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太陽系の黄金期

太陽系の黄金期・菱・第326章・AD2021年並行世界の日本へ

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西暦2101年

第二次太陽系大戦は終わったが

人類は90%の犠牲と

どの星も地上施設と宇宙都市の大半を失っていた

その中で今土星圏などの外惑星は

緊急に重力障害者の治療薬物質βを必要としていた

冥王星の衛星カロンに物質βの存在を確認した

日本政府はアベを責任者として

カロンに向かうが

そこには無人戦艦が居た

無人戦艦が送る暗号信号に答えられなければ

攻撃を受ける為

仕方なくアベは撤退する

暗号信号の正体は

1975年制のIBM社製のコンピューター

『IBM-5100』

このコンピューターは2025年に起きた

『昭和100年問題』を解決した事で

歴史にその名が残されたが

22世紀の今唯一残されていた

最後の一台が月の崩壊と共に失われ

何処にも残されていなかった

そこに伝説のタイムトラベラー

『リオン・カトー』がアベの前に現れた

『ミスターアベ久しぶりです

IBM-5100を探しに行きませんか?』

アベは大使として活躍した曽祖父から

リオン・カトーについて聞かされていた

第三次世界大戦前から戦時中そして戦後の

2025年の昭和100年問題の時も

過去からIBM-5100を持つて来て

無事解決したと教えられていた

リオン・カトーが来た事で

問題は解決したと思われたが

彼の口からこの世界の過去への扉が閉じられ

つまり時間の壁が21世紀と22世紀の間に発生して

過去へのタイムトラベルは不可能になったと

アベはこれで完全に過去に行き

IBM-5100の入手は絶望的と思うが彼の

『ミスターアベ久しぶりです

IBM-5100を探しに行きませんか?』

の言葉を思い出し彼に尋ねた

『確かにこの世界の過去には行けませんが

並行世界の過去には行けます

つまりこの世界と接している

限りなく近い並行世界には

この世界と同じIBM-5100が存在する』

アベは希望に満ちた顔で

【ではその並行世界に行けば

IBM-5100が手に入るんですね?】

だがリオンはアベと違い楽観的では無く

『私がIBM-5100の存在を確認した並行世界は

この世界と違いまだAD2021年時点で

第三次世界大戦は起きて居ません』

アベは驚くがリオンは話を続ける

『戦争が起きなかったのは

全世界に第二のスペイン風邪が流行したからで

億単位での感染者と

数百万単位の死者と

数千万人の後遺症患者が発生している並行世界です

感染すれば生きて帰れない可能性も在ります』

アベは少し考え

【流行が収まってから並行世界に行くのではダメですか?】

リオンは首を振り

『AD2024年には第二のスペイン風邪は

インフルエンザと同じレベルまで感染力と毒性は低下し

終息宣言が出されましたが

その時にはIBM-5100は行方不明に

行くとすれば強毒化した第2のスペイン風邪で

患者数が1日2万5千人が発生している

AD2021年の日本に行くしかない』

アベはリオンと共に行く事を決意する

だがこの二人の話を物陰から聞いている人物が居た
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