開いて、その学校の用事を思い出した。
「やっっっばぁー!」
その用事は貴哉にとって人生を賭けると言っても過言ではない重要な日である事を思い出し、猛スピードで部屋に戻って制服を着て、急いで家を飛び出す。
「ワンッワン!」
「よぉモーリス! 撫でるのは帰ってきたときな」
庭に座り込んでいるモーリスという柴犬に挨拶だけ言って、制服を整えながら猛ダッシュで学校へ向かう。
ここまで急いでいる理由は単純で同級生の女の子に告白するためだった。その成功率を上げるため事前に友人たちが調査して、彼女が朝一番に必ず教室にいると情報を元に告白時間は朝一番に決めていた。
告白する相手は東城七海という、至って普通とは言い難い変わった女子高生だ。変わったと言っても外見はスラっと整って顔立ちも誰もが羨むような美形だが、問題が性格にあった。
ヤンキーという訳ではない、ただ彼女は雰囲気がただただ暗く、全ての物事に小さく「はい」と呟くのみで同じクラスの子が話してもそれは変わらず、そのネガティブで何を考えているか分からない性格が近寄りがたい存在感を漂わしていた。
そんな彼女に一人だけ惚れたのが貴哉だった、外見や顔立ちが良いからという理由でなく、入学式で初めて目を合わした時、胸が締め付けられるような恋心を抱いた。
告白の言葉を考えながら、ついに学校にたどり着く。朝早くだから登校している生徒は手で数えられる程度で、ついにかと、深く深呼吸して校内に入って教室のドアの前に立って彼七海がいるか確認する。
が、窓から教室内を見た貴哉は落胆した。教室に七海の姿が見えない上に去年配属したばかりの担任教師が教室内で何かを探していた。
「おぅまい……」今からでも帰って一休みしてから登校しようと考えたが、教室内にいる教師の不審な動きに立ち止まっていた。
(何しているんだ?)
生徒の机の中を覗いて違うと言いながら次の席へ、「どうすれば」と狼狽えた様子で探っていると偶然廊下にいた貴哉と目が合う。
「あっ」
「あっ、おはようございます貴哉君」
そしてごまかす様に姿勢を急いで整えて、冷や汗だらけの顔で無理やり笑みを作ってこちらに近づく姿に今すぐ逃げ出したかったが、今は七海との告白が最優先事項で立ち止まって挨拶を交わしながら問う
「お、おはようございます先生。あの……まだ松崎さん来てませんよね……?」
行った瞬間先生の行動がピタリと止まり、血相を変えてこちらに目を合わせると、慌てて教室の外を見渡し有無を言わさず貴哉の手を引いて、自分のクラスから離れた応接室に入れられる。
「え、えぇ!? ちょっと、えぇ」
第一印象が聖人のような優しい人だと思い込んでいたから、いきなりの事に頭の整理が付かないままの貴哉に
「少し、ここで待っててください」
と慌ただしく出て、数秒後には両手に無数の資料を持ってきた。それを長テーブルにぶちまけて、資料の中にはゴムでまとめられた写真やら出欠表まであった。
「すいません、いきなり連れてきちゃって」
「それは良いですけど……どうしたんですか?」
呼吸を整えて、一から何故こんなにも取り乱していたのか説明を始めた。
「私もこんな事初めてで、東城君個人にこれを話すのもどうなのかと思いますが、これを見てください」
そう言われて渡されたのは写真だった。これは入学式に取った最近の集合写真で何かあるのかと目を凝らして隅々まで見やる。
パっと見た時から何か違和感があった、特に生徒の配置がおかしいし自分のいる位置を見ると誰かが足りない事に気づいた。
「あれ、松崎さんって確か俺の横にいたはず…」
だが写真の貴哉の隣にいたのは違う女子生徒だった、記憶違いがあるはずがない、ましてや最近撮った上想い人が隣にいたら忘れられるはずがない。
「そうなんです、一応すべての写真も確認してみましたがどこにも写ってなくて」
その言葉通り彼女が映っていたはずの写真全てが初めから存在しないと事実を突きつけられ、なんだこれと呟いた。
「じゃあ松崎さんに関する書類や名簿とか、あとほか諸共無くなっているんですか……?」
コクンと頷いて、今にも倒れそうな絶望的な表情で――
「私も朝の準備に取り掛かった時に異変に気づいて、教室の机の数や配置も調べてみたら松崎さんの席だけなかったんです」
「なんすかそれ……」
心底困り果てた、誰かからイジメを受けたのかと二人は物理的な方のせい仕立て上げようとしたが、それも考えられなかった。
時間がしばらく経ち、生徒達がどんどん登校してきて朝の日課が近づいてきた時、先生も授業の支度もあったのでこの話は切り上げた。
「このことはホームルームでも話しますが、東城君は松崎さんの事を知ってそうな子にこっそりと話かけてください」
書類をまとめている先生を横目に、失意の表情を浮かべながら外で登校する生徒を眺め、苛立ちを感じさせる声でつぶやく。
「……早退します」
「分かりマっ、てっ……東城君!?」
言葉通りに出て行こうとする貴哉を急いで腕を掴んて引き留め声を荒げる。
「まままっ、待ってください! 何か事件が関わっているかもしれません、それで君が巻き込まれたら」
「もうすでに巻き込まれてますよ! それに俺は、何もせずにただ大人に頼るわけにはいきませんから! 自分で松崎さん見つけます」
気迫ある貴哉の訴えに、教師としてまだ経験の浅い彼女は反論できずパっと手を離した。
「すいません先生」と軽く一礼して、登校する生徒の流れを逆流して走っていると友人の一人に声をかけられた。
「よ、貴哉どうした? 忘れ物かぁ」
「なぁ、松崎七海って女の子知ってるか?」
切羽詰まった様子で問いかけると、眉間をしわ寄せて答える。
「いや、知らねぇな。違うクラスの子か?」
この友人は昨日の告白作戦会議に参加して、確実に松崎七海と名前を口にしていた人物の一人だ。
しかし今の彼の問いに戸惑いを隠しつつ、そうかと軽く返事して校舎の外へ出る。
「コラー! 目覚まし鳴らしているのに起きないとは、どういう了見だー!」
怒声と共にドアを開けて貴哉を起こしに来た義理姉のマリによってやっと目を覚ました。
「うぇ……今日、休み」
マリの朝の日課は、九割方寝ぼけている貴哉にたたき起こして、それでも睡眠をとろうとすればリビングの方まで強制的に引きずり、貴哉を食卓に座らせて目を完全に覚まさせるまでが日課となっている。
「ほら、さっさとパン食べて父さんと母さんたちに挨拶しな」
「あいぃ」と半分寝ぼけた状態でパンと食べ終わると、隣の部屋に行って仏壇の前に座り線香を焚く。その仏壇には、彼の両親の写真が飾られていた。
貴哉の両親は彼が小学生の頃不慮の事故で二人共亡くなり、そのショックで記憶障害を起こして自分自身が好きだった物や両親と過ごした日々を忘れてしまった。
葬式の時に親族同士で貴哉をどの家庭に預けるかの会議に、真っ先に貴哉を育てると言い表したのが義理姉である東城マリだった。
養子として引き取ってくれたが夫の姿どころか名前すら聞いたことなく、本当に夫がいるのか周りから不思議な目で見られたが、貴哉にとってマリは唯一の家族となっていた、
「マリねぇさん、終わった――ふわぁ~」
「ホラホラ、歯磨いて顔洗ってシャキッとなさいな。それに今日は学校に用事があって早起きしたんでしょ、早くしないとやばいんじゃない?」
「あぁ?」と頓狂な声を上げて壁に掛けてある時計を見ると、ほぼ閉じ掛かっていた瞼を全開に開いて、その学校の用事を思い出した。
「やっっっばぁー!」
その用事は貴哉にとって人生を賭けると言っても過言ではない重要な日である事を思い出し、猛スピードで部屋に戻って制服を着て、急いで家を飛び出す。
「ワンッワン!」
「よぉモーリス! 撫でるのは帰ってきたときな」
庭に座り込んでいるモーリスという柴犬に挨拶だけ言って、制服を整えながら猛ダッシュで学校へ向かう。
ここまで急いでいる理由は単純で同級生の女の子に告白するためだった。その成功率を上げるため事前に友人たちが調査して、彼女が朝一番に必ず教室にいると情報を元に告白時間は朝一番に決めていた。
告白する相手は東城七海という、至って普通とは言い難い変わった女子高生だ。変わったと言っても外見はスラっと整って顔立ちも誰もが羨むような美形だが、問題が性格にあった。
ヤンキーという訳ではない、ただ彼女は雰囲気がただただ暗く、全ての物事に小さく「はい」と呟くのみで同じクラスの子が話してもそれは変わらず、そのネガティブで何を考えているか分からない性格が近寄りがたい存在感を漂わしていた。
そんな彼女に一人だけ惚れたのが貴哉だった、外見や顔立ちが良いからという理由でなく、入学式で初めて目を合わした時、胸が締め付けられるような恋心を抱いた。
告白の言葉を考えながら、ついに学校にたどり着く。朝早くだから登校している生徒は手で数えられる程度で、ついにかと、深く深呼吸して校内に入って教室のドアの前に立って彼七海がいるか確認する。
が、窓から教室内を見た貴哉は落胆した。教室に七海の姿が見えない上に去年配属したばかりの担任教師が教室内で何かを探していた。
「おぅまい……」今からでも帰って一休みしてから登校しようと考えたが、教室内にいる教師の不審な動きに立ち止まっていた。
(何しているんだ?)
生徒の机の中を覗いて違うと言いながら次の席へ、「どうすれば」と狼狽えた様子で探っていると偶然廊下にいた貴哉と目が合う。
「あっ」
「あっ、おはようございます貴哉君」
そしてごまかす様に姿勢を急いで整えて、冷や汗だらけの顔で無理やり笑みを作ってこちらに近づく姿に今すぐ逃げ出したかったが、今は七海との告白が最優先事項で立ち止まって挨拶を交わしながら問う
「お、おはようございます先生。あの……まだ松崎さん来てませんよね……?」
行った瞬間先生の行動がピタリと止まり、血相を変えてこちらに目を合わせると、慌てて教室の外を見渡し有無を言わさず貴哉の手を引いて、自分のクラスから離れた応接室に入れられる。
「え、えぇ!? ちょっと、えぇ」
第一印象が聖人のような優しい人だと思い込んでいたから、いきなりの事に頭の整理が付かないままの貴哉に
「少し、ここで待っててください」
と慌ただしく出て、数秒後には両手に無数の資料を持ってきた。それを長テーブルにぶちまけて、資料の中にはゴムでまとめられた写真やら出欠表まであった。
「すいません、いきなり連れてきちゃって」
「それは良いですけど……どうしたんですか?」
呼吸を整えて、一から何故こんなにも取り乱していたのか説明を始めた。
「私もこんな事初めてで、東城君個人にこれを話すのもどうなのかと思いますが、これを見てください」
そう言われて渡されたのは写真だった。これは入学式に取った最近の集合写真で何かあるのかと目を凝らして隅々まで見やる。
パっと見た時から何か違和感があった、特に生徒の配置がおかしいし自分のいる位置を見ると誰かが足りない事に気づいた。
「あれ、松崎さんって確か俺の横にいたはず…」
だが写真の貴哉の隣にいたのは違う女子生徒だった、記憶違いがあるはずがない、ましてや最近撮った上想い人が隣にいたら忘れられるはずがない。
「そうなんです、一応すべての写真も確認してみましたがどこにも写ってなくて」
その言葉通り彼女が映っていたはずの写真全てが初めから存在しないと事実を突きつけられ、なんだこれと呟いた。
「じゃあ松崎さんに関する書類や名簿とか、あとほか諸共無くなっているんですか……?」
コクンと頷いて、今にも倒れそうな絶望的な表情で――
「私も朝の準備に取り掛かった時に異変に気づいて、教室の机の数や配置も調べてみたら松崎さんの席だけなかったんです」
「なんすかそれ……」
心底困り果てた、誰かからイジメを受けたのかと二人は物理的な方のせい仕立て上げようとしたが、それも考えられなかった。
時間がしばらく経ち、生徒達がどんどん登校してきて朝の日課が近づいてきた時、先生も授業の支度もあったのでこの話は切り上げた。
「このことはホームルームでも話しますが、東城君は松崎さんの事を知ってそうな子にこっそりと話かけてください」
書類をまとめている先生を横目に、失意の表情を浮かべながら外で登校する生徒を眺め、苛立ちを感じさせる声でつぶやく。
「……早退します」
「分かりマっ、てっ……東城君!?」
言葉通りに出て行こうとする貴哉を急いで腕を掴んて引き留め声を荒げる。
「まままっ、待ってください! 何か事件が関わっているかもしれません、それで君が巻き込まれたら」
「もうすでに巻き込まれてますよ! それに俺は、何もせずにただ大人に頼るわけにはいきませんから! 自分で松崎さん見つけます」
気迫ある貴哉の訴えに、教師としてまだ経験の浅い彼女は反論できずパっと手を離した。
「すいません先生」と軽く一礼して、登校する生徒の流れを逆流して走っていると友人の一人に声をかけられた。
「よ、貴哉どうした? 忘れ物かぁ」
「なぁ、松崎七海って女の子知ってるか?」
切羽詰まった様子で問いかけると、眉間をしわ寄せて答える。
「いや、知らねぇな。違うクラスの子か?」
この友人は昨日の告白作戦会議に参加して、確実に松崎七海と名前を口にしていた人物の一人だ。
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