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戦後編そして
戦後編そして・霧・第300章・月面政府W大統領
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西暦2089年
地球圏月
太陽系大戦が終わり
地球連邦政府の降伏と共に成立した
月面政府は地球と月を支配下に置いたが
地球は事実上人類の居住出来る状態では無く
月面政府の本拠地は月に置かれた
太陽系大戦が終わり破壊された軌道エレベーターの
修復と月面都市の再建が始まる
月の赤道の第一都市アポロも戦争の被害を受けていた
がれきを撤去する中多くの犠牲者が現れ
丁重に遺体安置所に運ばれ家族との面会を果たした
月面から地球を見上げると
細かい塵に地球がかすんで見える
大戦末期に月の古代兵器である巨砲マナで破壊された痕跡である
地球圏のコロニーに住む市民からは月を指差し
裏切り者と罵られる
月を支配する月面政府の正体は
陰の政府・世界政府ともシークレットガバメントとも呼ばれ
第5文明と呼ばれる現代文明以前から存在している
人類の歴史の陰にはいつも陰の政府が居た
近代ではナチスドイツ・ソビエト連邦
アメリカ合衆国・中華人民共和国の
中枢に深く入り込み表向きは戦わせて裏では
月面の裏側で1世紀も進んだ科学力で
宇宙開発をさせていた
しかしその宇宙開発で得た技術を
陰の政府の許可なく持ち出し
自分の国の発展に使い
陰の政府に不利益をもたらした
ナチスドイツと中国は歴史から消し去られた
陰の政府は実は一枚岩ではなく
二つの巨大な組織と幾つもの小規模な組織から構成されていた
一つは長年組織を率いていた主流派そして
長年ナンバー2の地位に甘んじていた非主流派
そして小規模ながら古代から伝わる技術を持つ中間派
中間派が持つ技術は巨砲マナを始め
転送技術やワープ技術さえ持っているとされ
21世紀の今でも及ばない科学力を持ち
発言力は2大派閥と同等に扱われた
大戦末期月の巨砲マナを使った地球艦隊への攻撃は
陰の政府の決定に反する裏切り行為で
その首謀者Wは現在月面政府の大統領の地位に就いていた
Wは陰の政府の非主流派出身で
主流派出身で次の陰の大統領の第一候補のR氏をライバルと思って居た
wは陰の大統領の座を狙っていたが
非主流派のWにはその時点で可能性はゼロだったが
R氏の父親で現役の陰の大統領と主流派の幹部の大半が
行方不明となる事件が起きた
結果として陰の政府内の勢力図が変化して
陰の政府の副大統領でWの父親が陰の大統領の地位に就いた
それまで不可能と思われていた陰の大統領の座に就く可能性に
Wの野心が頭をもたげた
だがR氏の実力はWの父親である陰の大統領の信頼させ
自分の息子ではなくR氏を次の陰の大統領にと考え始め
あせるWは月の巨砲マナを使い
敵である火星・日本連合艦隊を撃破して
その功績で次の陰の大統領の座の獲得を画策する
それでも父親が自分を陰の大統領就任を認めない可能性を考え
父親を始めとする陰の政府の主要メンバーを暗殺する計画を見逃した
そのなかにR氏が含まれていた為だが彼は父親の命より
自分の野心を優先させた
結果は自分の父親が亡くなりR氏が生き残り
R氏が陰の大統領の地位に就いた
もはや火星・日本連合艦隊を撃破しても
R氏が太陽系支配を助けるだけで
自分は一生R氏の下で働くだけだと考えたWは
巨砲マナを使い地球艦隊を全滅させた
巨砲マナの威力を十二分に使った外交交渉で
月を独立国家として火星と日本に認めさせ
火星・日本と共に地球を占領する道を歩んだ
地球圏に駐留した月面政府は
陰の政府のR大統領に連なる者をすべて粛清
月面政府大統領となったWは残る派閥の支持を取り付けた
Wは次に始めた事は軍事力の増強と次の大戦の為の工作
地球圏は思惑通りに分裂して戦争の火種となろうとしていた
だが火星軍も日本軍も地球連邦の内戦は
地球連邦同士が傷付くだけで
地球が疲弊する事はむしろ望む所で
地球連邦の内戦には介入するつもりは無かった
何としても火星と日本を戦争に引き込みたいWは
北地球連邦内に東地球連邦を独立させた
東地球連邦には月面政府が極秘に技術支援を行った
まだまだ試作品に過ぎないコロニー級のマナ砲を
月の巨砲マナに限りなく近づける為に
Wはかつて味方の地球艦隊を攻撃した様に
日本軍と火星軍をこの内戦に引きずり込み
第二次世界大戦を始め様としていた
太陽系支配の野望を捨てる事が出来ずにいた
しかしそんなW大統領に転機が訪れた
パーティ会場でワインを運んできた給仕の女性と出会う
最初は運んできたワインをW大統領にこぼしてしまう
この女性の事など気にしていなかったが
自分の権力や財産を欲して近づいて来たのではないと知り
彼の中で何かが変わり始め
次第に魅かれW大統領が夢中になり
熱烈な求婚の末結婚する事になる
女性は戦争で家族を失っていた
彼女の唯一の願いは
平和な時代の中で子供を育てたい
それだけだった
W大統領はその願いをかなえる為に
人が変わった様に戦争の芽を取り去り
紛争の調停に乗り出した
しかし歴史は彼の願いをあざ笑う様に
戦争の坂道を転げて行く
もはや手遅れだった
それ以前の彼自身が長い時間を掛けて
戦争を越す為の工作を行った結果
時に西暦2097年
地球圏月
太陽系大戦が終わり
地球連邦政府の降伏と共に成立した
月面政府は地球と月を支配下に置いたが
地球は事実上人類の居住出来る状態では無く
月面政府の本拠地は月に置かれた
太陽系大戦が終わり破壊された軌道エレベーターの
修復と月面都市の再建が始まる
月の赤道の第一都市アポロも戦争の被害を受けていた
がれきを撤去する中多くの犠牲者が現れ
丁重に遺体安置所に運ばれ家族との面会を果たした
月面から地球を見上げると
細かい塵に地球がかすんで見える
大戦末期に月の古代兵器である巨砲マナで破壊された痕跡である
地球圏のコロニーに住む市民からは月を指差し
裏切り者と罵られる
月を支配する月面政府の正体は
陰の政府・世界政府ともシークレットガバメントとも呼ばれ
第5文明と呼ばれる現代文明以前から存在している
人類の歴史の陰にはいつも陰の政府が居た
近代ではナチスドイツ・ソビエト連邦
アメリカ合衆国・中華人民共和国の
中枢に深く入り込み表向きは戦わせて裏では
月面の裏側で1世紀も進んだ科学力で
宇宙開発をさせていた
しかしその宇宙開発で得た技術を
陰の政府の許可なく持ち出し
自分の国の発展に使い
陰の政府に不利益をもたらした
ナチスドイツと中国は歴史から消し去られた
陰の政府は実は一枚岩ではなく
二つの巨大な組織と幾つもの小規模な組織から構成されていた
一つは長年組織を率いていた主流派そして
長年ナンバー2の地位に甘んじていた非主流派
そして小規模ながら古代から伝わる技術を持つ中間派
中間派が持つ技術は巨砲マナを始め
転送技術やワープ技術さえ持っているとされ
21世紀の今でも及ばない科学力を持ち
発言力は2大派閥と同等に扱われた
大戦末期月の巨砲マナを使った地球艦隊への攻撃は
陰の政府の決定に反する裏切り行為で
その首謀者Wは現在月面政府の大統領の地位に就いていた
Wは陰の政府の非主流派出身で
主流派出身で次の陰の大統領の第一候補のR氏をライバルと思って居た
wは陰の大統領の座を狙っていたが
非主流派のWにはその時点で可能性はゼロだったが
R氏の父親で現役の陰の大統領と主流派の幹部の大半が
行方不明となる事件が起きた
結果として陰の政府内の勢力図が変化して
陰の政府の副大統領でWの父親が陰の大統領の地位に就いた
それまで不可能と思われていた陰の大統領の座に就く可能性に
Wの野心が頭をもたげた
だがR氏の実力はWの父親である陰の大統領の信頼させ
自分の息子ではなくR氏を次の陰の大統領にと考え始め
あせるWは月の巨砲マナを使い
敵である火星・日本連合艦隊を撃破して
その功績で次の陰の大統領の座の獲得を画策する
それでも父親が自分を陰の大統領就任を認めない可能性を考え
父親を始めとする陰の政府の主要メンバーを暗殺する計画を見逃した
そのなかにR氏が含まれていた為だが彼は父親の命より
自分の野心を優先させた
結果は自分の父親が亡くなりR氏が生き残り
R氏が陰の大統領の地位に就いた
もはや火星・日本連合艦隊を撃破しても
R氏が太陽系支配を助けるだけで
自分は一生R氏の下で働くだけだと考えたWは
巨砲マナを使い地球艦隊を全滅させた
巨砲マナの威力を十二分に使った外交交渉で
月を独立国家として火星と日本に認めさせ
火星・日本と共に地球を占領する道を歩んだ
地球圏に駐留した月面政府は
陰の政府のR大統領に連なる者をすべて粛清
月面政府大統領となったWは残る派閥の支持を取り付けた
Wは次に始めた事は軍事力の増強と次の大戦の為の工作
地球圏は思惑通りに分裂して戦争の火種となろうとしていた
だが火星軍も日本軍も地球連邦の内戦は
地球連邦同士が傷付くだけで
地球が疲弊する事はむしろ望む所で
地球連邦の内戦には介入するつもりは無かった
何としても火星と日本を戦争に引き込みたいWは
北地球連邦内に東地球連邦を独立させた
東地球連邦には月面政府が極秘に技術支援を行った
まだまだ試作品に過ぎないコロニー級のマナ砲を
月の巨砲マナに限りなく近づける為に
Wはかつて味方の地球艦隊を攻撃した様に
日本軍と火星軍をこの内戦に引きずり込み
第二次世界大戦を始め様としていた
太陽系支配の野望を捨てる事が出来ずにいた
しかしそんなW大統領に転機が訪れた
パーティ会場でワインを運んできた給仕の女性と出会う
最初は運んできたワインをW大統領にこぼしてしまう
この女性の事など気にしていなかったが
自分の権力や財産を欲して近づいて来たのではないと知り
彼の中で何かが変わり始め
次第に魅かれW大統領が夢中になり
熱烈な求婚の末結婚する事になる
女性は戦争で家族を失っていた
彼女の唯一の願いは
平和な時代の中で子供を育てたい
それだけだった
W大統領はその願いをかなえる為に
人が変わった様に戦争の芽を取り去り
紛争の調停に乗り出した
しかし歴史は彼の願いをあざ笑う様に
戦争の坂道を転げて行く
もはや手遅れだった
それ以前の彼自身が長い時間を掛けて
戦争を越す為の工作を行った結果
時に西暦2097年
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