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戦後編そして

戦後編そして・霧・第298章・地球連邦独立

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西暦2097年

小惑星帯国家ダイでの日本軍のマナ砲を使った

ダイ国事件は古代文明のマナ砲を手に入れた火星軍と

マナ砲の発射実験に成功した日本軍を対立させたが

月面政府の仲介で痛み分けで形で決着したが

共に太陽系大戦を戦い抜いた盟友のとしての面影はもはや無く

日本軍も火星軍も最早仮想敵国は

月面軍でもローラアシェルの軍でもなく

日本軍に取っては火星

火星軍に取っては日本で在り

宇宙艦隊の増強が急がれたその為に

日本軍と火星軍は旧地球連邦軍の軍事施設を管理する

施設管理庁に対して大量の戦闘艦の建造を発注するが

受けきれないと拒否される

民間の造船場に対しても同じ様に発注するも

悉く日本軍と火星軍は対立する

火星軍は先の大戦中は

土星圏・天王星圏・海王星圏で

新造艦の建造を行っていたが

現在は事実上月面政府の傘下で

月面艦隊が建造され

日本軍は大戦中から艦隊を建造する

宇宙船ドックを持っていたが

現在火星軍は艦隊の建造はすべて地球圏で行っていた

しかし地球圏を共同で管理する日本軍と対立して

宇宙船ドックを思う様に使えなかった

事態を解決する為に火星共和国は地球連邦政府と

地球連邦政府の念願の独立を認める代わりに

火星艦隊建造に協力する事を密約したが

地球連邦政府内には火星軍が推し進めた占領政策に

反発する勢力は情報を日本と連邦市民にリーク

事態は地球連邦を二分する論争に発展

事態は収拾出来ず

火星軍は地球圏に独断で軍を展開

駐留している日本軍を圧倒的多数で排除

日本政府は火星軍との戦闘を許可せず日本軍は後退を続ける

地球圏の3分の2を火星軍の直接の管理下に置く

後退を続ける日本軍にようやく増援部隊が到着する

睨み合いが続く中火星軍の管理下の

地球連邦政府は独立を宣言

これに対して月面政府は地球連邦政府の独立を承認

その条件として

日本軍が滞在する残り3分の1の地域を独立させ

独立した連邦政府は先に独立した連邦政府とは別にする

半世紀に渡り統一されていた地球連邦政府は分裂

火星軍が占領していた地球連邦は北地球連邦と呼ばれ

日本軍が占領していた地球連邦は西地球連邦と呼ばれた

日本軍と火星艦隊との争いは戦闘には発展しなかったが

しかしもはや日本軍と火星軍の関係は元には戻らなかった

北地球連邦には多くの重工業地帯が含まれ

宇宙艦隊の建造を始めた

独立した北地球連邦は火星共和国と軍事協定を結び火星艦隊が駐留した

西地球連邦は独立したが圧倒的多数の火星艦隊が北地球連邦に駐留している事態に

日本艦隊の増員を望んでいたが日本艦隊は先の大戦で多くの兵員を失い

無人艦隊の建造も提案されたがマナ砲を戦闘艦に搭載するには

AIの管理だけでは出来ないどうしても多数の兵員が必要だが

兵員無き今これ以上の艦隊の増員は出来なかった

それでも諦め切れない西地球連邦政府は

旧地球連邦軍兵士を乗組員とした宇宙艦隊を提案した

地球連邦軍は西地球連邦軍として再建される

日本軍は火星軍でさえ認めなかった

地球連邦軍復活を苦悩の末認めた

それは火星軍から強く非難されたが

結局北地球連邦にも軍の再建を認めたが

火星軍や日本軍・月面軍からは

やがて地球連邦軍は統一され

脅威となるのではと危惧されたが

北地球連邦の市民は北アメリカ・ヨーロッパ・ロシア出身の市民が多数を占め

西地球連邦の市民は南アメリカ・アフリカ・アジア出身の市民が多数を占めている為

歴史的に不信感が強く統一など在り得ず

逆に何かのはずみで戦争が起きてもおかしくなかった
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