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太陽系の黄金期
太陽系の黄金期・菱・第323章・西暦2101年・飢餓
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西暦2100年
キューブは太陽系の宇宙空間を航行中の
全ての艦艇を無差別に攻撃した
戦艦グレートフリテンは多くの避難民を乗せていが
キューブの攻撃を受けるのは
時間の問題だとした艦長は
避難民全員を脱出カプセルに搭乗させた
その中に母サチと娘アサコが居た
カプセルには一人しか乗れない
「お母さんと一緒いる」
他の避難民がカプセルに乗り込み
次々と脱出する中残されたのは
母サチと娘アサコの二人だけになった
(大丈夫直ぐにお母さんと遭えるから
ね・・・)
母に抱きしめられアサコは
ぬくもりを感じ安心して
「うん・・・」と答えた
最後の残された脱出カプセルが発射され
艦長は安堵した
次の瞬間
グレートフリテンは直撃を受け爆発轟沈した
アサコを乗せたカプセルは宇宙空間を漂い続けた
周りには何もなく時間だけが過ぎて行く
脱出カプセルが突然衝撃を受けてアサコは目を覚ました
アサコの目には遥か彼方で爆発するキューブが見えた
そしてアサコを乗せたカプセルは
救助艇に回収された
(生存者だ生きているぞ)
レスキュー隊にアサコが最初に聞いたのは
「お母さんを知りませんか一緒に逃げたの」
レスキュー隊員は顔を見合わせ答える
(残念だがグレートフリテンから
回収したカプセルは君が乗っていた
このカプセルだけだ)
「お母さん・・・」
アサコの目からはとめどなく涙が
あふれた
第二次太陽系大戦末期
古代文明帝国が残したキューブが蘇り
人類への攻撃を始め
絶滅の危機を迎えた
人類は銀河系中心部を支配する
同盟の力を借りて
キューブを倒すが
9割もの人類を失い
人々の心に大きな傷を残していた
第二次太陽系大戦は終わり
西暦2101年人類は22世紀を迎えた
母親を亡くしたアサコは
まだ救助船に居た
アサコだけでなく
ほとんどの避難民は
避難船に乗っていた
避難先の宇宙都市も太陽系の何処の惑星圏も
大損害を出し
彼らを収容する余裕は何処にも無かった
戦争が終わり平和な時代が到来したが
生き残った人類に取り
希望より不安の方が大きかった
宇宙都市の大半を失い
残された宇宙都市は避難民で溢れていた
地球圏に残された無人の宇宙都市も
損害を受けて
そのままでは避難民を
受け入れる事は出来ず
唯一人類が住む事が出来る火星も
キューブの攻撃で居住可能な場所は
火星の宇宙都市を破壊された
人々で溢れかえり
火星は避難民を受け入れる余裕は無かった
それは金星も同じで
破壊された宇宙都市の住民は
地下都市に移り住んだが
余りにも多い避難民で
都市は溢れかえる
それは太陽系外周部の
木星圏・土星圏・天王星圏・海王星圏でも同じで
キューブの攻撃で殆どの基地を破壊され
残された人々は残された基地に集まり
恐ろしい程の過密化していた
それだけでは済まず
太陽系最大の食料生産設備を失い
復旧には半年以上必要で
実際に食料を生産出来るのは
1年後になる
人類に残された食料は
残り僅かしか無かった
避難船のアサコ食事は
日に日に減り
ついに非常食1個だけになった
それだけでは1日に必要なカロリーには
とても足りなかった
慢性的な飢えの中
病人やけが人が最初に衰弱して
次々に倒れて逝く
夜中に数名の大人達が
監視の目を掻い潜り
食糧庫に侵入したが
そこには何も残されてなかった
避難民を前に司令官は
「我々救命艇の乗組員はこの三日ほど
何も食べて居ない
もう食料は何処にも無いのだ」
やつれた司令官の言葉に
彼らは絶望した
そんな彼らに司令官は
「君達はあのキューブを倒した
ローラ・アシェルを知っていますか?
彼女はこの大戦に参加しないで
辺境の地で軍事力を温存して
隙あらば疲弊した我々に
取って代わるつもりだろうと
誰もが考えていたが
だがそうでは無かった
彼女は戦後を見据え
破壊されたコロニーや
移民先の惑星や衛星の基地を
再建させる資材を確保し
コロニーでは食料を大増産して蓄え
戦艦を改造した輸送艦で
今それらを運び
残された太陽系中の避難施設に
運んでいると先程太陽系政府から発表された
この避難船も最短距離の避難所に向かっている
食料はもうすぐ手に入る
我々は助かったんだ」
歓喜する避難民達
司令官と副官達は
「このままでは
食料をめぐり
残された人類は再び戦争を始めてしまう処だった」
(多くの友人が死にましたもう戦争は御免です)
それは残された人類全ての声だった
救命艇はローラ軍の輸送艦が待つ
避難所に到着した
そこでは到着した避難民の為に
温かい食事が用意されていた
アサコ達避難民は誰もが
久しぶりの食事を頬張り
笑顔が絶えなかった
その時
臨時ニュースが流れた
意識不明だったローラ・アシェルが
亡くなったと報じられた
食料を運んで来たローラ軍の兵士達だけでなく
避難民も嘆き悲しんだ
そしてローラ軍の老兵から
彼女が僅か12歳の時から軍を率い
今日まで多くの人々の為に尽くして
最後はあのキューブをたった一人で
自分の命と引き換えに倒して
そして戦後も人類の為にこうして
食料を始め必要な物資を残してくれたと語った
ローラ・アシェルは
アサコは自分と同じ年で
重い責任を一人で背負い込み
多くの人達を助け
これだけの事をした
アサコは一人ぼっちになり
誰も頼る者など居ないと
不安に駆られていたが
アサコの元には
同じ様に身寄りが居ない
子供達が居た
アサコはこの子供達の為に
ローラの様に生き様と心に決めた
キューブは太陽系の宇宙空間を航行中の
全ての艦艇を無差別に攻撃した
戦艦グレートフリテンは多くの避難民を乗せていが
キューブの攻撃を受けるのは
時間の問題だとした艦長は
避難民全員を脱出カプセルに搭乗させた
その中に母サチと娘アサコが居た
カプセルには一人しか乗れない
「お母さんと一緒いる」
他の避難民がカプセルに乗り込み
次々と脱出する中残されたのは
母サチと娘アサコの二人だけになった
(大丈夫直ぐにお母さんと遭えるから
ね・・・)
母に抱きしめられアサコは
ぬくもりを感じ安心して
「うん・・・」と答えた
最後の残された脱出カプセルが発射され
艦長は安堵した
次の瞬間
グレートフリテンは直撃を受け爆発轟沈した
アサコを乗せたカプセルは宇宙空間を漂い続けた
周りには何もなく時間だけが過ぎて行く
脱出カプセルが突然衝撃を受けてアサコは目を覚ました
アサコの目には遥か彼方で爆発するキューブが見えた
そしてアサコを乗せたカプセルは
救助艇に回収された
(生存者だ生きているぞ)
レスキュー隊にアサコが最初に聞いたのは
「お母さんを知りませんか一緒に逃げたの」
レスキュー隊員は顔を見合わせ答える
(残念だがグレートフリテンから
回収したカプセルは君が乗っていた
このカプセルだけだ)
「お母さん・・・」
アサコの目からはとめどなく涙が
あふれた
第二次太陽系大戦末期
古代文明帝国が残したキューブが蘇り
人類への攻撃を始め
絶滅の危機を迎えた
人類は銀河系中心部を支配する
同盟の力を借りて
キューブを倒すが
9割もの人類を失い
人々の心に大きな傷を残していた
第二次太陽系大戦は終わり
西暦2101年人類は22世紀を迎えた
母親を亡くしたアサコは
まだ救助船に居た
アサコだけでなく
ほとんどの避難民は
避難船に乗っていた
避難先の宇宙都市も太陽系の何処の惑星圏も
大損害を出し
彼らを収容する余裕は何処にも無かった
戦争が終わり平和な時代が到来したが
生き残った人類に取り
希望より不安の方が大きかった
宇宙都市の大半を失い
残された宇宙都市は避難民で溢れていた
地球圏に残された無人の宇宙都市も
損害を受けて
そのままでは避難民を
受け入れる事は出来ず
唯一人類が住む事が出来る火星も
キューブの攻撃で居住可能な場所は
火星の宇宙都市を破壊された
人々で溢れかえり
火星は避難民を受け入れる余裕は無かった
それは金星も同じで
破壊された宇宙都市の住民は
地下都市に移り住んだが
余りにも多い避難民で
都市は溢れかえる
それは太陽系外周部の
木星圏・土星圏・天王星圏・海王星圏でも同じで
キューブの攻撃で殆どの基地を破壊され
残された人々は残された基地に集まり
恐ろしい程の過密化していた
それだけでは済まず
太陽系最大の食料生産設備を失い
復旧には半年以上必要で
実際に食料を生産出来るのは
1年後になる
人類に残された食料は
残り僅かしか無かった
避難船のアサコ食事は
日に日に減り
ついに非常食1個だけになった
それだけでは1日に必要なカロリーには
とても足りなかった
慢性的な飢えの中
病人やけが人が最初に衰弱して
次々に倒れて逝く
夜中に数名の大人達が
監視の目を掻い潜り
食糧庫に侵入したが
そこには何も残されてなかった
避難民を前に司令官は
「我々救命艇の乗組員はこの三日ほど
何も食べて居ない
もう食料は何処にも無いのだ」
やつれた司令官の言葉に
彼らは絶望した
そんな彼らに司令官は
「君達はあのキューブを倒した
ローラ・アシェルを知っていますか?
彼女はこの大戦に参加しないで
辺境の地で軍事力を温存して
隙あらば疲弊した我々に
取って代わるつもりだろうと
誰もが考えていたが
だがそうでは無かった
彼女は戦後を見据え
破壊されたコロニーや
移民先の惑星や衛星の基地を
再建させる資材を確保し
コロニーでは食料を大増産して蓄え
戦艦を改造した輸送艦で
今それらを運び
残された太陽系中の避難施設に
運んでいると先程太陽系政府から発表された
この避難船も最短距離の避難所に向かっている
食料はもうすぐ手に入る
我々は助かったんだ」
歓喜する避難民達
司令官と副官達は
「このままでは
食料をめぐり
残された人類は再び戦争を始めてしまう処だった」
(多くの友人が死にましたもう戦争は御免です)
それは残された人類全ての声だった
救命艇はローラ軍の輸送艦が待つ
避難所に到着した
そこでは到着した避難民の為に
温かい食事が用意されていた
アサコ達避難民は誰もが
久しぶりの食事を頬張り
笑顔が絶えなかった
その時
臨時ニュースが流れた
意識不明だったローラ・アシェルが
亡くなったと報じられた
食料を運んで来たローラ軍の兵士達だけでなく
避難民も嘆き悲しんだ
そしてローラ軍の老兵から
彼女が僅か12歳の時から軍を率い
今日まで多くの人々の為に尽くして
最後はあのキューブをたった一人で
自分の命と引き換えに倒して
そして戦後も人類の為にこうして
食料を始め必要な物資を残してくれたと語った
ローラ・アシェルは
アサコは自分と同じ年で
重い責任を一人で背負い込み
多くの人達を助け
これだけの事をした
アサコは一人ぼっちになり
誰も頼る者など居ないと
不安に駆られていたが
アサコの元には
同じ様に身寄りが居ない
子供達が居た
アサコはこの子供達の為に
ローラの様に生き様と心に決めた
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