上 下
204 / 334
太陽系の夜明け・移民の時代

太陽系の夜明け・移民の時代・士・第210章・フォンブラウンの居ない世界

しおりを挟む
1機の巨大な飛行機が太平洋を飛行していた

その形は胴体を横に二つ並べた奇妙な形をしていた

そしてその機体にはアイズ連邦軍と書かれていた

『メーデーメーデー

こちらエア・マザー第303号機

ホノルル管制塔どうぞ

ダメだ何回送信しても返事が無い』

【不味いぞエンジンの出力が回復しない墜落するぞ

GPSの受信は回復したか?】

「回復出来ない」

【原因は何だ?故障か?】

「計器類は正常だ・まるで・・・」

【まるで何だと言うんだ】

「まるでGPS衛星が全部消えたとしか思えない

管制塔からのレーダー波も受信出来ない」

【バカ言うな・そんな事起きるかよ】

『いや・あり得る

戦争が始まればまず潰すべきは

GPS衛星とレーダー基地だ』

3人は沈黙する

窓の外に閃光が走る

サングラスを掛けていない3人は思わず目をつぶる

目を開けると遥か彼方に

飛行場が見えた

『やったぞ助かった』

【燃料は足りるのか?】

「ギリギリだが何とかする」

『管制塔からの返信は無いがやるしかない』

滑走路上に障害物となる飛行機が居ない事を祈り

滑走路に侵入する

残りの燃料で逆噴射をして要約機体は

滑走路上で停止していた機体の手前で停止した

3人は非常口から出て地上に降り立つが

目の前の機体から出て来た兵士達に取り囲まれる

<お前達の所属と階級を言え>

指揮官らしき者が出て来た機体には

AS連邦軍のマークではなく

すでに廃止された

旧アメリカ軍の星条旗が描かれていた

3人は互いの顔を見合わせ

『ここは何処ですかあなた達は何処の軍隊ですか?』

イラっとした指揮官は高圧的な態度で

<聞いているのはこちらだ

此処は太平洋硫黄島だアメリカ軍を知らんのか?>

3人は小声で話す

『硫黄島は日本軍の拠点だぞ』

【アメリカ軍は解体されて

今は他の4か国と混成部隊になりAS軍に成っている

少なくとも星条旗を使っている部隊は無い筈だ】

<おい何を話している答えろ>

「我々はAS宇宙軍の者だ」

<AS軍?初めて聞くな>

『アングロ・サクソン軍が正式名称だ

イギリス・アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの

5国の軍を統合して出来た』

指揮官は呆れた顔で

<一体どこの軍隊と戦うために作られたと言うんだ?>

≪その話興味深いな≫

米軍の指揮官の後ろから

東洋人らしき男が話し掛ける

<司令官!

当基地の司令官である敬礼>

アメリカ軍を名乗る男達が一斉に敬礼をする

これまで高圧的な態度の指揮官がうその様に

従順な男がいた

やはり基地司令官と名乗るこの男が此処の責任者か

3人はそう理解したが

ただ

基地司令官の制服が3人の知る限り

見たことが無いもので

戸惑いを隠せなかった

≪彼らは疲れている様だ

応接室でお話を伺う事にしよう≫

3人は軍用車に載せられるが

車体に日の丸が描かれていた

3人は改めてここが日本軍の基地だと再確認した

取調室かと思ったそこは

来客用の応接室

コーヒーを出され3人はますます戸惑う

その場には

基地司令官他2名と

アメリカ軍と名乗る将校2名

他のMP2名が居た

重苦しい空気が流れ基地司令官が話し始める

《先ほど大まかなAS軍については伺ったが

君たちに対抗する勢力について聞きたい》

『軍事機密については話せない』

≪当然だが今聞きたいのは

民間人なら誰でも知っている事でいい

軍事機密漏洩罪には問われないと思う

話してくれないかな?≫

3人は顔を合わせ仕方がない様子で話し始める

『我々AS軍は現在日本連邦軍と戦争前夜の状態だ』

≪日本一国で元アメリカ・イギリス・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの

軍事視力と戦えると?≫

『日本はシベリアから中国全土東南アジア全域を支配している

正規軍だけでも1000万を超える

それにAS軍にはないロケット技術を開発して

ロケットで人工衛星を打ち上げ

有人飛行にも成功し宇宙基地を作り

月面開発を始めついに我々と対立

欧州で和平会議が行われたが決裂

戦争は時間の問題だ』

≪何故月の開発で核戦争を起こすのかね?≫

『何を言っている

君達日本軍がこれまで

小型化が不可能で

航空機や軍艦にも積載出来ず

実戦では役に立たない

核爆弾を月面で採掘した新元素で

小型化に成功させ

ロケットに積み込み

実戦配備をしたからだろう』

その場に居た日本軍と米軍関係者の表情は凍り付いていた

一旦休憩がとられた

5名は退席した

MP2名を残し

3人は小声で話す

『あいつ等の顔見たか?』

【ああ

何か信じられない話を聞いた時の顔だな】

「あれは何も知らない様に見えた

何かおかしいぞ

ここは慎重に答えた方がいい

もしかしたら我々はとんでもない所に来たのかもしれん」

【なんだよそれ】

『君の考えを話してくれ

予想でもいい』

その時5人が戻ってきた

新たに学者風の2名を引き連れて

基地司令官が問いかける

≪現状は分かった次に聞きたいのは

AS軍誕生と日本軍がいかにして

アジア全体を支配したか聞きたい≫

『20世紀初め欧州は3つの連合国に分かれ戦争を始めた

ロシアとドイツそしてフランス

イギリスは王家の繋がりでドイツ側についたが

ドイツはナポレオン同様ロシアの冬将軍が原因で敗北

撤退するドイツ軍を追撃するロシア軍が

同じくフランス軍がドイツ領内に侵攻

ロシア軍とフランス軍はベルリン付近で対峙

戦後処理の話し合いでドイツは南北で分断され

欧州は北部をロシア連邦

南部をフランスが中心となり欧州連合が占領した

だがその後

ロシア連邦はどちらの陣営にも参加しない北欧や

バルト3国などを巧みな軍事外交で取り込み

勢力を伸ばしていった

フランスは陣営の数を増やすべく奔走するが

スペインは中立を宣言

イギリスとは敗北したドイツの同盟国として

戦後賠償を要求していたが

イギリスはそれを拒否

フランスは戦後賠償を免除する代わりに

欧州連合軍への参加を極秘に打診したが

その極秘交渉を新聞社が嗅ぎつけ

イギリス賠償免除でフランスに降伏との見出しで

大々的に発表されイギリス国民の

プライドを傷つける結果になり

イギリスの欧州軍への参加は無くなり

フランス側も

面目を保つ為に欧州連合から

イギリスへの物資供給を禁止した

苦境に立ったイギリスは

ロシア連邦との輸入交渉を行うが

条件としてロシア連邦入りを求められたが

イギリスは断固拒否

欧州から四面楚歌のイギリスにアメリカが手を差し伸べた

それに対してロシア連邦と欧州軍は

自分達の援助を無視したアメリカに対し経済機制裁を加えた

それに対し異を唱えた

カナダ・ニュージーランド・オーストラリアも同じく

経済制裁が加えられた

この当時アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの全軍を合わせた軍事力は

イギリスの軍事力の半数にも満たず

欧州連合にもロシア連邦にも軽く見られていた

この時からイギリス・アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの5か国は

軍事・外交・情報部は協定を結びアングロ・サクソン軍

通称AS軍を結成した』

≪その後ロシア連邦と欧州連合は?≫

『現在ロシア連邦は存在しません

欧州連合は植民地を失い経済は低迷

同時に軍事力は無いに等しい状態です』

≪世界を二分していた勢力が

どうしてそんな事に≫

3人は顔を見合わせ

【あなた方日本軍と我々AS軍が協力して

がロシア連邦と欧州軍を崩壊させのではないですか?】

司令官達は驚きの反応をを示すが

≪具体的にどの様な手段で?≫

そう問い掛ける司令官の迫力に

【話は20世紀の初め日本とロシアが

大陸への覇権をめぐって初めて戦った

日露戦争まで遡ります

日本は艦隊決戦には勝利しましたが

大陸での戦闘に負け大陸に派遣された軍は降伏

多くの将兵がシベリアに送られ

強制労働で半数の者が亡くなり

戦争自体はアメリカの仲介で講和が成立したが

講和の条件として樺太と千島列島を

ロシアに明け渡した】

そこまで聞くと基地司令官とアメリカ軍司令官は

小声で何かを話し始めた

基地司令官は

≪話が長くなったこの辺で

休憩を取ろう

食事を用意しよう≫

3人は食事をとりながら

『彼らは何故歴史の授業の様な

退屈な話をあんなに

真剣に聞きたがるんだ?』

【分からんこの豪華な食事

どう見ても捕虜の扱いとは思えん】

「あいつ等俺の知っている日本軍と違う」

『何か思い当たる事が在るのか?』

「いやさすがにバカげている

話すほどの事じゃない」

食事が終わり再び尋問が始まる

基地司令官は

≪そんな状態で日本がどうやって

ユーラシア大陸の半分を支配する事が出来たのか?≫

「日本がロシアとの戦いで敗北した後

ロシアは中国全土に侵攻し

最新装備のロシア軍は未だ旧式の装備の

中国軍を蹂躙

物資を浪費して足手まといとして

降伏した中国人は事如く処刑され

わずか数年で占領

占領後住民全てをロシア内陸部に強制労働者として

占領地の住民を家族ごと移動させた

余りにも劣悪な環境に強引に移動計画させられ住民の半数が亡くなる

無人となった中国にロシア連邦の住民が移住

ロシア連邦は欧州の半分とインド国境までのアジアの半数を占領した

文字通り世界一の大国が誕生した

巨大な飛行機が太平洋を飛行していた

その形は胴体を横に二つ並べた奇妙な形をしていた

そしてその機体にはアイズ連邦軍と書かれていた

『メーデーメーデー

こちらエア・マザー第303号機

ホノルル管制塔どうぞ

ダメだ何回送信しても返事が無い』

【不味いぞエンジンの出力が回復しない墜落するぞ

GPSの受信は回復したか?】

「回復出来ない」

【原因は何だ?故障か?】

「計器類は正常だ・まるで・・・」

【まるで何だと言うんだ】

「まるでGPS衛星が全部消えたとしか思えない

管制塔からのレーダー波も受信出来ない」

【バカ言うな・そんな事起きるかよ】

『いや・あり得る

戦争が始まればまず潰すべきは

GPS衛星とレーダー基地だ』

3人は沈黙する

窓の外に閃光が走る

サングラスを掛けていない3人は思わず目をつぶる

目を開けると遥か彼方に

飛行場が見えた

『やったぞ助かった』

【燃料は足りるのか?】

「ギリギリだが何とかする」

『管制塔からの返信は無いがやるしかない』

滑走路上に障害物となる飛行機が居ない事を祈り

滑走路に侵入する

残りの燃料で逆噴射をして要約機体は

滑走路上で停止していた機体の手前で停止した

3人は非常口から出て地上に降り立つが

目の前の機体から出て来た兵士達に取り囲まれる

<お前達の所属と階級を言え>

指揮官らしき者が出て来た機体には

AS連邦軍のマークではなく

すでに廃止された

旧アメリカ軍の星条旗が描かれていた

3人は互いの顔を見合わせ

『ここは何処ですかあなた達は何処の軍隊ですか?』

イラっとした指揮官は高圧的な態度で

<聞いているのはこちらだ

此処は太平洋硫黄島だアメリカ軍を知らんのか?>

3人は小声で話す

『硫黄島は日本軍の拠点だぞ』

【アメリカ軍は解体されて

今は他の4か国と混成部隊になりAS軍に成っている

少なくとも星条旗を使っている部隊は無い筈だ】

<おい何を話している答えろ>

「我々はAS宇宙軍の者だ」

<AS軍?初めて聞くな>

『アングロ・サクソン軍が正式名称だ

イギリス・アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの

5国の軍を統合して出来た』

指揮官は呆れた顔で

<一体どこの軍隊と戦うために作られたと言うんだ?>

≪その話興味深いな≫

米軍の指揮官の後ろから

東洋人らしき男が話し掛ける

<司令官!

当基地の司令官である敬礼>

アメリカ軍を名乗る男達が一斉に敬礼をする

これまで高圧的な態度の指揮官がうその様に

従順な男がいた

やはり基地司令官と名乗るこの男が此処の責任者か

3人はそう理解したが

ただ

基地司令官の制服が3人の知る限り

見たことが無いもので

戸惑いを隠せなかった

≪彼らは疲れている様だ

応接室でお話を伺う事にしよう≫

3人は軍用車に載せられるが

車体に日の丸が描かれていた

3人は改めてここが日本軍の基地だと再確認した

取調室かと思ったそこは

来客用の応接室

コーヒーを出され3人はますます戸惑う

その場には

基地司令官他2名と

アメリカ軍と名乗る将校2名

他のMP2名が居た

重苦しい空気が流れ基地司令官が話し始める

《先ほど大まかなAS軍については伺ったが

君たちに対抗する勢力について聞きたい》

『軍事機密については話せない』

≪当然だが今聞きたいのは

民間人なら誰でも知っている事でいい

軍事機密漏洩罪には問われないと思う

話してくれないかな?≫

3人は顔を合わせ仕方がない様子で話し始める

『我々AS軍は現在日本連邦軍と戦争前夜の状態だ』

≪日本一国で元アメリカ・イギリス・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの

軍事視力と戦えると?≫

『日本はシベリアから中国全土東南アジア全域を支配している

正規軍だけでも1000万を超える

それにAS軍にはないロケット技術を開発して

ロケットで人工衛星を打ち上げ

有人飛行にも成功し宇宙基地を作り

月面開発を始めついに我々と対立

欧州で和平会議が行われたが決裂

戦争は時間の問題だ』

≪何故月の開発で核戦争を起こすのかね?≫

『何を言っている

君達日本軍がこれまで

小型化が不可能で

航空機や軍艦にも積載出来ず

実戦では役に立たない

核爆弾を月面で採掘した新元素で

小型化に成功させ

ロケットに積み込み

実戦配備をしたからだろう』

その場に居た日本軍と米軍関係者の表情は凍り付いていた

一旦休憩がとられた

5名は退席した

MP2名を残し

3人は小声で話す

『あいつ等の顔見たか?』

【ああ

何か信じられない話を聞いた時の顔だな】

「あれは何も知らない様に見えた

何かおかしいぞ

ここは慎重に答えた方がいい

もしかしたら我々はとんでもない所に来たのかもしれん」

【なんだよそれ】

『君の考えを話してくれ

予想でもいい』

その時5人が戻ってきた

新たに学者風の2名を引き連れて

基地司令官が問いかける

≪現状は分かった次に聞きたいのは

AS軍誕生と日本軍がいかにして

アジア全体を支配したか聞きたい≫

『20世紀初め欧州は3つの連合国に分かれ戦争を始めた

ロシアとドイツそしてフランス

イギリスは王家の繋がりでドイツ側についたが

ドイツはナポレオン同様ロシアの冬将軍が原因で敗北

撤退するドイツ軍を追撃するロシア軍が

同じくフランス軍がドイツ領内に侵攻

ロシア軍とフランス軍はベルリン付近で対峙

戦後処理の話し合いでドイツは南北で分断され

欧州は北部をロシア連邦

南部をフランスが中心となり欧州連合が占領した

だがその後

ロシア連邦はどちらの陣営にも参加しない北欧や

バルト3国などを巧みな軍事外交で取り込み

勢力を伸ばしていった

フランスは陣営の数を増やすべく奔走するが

スペインは中立を宣言

イギリスとは敗北したドイツの同盟国として

戦後賠償を要求していたが

イギリスはそれを拒否

フランスは戦後賠償を免除する代わりに

欧州連合軍への参加を極秘に打診したが

その極秘交渉を新聞社が嗅ぎつけ

イギリス賠償免除でフランスに降伏との見出しで

大々的に発表されイギリス国民の

プライドを傷つける結果になり

イギリスの欧州軍への参加は無くなり

フランス側も

面目を保つ為に欧州連合から

イギリスへの物資供給を禁止した

苦境に立ったイギリスは

ロシア連邦との輸入交渉を行うが

条件としてロシア連邦入りを求められたが

イギリスは断固拒否

欧州から四面楚歌のイギリスにアメリカが手を差し伸べた

それに対してロシア連邦と欧州軍は

自分達の援助を無視したアメリカに対し経済機制裁を加えた

それに対し異を唱えた

カナダ・ニュージーランド・オーストラリアも同じく

経済制裁が加えられた

それだけでなく

ロシアはアメリカに720万ドルで売却した

アメリカ領アラスカを買い戻すと宣言

アメリカはこれを拒否

ロシアは軍をアラスカに進行

アラスカ方面のアメリカ軍は住民を強制労働から守る為に

住民がアラスカから脱出するまで戦い続け

戦闘終了後降伏した時

アメリカ軍の将兵は100人を切っていた

だがロシア軍の手でその全てが処刑された

その後ロシアからアメリカに支払われた

アラスカを買い戻した代金はわずか1ドル

アメリカはロシアに対し深い遺恨を残した

この当時アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの全軍を合わせた軍事力は

イギリスの軍事力を合わせてもロシア軍の5分の1に過ぎず

欧州連合にもロシア連邦にも軽く見られていた

この時からイギリス・アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの5か国は

軍事・外交・情報部は協定を結びアングロ・サクソン軍

通称AS軍を結成しロシア軍への復讐を誓う』

≪その後ロシア連邦と欧州連合は?≫

『現在ロシア連邦は存在しません

欧州連合は植民地を失い経済は低迷

同時に軍事力は無いに等しい状態です』

≪世界を二分していた勢力が

どうしてそんな事に≫

3人は顔を見合わせ

【あなた方日本軍と我々AS軍が協力して

がロシア連邦と欧州軍を崩壊させのではないですか?】

司令官達は驚きの反応をを示すが

≪具体的にどの様な手段で?≫

そう問い掛ける司令官の迫力に

【話は20世紀の初め日本とロシアが

大陸への覇権をめぐって初めて戦った

日露戦争まで遡ります

日本は艦隊決戦には勝利しましたが

大陸での戦闘に負け大陸に派遣された軍は降伏

多くの将兵がシベリアに送られ

強制労働で半数の者が亡くなり

戦争自体はアメリカの仲介で講和が成立したが

講和の条件として樺太と千島列島を

ロシアに明け渡した】

そこまで聞くと基地司令官とアメリカ軍司令官は

小声で何かを話し始めた

基地司令官は

≪話が長くなったこの辺で

休憩を取ろう

食事を用意しよう≫

3人は食事をとりながら

『彼らは何故歴史の授業の様な

退屈な話をあんなに

真剣に聞きたがるんだ?』

【分からんこの豪華な食事

どう見ても捕虜の扱いとは思えん】

「あいつ等俺の知っている日本軍と違う」

『何か思い当たる事が在るのか?』

「いやさすがにバカげている

話すほどの事じゃない」

食事が終わり再び尋問が始まる

基地司令官は

≪そんな状態で日本がどうやって

ユーラシア大陸の半分を支配する事が出来たのか?≫

「日本がロシアとの戦いで敗北した後

ロシアは中国全土に侵攻し

最新装備のロシア軍は未だ旧式の装備の

中国軍を蹂躙

物資を浪費して足手まといとして

降伏した中国人は事如く処刑され

わずか数年で占領

占領後住民全てをロシア内陸部に強制労働者として

占領地の住民を家族ごと移動させた

余りにも劣悪な環境に強引に移動計画させられ住民の半数が亡くなる

無人となった中国にロシア連邦の住民が移住

ロシア連邦は欧州の半分とインド国境までのアジアの半数を占領した

文字通り世界一の超大国が誕生した

日本との戦力差は10対1に広がり

明日にも日本に侵攻すると思われたが

欧州方面で

ロシア・ドイツ・フランスの3大勢力の対立が起き

日本を相手にする余裕が無くなり

日本はロシアの侵攻から逃れた

同時に日本はロシアとの講和の仲介者の

アメリカを協力を求め

再びロシア軍と戦う日まで

国力と軍事力を増強と

決してロシアを刺激しない様に

卑屈とも言える外交に耐え続けた

欧州の戦いはドイツ・イギリス連合軍が敗北して

イギリスは孤立しやがて

アラスカの悲劇を経験し

アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアと

アングロ・サクソン軍通称AS軍を設立

その間欧州では全ての国が

フランス率いる欧州連合と

ロシア軍が率いるロシア連邦に分かれ対立が激化

スペインがロシア軍の一員になり

劣勢に立った欧州連合軍は

日本とAS軍に対し秘密裏に接触

AS軍と日本に対し欧州連合軍と共同で

ロシア軍と戦い

勝利の暁には

AS軍に対して

アラスカの返還とモスクワ以北のロシア領の半分と

日本に対しては樺太と千島列島と

中国全土とシベリアまでのロシア領半分を譲渡する事を約束

この情報はスパイによりロシア海軍にもたらされたが

同時にロシア陸軍には日本とASの動きは

欧州連合による陰謀で

ロシア軍の戦力を3か所に分け

欧州方面軍の戦力を低下させる事が目的との情報が入り

対日本・AS方面の守備隊は増強される事無かった

この時欧州連合軍に対しロシア軍の戦力は2倍の開きが有るが

欧州軍は植民地のすべての守備隊を欧州に集めたのに対し

ロシア軍は本国を守る

対欧州方面軍は全軍の3割に過ぎず

残りは占領地域に広く散らばっていた

開戦前夜欧州方面の欧州連合軍の戦力は対欧州のロシア方面軍との

戦力差は3対1となり欧州連合は4月1日

日本軍とAS軍と同時にロシア軍に対し宣戦を布告する」

当初ロシア軍は圧倒的戦力差を使い

一気に欧州連合軍を撃破して

返す手で日本軍AS軍を撃破し

全世界を制覇し様と考え

アラスカ方面軍と中国方面軍を

欧州戦線に終結させる事無く

海軍や空軍が

AS軍や日本軍の基地を攻撃すべきと進言したが

欧州連合軍・AS軍・日本軍を倒した後

南北アメリア・アフリカ方面への侵攻に対して

ここで消耗しては後々支障が出ると

出撃を禁じていた

その為ロシア軍は3割の戦力で欧州連合軍と戦った

それでも最新鋭の兵器を有するロシア軍は

当初互角に戦っていたが消耗戦に入り

次第に数の劣勢に気が付き

各地に分散していた軍を集めようとしたが

すでにAS軍と日本軍により交通網を破壊され

地方軍の移動は困難を極めた

残されたのは海路による

兵員の輸送だが

この事態を予期していたロシア海軍は開戦時

AS海軍と日本海軍に対して

戦闘準備に入っていたが

ロシア連合軍司令部は

艦隊を港から出る事を許さず

ロシア海軍基地に止め置いた

そこをAS軍と日本軍は航空機で攻撃

ロシア海軍は港で全滅した

同時にロシア領の海岸線の

レーダーと航空基地を空襲で失い

AS軍と日本軍は上陸に成功

まず最初に交通網を破壊

広大なユーラシア大陸に分散する

ロシア軍は電波妨害で

互いに協力する事が出来ず

撃破され壊滅し

AS軍と日本軍の攻撃により

支援が来ないと判断した

ロシア連邦軍は連邦の首都モスクワの守備隊は

最後の頼みの地方の軍も海軍も空軍も失い

欧州連合軍に全面降伏した

だが戦後処理でAS軍と日本軍に対しての約束を反故にした

当初はAS軍日本軍に対し約束を守る様に見えたが

AS軍に対して

アラスカを返還する前に降伏した駐留ロシア軍の兵器と兵員と

軍事機密を回収する為に3か月の猶予を欧州連合からの申し出を

承知したAS軍だが半年1年と延長された後

3年後返還されたアラスカは軍関係以外の

大半の地下資源や森林資源が盗り尽くされ

残された大地は森林を失い山崩れで

河川に土砂が流れ込み

洪水を起こし海に流れ海岸に堆積海藻は全滅

魚が育つ場所が無くなり漁業は不可能になり

アラスカはその価値を失う

そして約束されたモスクワ以北のシベリアを占領する

日本軍と国境を接する地域までを受け取るが

戦争により破壊された線路や橋道路を再建して

居住可能な施設を作り街や工場が出来た1年後になり

突如欧州軍からAS軍は住民を含め本国への撤退を求められた

欧州軍は初めからAS軍に再建をやらせて

取り上げるつもりでいた

その事に憤慨するも

軍事力の差はどう仕様もなかった

それは日本軍も同じだった

欧州軍はシベリアからインド国境までの

広大な地域を渡してくれたが

樺太や千島列島は3年後とされた

日本軍は

戦後中国に移住していたロシア人をロシア連邦内で強制労働にある

中国から強制移住させていた者を中国の故郷に返すと宣言

故郷へと帰れると歓喜する中国人

中国に戻った中国人に日本は

3つの事を求めた

軍事・外交・情報部は協和国連邦に所属する事

内政・経済は責任を持ち独自に行う

裁判は連邦裁判所が完全に独立し

判決には日本本国でも覆す事は出来ない

日本軍人が中国人に被害を及ぼし

逮捕され裁判で死刑判決が出たが

恩赦を求める上官の意見書を却下

公開処刑が行われた

この処置は中国人に受け入れられ

前線で緩みがちの日本軍の綱紀粛正となる

中国からロシアに戻された

ロシア人はそのまま強制労働が待っていると恐怖したが

一部の技術者が強制労働現場で働いている

中国人技術者との引継ぎを除き

欧州軍占領下と日本軍占領下の故郷に返された

ロシア人は強制労働へと追いやられると覚悟したが

日本政府はロシアのやり方と違い

強制労働ではなく

敗戦により物資が不足したロシア国内で

栄養失調で死んで行く中

労働はきついが

1日8時間3交代制の労働を条件に

十二分な物資食糧住居を提供を約束し

入植者を募集した

当初金も家族もなく植えていた者達が

仕方なく移住した先で

信じられない程の厚遇で

噂になり次々と入植者が増えていく

しかし3年後

欧州軍にAS軍と同じ様に

約束を反故にされ

樺太も千島列島もボロボロにされ還って来た

旧中国大陸地域は

採掘出来る資源はほぼ取り尽くされ

すでに価値無しと欧州連合は

日本軍に対して中国は明け渡すので

シベリアを含む旧ロシアからの撤退を求めた

日本軍は欧州軍の圧力に屈し

シベリアなどの旧ロシア領を返し

中国までの日本軍の撤退を発表すると

日本に先立ちAS軍から返還された

欧州軍占領下のロシアでは

ロシア時代と同じやり方でロシア人が

次々と強制労働現場に送られていると

日本側に脱出して来たロシア人から知らされ

それを知った日本から欧州軍占領下のロシアに戻る筈の

ロシア人は欧州軍政下に残る事を拒否

日本軍と共に中国大陸に付いて来た

だが問題は3年前まで中国人を圧制していた事実

中国人との軋轢を避ける為に入植は認めず

完全分離を進め

日本政府は日本軍への志願を条件に

日本軍占領下に残ることを許可した

志願兵は後に日本軍外人部隊の基礎と成った

この戦いでAS軍と日本軍は利用され

欧州軍は旧ロシア軍の領土と

ASのアラスカと日本の樺太と千島列島の資源を手に入れた

東南アジアとアフリカ・中東の資源を独占

南アメリカ・中南米を経済的に支配し

もはや地球の支配者と言って過言ではなかった

AS軍や日本軍などもはや敵では無かった

その中で自分達の国を失い過酷な環境で生きる同胞の姿を見て育った

ロシアの次世代の若者達は現状を打破する為に

AS軍・日本軍に志願

その中でも海兵隊・特殊部隊・空挺部隊など

最も厳しい部隊へと志願

またある者は外交官・情報部員・政治家

それらを支える経済力を持たせる

大企業を立ち上げ経済を発展させた

そして今まで欧州軍が独占していた

最新鋭の技術開発を推し進めた

そして武器を使った戦いと同時に

経済力を使った戦争を始めた

それは欧州連合最大の富を生む源泉であり

最大の弱点であるアフリカ・東南アジア・中東の植民地の

住民を極秘裏に訓練し武器や資金全を渡して独立させる事

独立阻止の為の軍隊を派遣するが

ゲリラ戦術で戦争は泥沼化し

若者たちは兵役を拒否

それだけでなく旧ロシアの占領地での非人道的扱いを

旧ロシアの時代の出来事で終わっていたとされたが

今も続けて行われていた事や

欧州連合の植民地でも行われていた事が判明

対ロシア戦争を解放戦争と自国民に教育していた事が

全てでたらめと判明

同時にASのアラスカや日本の樺太や千島列島での

環境破壊さえも白日の下に晒された

欧州連合の国民は政権ににノーを付き付け

それまで圧倒的多数の支持を集めていた

政権与党は議席数30パーセント以下の政党に転落

半数を占める政党が居なくなり大混乱

もはや国を纏める者は居なくなり

植民地の独立阻止処ではなくなり

派遣されていた軍は全て撤退

植民地からの収入は無くなる

それにより欧州連合の財源の半分を失うが

それだけでは済まなかった

それまで独立阻止に派遣していた軍事費が

国家予算程になり財政は破綻

財源確保の為に国債の大量発行と

通貨を大量に発行したが

数年後経済破綻

欧州連合傘下の大企業は

苦境に立つ

そこに欧州連合下の大企業に

AS・日本・ロシア系企業が

ホワイト・ナイトとして

手を差し伸べ

再建を約束したが

その実多くの技術と特許を奪うと

捨て去った

結果欧州連合は崩壊

経済力は10の1以下に

軍事力は100分の1になる

欧州連合はもはや過去のものと成った

だがその時まで共通の敵を失い

ロシア連邦や欧州連合と同じ様に対立し破滅する

負の歴史を繰り返す事を互いに避けていたが

宇宙開発の時代を迎えASと日本は共同で

親子宇宙船の開発が始まり

1機の巨大な飛行機が太平洋を飛行していた

その形は胴体を横に二つ並べた奇妙な形をしていた

そしてその機体にはアイズ連邦軍と書かれていた

『メーデーメーデー

こちらエア・マザー第303号機

ホノルル管制塔どうぞ

ダメだ何回送信しても返事が無い』

【不味いぞエンジンの出力が回復しない墜落するぞ

GPSの受信は回復したか?】

「回復出来ない」

【原因は何だ?故障か?】

「計器類は正常だ・まるで・・・」

【まるで何だと言うんだ】

「まるでGPS衛星が全部消えたとしか思えない

管制塔からのレーダー波も受信出来ない」

【バカ言うな・そんな事起きるかよ】

『いや・あり得る

戦争が始まればまず潰すべきは

GPS衛星とレーダー基地だ』

3人は沈黙する

窓の外に閃光が走る

サングラスを掛けていない3人は思わず目をつぶる

目を開けると遥か彼方に

飛行場が見えた

『やったぞ助かった』

【燃料は足りるのか?】

「ギリギリだが何とかする」

『管制塔からの返信は無いがやるしかない』

滑走路上に障害物となる飛行機が居ない事を祈り

滑走路に侵入する

残りの燃料で逆噴射をして要約機体は

滑走路上で停止していた機体の手前で停止した

3人は非常口から出て地上に降り立つが

目の前の機体から出て来た兵士達に取り囲まれる

<お前達の所属と階級を言え>

指揮官らしき者が出て来た機体には

AS連邦軍のマークではなく

すでに廃止された

旧アメリカ軍の星条旗が描かれていた

3人は互いの顔を見合わせ

『ここは何処ですかあなた達は何処の軍隊ですか?』

イラっとした指揮官は高圧的な態度で

<聞いているのはこちらだ

此処は太平洋硫黄島だアメリカ軍を知らんのか?>

3人は小声で話す

『硫黄島は日本軍の拠点だぞ』

【アメリカ軍は解体されて

今は他の4か国と混成部隊になりAS軍に成っている

少なくとも星条旗を使っている部隊は無い筈だ】

<おい何を話している答えろ>

「我々はAS宇宙軍の者だ」

<AS軍?初めて聞くな>

『アングロ・サクソン軍が正式名称だ

イギリス・アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの

5国の軍を統合して出来た』

指揮官は呆れた顔で

<一体どこの軍隊と戦うために作られたと言うんだ?>

≪その話興味深いな≫

米軍の指揮官の後ろから

東洋人らしき男が話し掛ける

<司令官!

当基地の司令官である敬礼>

アメリカ軍を名乗る男達が一斉に敬礼をする

これまで高圧的な態度の指揮官がうその様に

従順な男がいた

やはり基地司令官と名乗るこの男が此処の責任者か

3人はそう理解したが

ただ

基地司令官の制服が3人の知る限り

見たことが無いもので

戸惑いを隠せなかった

≪彼らは疲れている様だ

応接室でお話を伺う事にしよう≫

3人は軍用車に載せられるが

車体に日の丸が描かれていた

3人は改めてここが日本軍の基地だと再確認した

取調室かと思ったそこは

来客用の応接室

コーヒーを出され3人はますます戸惑う

その場には

基地司令官他2名と

アメリカ軍と名乗る将校2名

他のMP2名が居た

重苦しい空気が流れ基地司令官が話し始める

《先ほど大まかなAS軍については伺ったが

君たちに対抗する勢力について聞きたい》

『軍事機密については話せない』

≪当然だが今聞きたいのは

民間人なら誰でも知っている事でいい

軍事機密漏洩罪には問われないと思う

話してくれないかな?≫

3人は顔を合わせ仕方がない様子で話し始める

『我々AS軍は現在日本連邦軍と戦争前夜の状態だ』

≪日本一国で元アメリカ・イギリス・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの

軍事視力と戦えると?≫

『日本はシベリアから中国全土東南アジア全域を支配している

正規軍だけでも1000万を超える

それにAS軍にはないロケット技術を開発して

ロケットで人工衛星を打ち上げ

有人飛行にも成功し宇宙基地を作り

月面開発を始めついに我々と対立

欧州で和平会議が行われたが決裂

戦争は時間の問題だ』

≪何故月の開発で核戦争を起こすのかね?≫

『何を言っている

君達日本軍がこれまで

小型化が不可能で

航空機や軍艦にも積載出来ず

実戦では役に立たない

核爆弾を月面で採掘した新元素で

小型化に成功させ

ロケットに積み込み

実戦配備をしたからだろう』

その場に居た日本軍と米軍関係者の表情は凍り付いていた

一旦休憩がとられた

5名は退席した

MP2名を残し

3人は小声で話す

『あいつ等の顔見たか?』

【ああ

何か信じられない話を聞いた時の顔だな】

「あれは何も知らない様に見えた

何かおかしいぞ

ここは慎重に答えた方がいい

もしかしたら我々はとんでもない所に来たのかもしれん」

【なんだよそれ】

『君の考えを話してくれ

予想でもいい』

その時5人が戻ってきた

新たに学者風の2名を引き連れて

基地司令官が問いかける

≪現状は分かった次に聞きたいのは

AS軍誕生と日本軍がいかにして

アジア全体を支配したか聞きたい≫

『20世紀初め欧州は3つの連合国に分かれ戦争を始めた

ロシアとドイツそしてフランス

イギリスは王家の繋がりでドイツ側についたが

ドイツはナポレオン同様ロシアの冬将軍が原因で敗北

撤退するドイツ軍を追撃するロシア軍が

同じくフランス軍がドイツ領内に侵攻

ロシア軍とフランス軍はベルリン付近で対峙

戦後処理の話し合いでドイツは南北で分断され

欧州は北部をロシア連邦

南部をフランスが中心となり欧州連合が占領した

だがその後

ロシア連邦はどちらの陣営にも参加しない北欧や

バルト3国などを巧みな軍事外交で取り込み

勢力を伸ばしていった

フランスは陣営の数を増やすべく奔走するが

スペインは中立を宣言

イギリスとは敗北したドイツの同盟国として

戦後賠償を要求していたが

イギリスはそれを拒否

フランスは戦後賠償を免除する代わりに

欧州連合軍への参加を極秘に打診したが

その極秘交渉を新聞社が嗅ぎつけ

イギリス賠償免除でフランスに降伏との見出しで

大々的に発表されイギリス国民の

プライドを傷つける結果になり

イギリスの欧州軍への参加は無くなり

フランス側も

面目を保つ為に欧州連合から

イギリスへの物資供給を禁止した

苦境に立ったイギリスは

ロシア連邦との輸入交渉を行うが

条件としてロシア連邦入りを求められたが

イギリスは断固拒否

欧州から四面楚歌のイギリスにアメリカが手を差し伸べた

それに対してロシア連邦と欧州軍は

自分達の援助を無視したアメリカに対し経済機制裁を加えた

それに対し異を唱えた

カナダ・ニュージーランド・オーストラリアも同じく

経済制裁が加えられた

この当時アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの全軍を合わせた軍事力は

イギリスの軍事力の半数にも満たず

欧州連合にもロシア連邦にも軽く見られていた

この時からイギリス・アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの5か国は

軍事・外交・情報部は協定を結びアングロ・サクソン軍

通称AS軍を結成した』

≪その後ロシア連邦と欧州連合は?≫

『現在ロシア連邦は存在しません

欧州連合は植民地を失い経済は低迷

同時に軍事力は無いに等しい状態です』

≪世界を二分していた勢力が

どうしてそんな事に≫

3人は顔を見合わせ

【あなた方日本軍と我々AS軍が協力して

がロシア連邦と欧州軍を崩壊させのではないですか?】

司令官達は驚きの反応をを示すが

≪具体的にどの様な手段で?≫

そう問い掛ける司令官の迫力に

【話は20世紀の初め日本とロシアが

大陸への覇権をめぐって初めて戦った

日露戦争まで遡ります

日本は艦隊決戦には勝利しましたが

大陸での戦闘に負け大陸に派遣された軍は降伏

多くの将兵がシベリアに送られ

強制労働で半数の者が亡くなり

戦争自体はアメリカの仲介で講和が成立したが

講和の条件として樺太と千島列島を

ロシアに明け渡した】

そこまで聞くと基地司令官とアメリカ軍司令官は

小声で何かを話し始めた

基地司令官は

≪話が長くなったこの辺で

休憩を取ろう

食事を用意しよう≫

3人は食事をとりながら

『彼らは何故歴史の授業の様な

退屈な話をあんなに

真剣に聞きたがるんだ?』

【分からんこの豪華な食事

どう見ても捕虜の扱いとは思えん】

「あいつ等俺の知っている日本軍と違う」

『何か思い当たる事が在るのか?』

「いやさすがにバカげている

話すほどの事じゃない」

食事が終わり再び尋問が始まる

基地司令官は

≪そんな状態で日本がどうやって

ユーラシア大陸の半分を支配する事が出来たのか?≫

「日本がロシアとの戦いで敗北した後

ロシアは中国全土に侵攻し

最新装備のロシア軍は未だ旧式の装備の

中国軍を蹂躙

物資を浪費して足手まといとして

降伏した中国人は事如く処刑され

わずか数年で占領

占領後住民全てをロシア内陸部に強制労働者として

占領地の住民を家族ごと移動させた

余りにも劣悪な環境に強引に移動計画させられ住民の半数が亡くなる

無人となった中国にロシア連邦の住民が移住

ロシア連邦は欧州の半分とインド国境までのアジアの半数を占領した

文字通り世界一の大国が誕生した

巨大な飛行機が太平洋を飛行していた

その形は胴体を横に二つ並べた奇妙な形をしていた

そしてその機体にはアイズ連邦軍と書かれていた

『メーデーメーデー

こちらエア・マザー第303号機

ホノルル管制塔どうぞ

ダメだ何回送信しても返事が無い』

【不味いぞエンジンの出力が回復しない墜落するぞ

GPSの受信は回復したか?】

「回復出来ない」

【原因は何だ?故障か?】

「計器類は正常だ・まるで・・・」

【まるで何だと言うんだ】

「まるでGPS衛星が全部消えたとしか思えない

管制塔からのレーダー波も受信出来ない」

【バカ言うな・そんな事起きるかよ】

『いや・あり得る

戦争が始まればまず潰すべきは

GPS衛星とレーダー基地だ』

3人は沈黙する

窓の外に閃光が走る

サングラスを掛けていない3人は思わず目をつぶる

目を開けると遥か彼方に

飛行場が見えた

『やったぞ助かった』

【燃料は足りるのか?】

「ギリギリだが何とかする」

『管制塔からの返信は無いがやるしかない』

滑走路上に障害物となる飛行機が居ない事を祈り

滑走路に侵入する

残りの燃料で逆噴射をして要約機体は

滑走路上で停止していた機体の手前で停止した

3人は非常口から出て地上に降り立つが

目の前の機体から出て来た兵士達に取り囲まれる

<お前達の所属と階級を言え>

指揮官らしき者が出て来た機体には

AS連邦軍のマークではなく

すでに廃止された

旧アメリカ軍の星条旗が描かれていた

3人は互いの顔を見合わせ

『ここは何処ですかあなた達は何処の軍隊ですか?』

イラっとした指揮官は高圧的な態度で

<聞いているのはこちらだ

此処は太平洋硫黄島だアメリカ軍を知らんのか?>

3人は小声で話す

『硫黄島は日本軍の拠点だぞ』

【アメリカ軍は解体されて

今は他の4か国と混成部隊になりAS軍に成っている

少なくとも星条旗を使っている部隊は無い筈だ】

<おい何を話している答えろ>

「我々はAS宇宙軍の者だ」

<AS軍?初めて聞くな>

『アングロ・サクソン軍が正式名称だ

イギリス・アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの

5国の軍を統合して出来た』

指揮官は呆れた顔で

<一体どこの軍隊と戦うために作られたと言うんだ?>

≪その話興味深いな≫

米軍の指揮官の後ろから

東洋人らしき男が話し掛ける

<司令官!

当基地の司令官である敬礼>

アメリカ軍を名乗る男達が一斉に敬礼をする

これまで高圧的な態度の指揮官がうその様に

従順な男がいた

やはり基地司令官と名乗るこの男が此処の責任者か

3人はそう理解したが

ただ

基地司令官の制服が3人の知る限り

見たことが無いもので

戸惑いを隠せなかった

≪彼らは疲れている様だ

応接室でお話を伺う事にしよう≫

3人は軍用車に載せられるが

車体に日の丸が描かれていた

3人は改めてここが日本軍の基地だと再確認した

取調室かと思ったそこは

来客用の応接室

コーヒーを出され3人はますます戸惑う

その場には

基地司令官他2名と

アメリカ軍と名乗る将校2名

他のMP2名が居た

重苦しい空気が流れ基地司令官が話し始める

《先ほど大まかなAS軍については伺ったが

君たちに対抗する勢力について聞きたい》

『軍事機密については話せない』

≪当然だが今聞きたいのは

民間人なら誰でも知っている事でいい

軍事機密漏洩罪には問われないと思う

話してくれないかな?≫

3人は顔を合わせ仕方がない様子で話し始める

『我々AS軍は現在日本連邦軍と戦争前夜の状態だ』

≪日本一国で元アメリカ・イギリス・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの

軍事視力と戦えると?≫

『日本はシベリアから中国全土東南アジア全域を支配している

正規軍だけでも1000万を超える

それにAS軍にはないロケット技術を開発して

ロケットで人工衛星を打ち上げ

有人飛行にも成功し宇宙基地を作り

月面開発を始めついに我々と対立

欧州で和平会議が行われたが決裂

戦争は時間の問題だ』

≪何故月の開発で核戦争を起こすのかね?≫

『何を言っている

君達日本軍がこれまで

小型化が不可能で

航空機や軍艦にも積載出来ず

実戦では役に立たない

核爆弾を月面で採掘した新元素で

小型化に成功させ

ロケットに積み込み

実戦配備をしたからだろう』

その場に居た日本軍と米軍関係者の表情は凍り付いていた

一旦休憩がとられた

5名は退席した

MP2名を残し

3人は小声で話す

『あいつ等の顔見たか?』

【ああ

何か信じられない話を聞いた時の顔だな】

「あれは何も知らない様に見えた

何かおかしいぞ

ここは慎重に答えた方がいい

もしかしたら我々はとんでもない所に来たのかもしれん」

【なんだよそれ】

『君の考えを話してくれ

予想でもいい』

その時5人が戻ってきた

新たに学者風の2名を引き連れて

基地司令官が問いかける

≪現状は分かった次に聞きたいのは

AS軍誕生と日本軍がいかにして

アジア全体を支配したか聞きたい≫

『20世紀初め欧州は3つの連合国に分かれ戦争を始めた

ロシアとドイツそしてフランス

イギリスは王家の繋がりでドイツ側についたが

ドイツはナポレオン同様ロシアの冬将軍が原因で敗北

撤退するドイツ軍を追撃するロシア軍が

同じくフランス軍がドイツ領内に侵攻

ロシア軍とフランス軍はベルリン付近で対峙

戦後処理の話し合いでドイツは南北で分断され

欧州は北部をロシア連邦

南部をフランスが中心となり欧州連合が占領した

だがその後

ロシア連邦はどちらの陣営にも参加しない北欧や

バルト3国などを巧みな軍事外交で取り込み

勢力を伸ばしていった

フランスは陣営の数を増やすべく奔走するが

スペインは中立を宣言

イギリスとは敗北したドイツの同盟国として

戦後賠償を要求していたが

イギリスはそれを拒否

フランスは戦後賠償を免除する代わりに

欧州連合軍への参加を極秘に打診したが

その極秘交渉を新聞社が嗅ぎつけ

イギリス賠償免除でフランスに降伏との見出しで

大々的に発表されイギリス国民の

プライドを傷つける結果になり

イギリスの欧州軍への参加は無くなり

フランス側も

面目を保つ為に欧州連合から

イギリスへの物資供給を禁止した

苦境に立ったイギリスは

ロシア連邦との輸入交渉を行うが

条件としてロシア連邦入りを求められたが

イギリスは断固拒否

欧州から四面楚歌のイギリスにアメリカが手を差し伸べた

それに対してロシア連邦と欧州軍は

自分達の援助を無視したアメリカに対し経済機制裁を加えた

それに対し異を唱えた

カナダ・ニュージーランド・オーストラリアも同じく

経済制裁が加えられた

それだけでなく

ロシアはアメリカに720万ドルで売却した

アメリカ領アラスカを買い戻すと宣言

アメリカはこれを拒否

ロシアは軍をアラスカに進行

アラスカ方面のアメリカ軍は住民を強制労働から守る為に

住民がアラスカから脱出するまで戦い続け

戦闘終了後降伏した時

アメリカ軍の将兵は100人を切っていた

だがロシア軍の手でその全てが処刑された

その後ロシアからアメリカに支払われた

アラスカを買い戻した代金はわずか1ドル

アメリカはロシアに対し深い遺恨を残した

この当時アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの全軍を合わせた軍事力は

イギリスの軍事力を合わせてもロシア軍の5分の1に過ぎず

欧州連合にもロシア連邦にも軽く見られていた

この時からイギリス・アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの5か国は

軍事・外交・情報部は協定を結びアングロ・サクソン軍

通称AS軍を結成しロシア軍への復讐を誓う』

≪その後ロシア連邦と欧州連合は?≫

『現在ロシア連邦は存在しません

欧州連合は植民地を失い経済は低迷

同時に軍事力は無いに等しい状態です』

≪世界を二分していた勢力が

どうしてそんな事に≫

3人は顔を見合わせ

【あなた方日本軍と我々AS軍が協力して

がロシア連邦と欧州軍を崩壊させのではないですか?】

司令官達は驚きの反応をを示すが

≪具体的にどの様な手段で?≫

そう問い掛ける司令官の迫力に

【話は20世紀の初め日本とロシアが

大陸への覇権をめぐって初めて戦った

日露戦争まで遡ります

日本は艦隊決戦には勝利しましたが

大陸での戦闘に負け大陸に派遣された軍は降伏

多くの将兵がシベリアに送られ

強制労働で半数の者が亡くなり

戦争自体はアメリカの仲介で講和が成立したが

講和の条件として樺太と千島列島を

ロシアに明け渡した】

そこまで聞くと基地司令官とアメリカ軍司令官は

小声で何かを話し始めた

基地司令官は

≪話が長くなったこの辺で

休憩を取ろう

食事を用意しよう≫

3人は食事をとりながら

『彼らは何故歴史の授業の様な

退屈な話をあんなに

真剣に聞きたがるんだ?』

【分からんこの豪華な食事

どう見ても捕虜の扱いとは思えん】

「あいつ等俺の知っている日本軍と違う」

『何か思い当たる事が在るのか?』

「いやさすがにバカげている

話すほどの事じゃない」

食事が終わり再び尋問が始まる

基地司令官は

≪そんな状態で日本がどうやって

ユーラシア大陸の半分を支配する事が出来たのか?≫

「日本がロシアとの戦いで敗北した後

ロシアは中国全土に侵攻し

最新装備のロシア軍は未だ旧式の装備の

中国軍を蹂躙

物資を浪費して足手まといとして

降伏した中国人は事如く処刑され

わずか数年で占領

占領後住民全てをロシア内陸部に強制労働者として

占領地の住民を家族ごと移動させた

余りにも劣悪な環境に強引に移動計画させられ住民の半数が亡くなる

無人となった中国にロシア連邦の住民が移住

ロシア連邦は欧州の半分とインド国境までのアジアの半数を占領した

文字通り世界一の超大国が誕生した

日本との戦力差は10対1に広がり

明日にも日本に侵攻すると思われたが

欧州方面で

ロシア・ドイツ・フランスの3大勢力の対立が起き

日本を相手にする余裕が無くなり

日本はロシアの侵攻から逃れた

同時に日本はロシアとの講和の仲介者の

アメリカを協力を求め

再びロシア軍と戦う日まで

国力と軍事力を増強と

決してロシアを刺激しない様に

卑屈とも言える外交に耐え続けた

欧州の戦いはドイツ・イギリス連合軍が敗北して

イギリスは孤立しやがて

アラスカの悲劇を経験し

アメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアと

アングロ・サクソン軍通称AS軍を設立

その間欧州では全ての国が

フランス率いる欧州連合と

ロシア軍が率いるロシア連邦に分かれ対立が激化

スペインがロシア軍の一員になり

劣勢に立った欧州連合軍は

日本とAS軍に対し秘密裏に接触

AS軍と日本に対し欧州連合軍と共同で

ロシア軍と戦い

勝利の暁には

AS軍に対して

アラスカの返還とモスクワ以北のロシア領の半分と

日本に対しては樺太と千島列島と

中国全土とシベリアまでのロシア領半分を譲渡する事を約束

この情報はスパイによりロシア海軍にもたらされたが

同時にロシア陸軍には日本とASの動きは

欧州連合による陰謀で

ロシア軍の戦力を3か所に分け

欧州方面軍の戦力を低下させる事が目的との情報が入り

対日本・AS方面の守備隊は増強される事無かった

この時欧州連合軍に対しロシア軍の戦力は2倍の開きが有るが

欧州軍は植民地のすべての守備隊を欧州に集めたのに対し

ロシア軍は本国を守る

対欧州方面軍は全軍の3割に過ぎず

残りは占領地域に広く散らばっていた

開戦前夜欧州方面の欧州連合軍の戦力は対欧州のロシア方面軍との

戦力差は3対1となり欧州連合は4月1日

日本軍とAS軍と同時にロシア軍に対し宣戦を布告する」

当初ロシア軍は圧倒的戦力差を使い

一気に欧州連合軍を撃破して

返す手で日本軍AS軍を撃破し

全世界を制覇し様と考え

アラスカ方面軍と中国方面軍を

欧州戦線に終結させる事無く

海軍や空軍が

AS軍や日本軍の基地を攻撃すべきと進言したが

欧州連合軍・AS軍・日本軍を倒した後

南北アメリア・アフリカ方面への侵攻に対して

ここで消耗しては後々支障が出ると

出撃を禁じていた

その為ロシア軍は3割の戦力で欧州連合軍と戦った

それでも最新鋭の兵器を有するロシア軍は

当初互角に戦っていたが消耗戦に入り

次第に数の劣勢に気が付き

各地に分散していた軍を集めようとしたが

すでにAS軍と日本軍により交通網を破壊され

地方軍の移動は困難を極めた

残されたのは海路による

兵員の輸送だが

この事態を予期していたロシア海軍は開戦時

AS海軍と日本海軍に対して

戦闘準備に入っていたが

ロシア連合軍司令部は

艦隊を港から出る事を許さず

ロシア海軍基地に止め置いた

そこをAS軍と日本軍は航空機で攻撃

ロシア海軍は港で全滅した

同時にロシア領の海岸線の

レーダーと航空基地を空襲で失い

AS軍と日本軍は上陸に成功

まず最初に交通網を破壊

広大なユーラシア大陸に分散する

ロシア軍は電波妨害で

互いに協力する事が出来ず

撃破され壊滅し

AS軍と日本軍の攻撃により

支援が来ないと判断した

ロシア連邦軍は連邦の首都モスクワの守備隊は

最後の頼みの地方の軍も海軍も空軍も失い

欧州連合軍に全面降伏した

だが戦後処理でAS軍と日本軍に対しての約束を反故にした

当初はAS軍日本軍に対し約束を守る様に見えたが

AS軍に対して

アラスカを返還する前に降伏した駐留ロシア軍の兵器と兵員と

軍事機密を回収する為に3か月の猶予を欧州連合からの申し出を

承知したAS軍だが半年1年と延長された後

3年後返還されたアラスカは軍関係以外の

大半の地下資源や森林資源が盗り尽くされ

残された大地は森林を失い山崩れで

河川に土砂が流れ込み

洪水を起こし海に流れ海岸に堆積海藻は全滅

魚が育つ場所が無くなり漁業は不可能になり

アラスカはその価値を失う

そして約束されたモスクワ以北のシベリアを占領する

日本軍と国境を接する地域までを受け取るが

戦争により破壊された線路や橋道路を再建して

居住可能な施設を作り街や工場が出来た1年後になり

突如欧州軍からAS軍は住民を含め本国への撤退を求められた

欧州軍は初めからAS軍に再建をやらせて

取り上げるつもりでいた

その事に憤慨するも

軍事力の差はどう仕様もなかった

それは日本軍も同じだった

欧州軍はシベリアからインド国境までの

広大な地域を渡してくれたが

樺太や千島列島は3年後とされた

日本軍は

戦後中国に移住していたロシア人をロシア連邦内で強制労働にある

中国から強制移住させていた者を中国の故郷に返すと宣言

故郷へと帰れると歓喜する中国人

中国に戻った中国人に日本は

3つの事を求めた

軍事・外交・情報部は協和国連邦に所属する事

内政・経済は責任を持ち独自に行う

裁判は連邦裁判所が完全に独立し

判決には日本本国でも覆す事は出来ない

日本軍人が中国人に被害を及ぼし

逮捕され裁判で死刑判決が出たが

恩赦を求める上官の意見書を却下

公開処刑が行われた

この処置は中国人に受け入れられ

前線で緩みがちの日本軍の綱紀粛正となる

中国からロシアに戻された

ロシア人はそのまま強制労働が待っていると恐怖したが

一部の技術者が強制労働現場で働いている

中国人技術者との引継ぎを除き

欧州軍占領下と日本軍占領下の故郷に返された

ロシア人は強制労働へと追いやられると覚悟したが

日本政府はロシアのやり方と違い

強制労働ではなく

敗戦により物資が不足したロシア国内で

栄養失調で死んで行く中

労働はきついが

1日8時間3交代制の労働を条件に

十二分な物資食糧住居を提供を約束し

入植者を募集した

当初金も家族もなく植えていた者達が

仕方なく移住した先で

信じられない程の厚遇で

噂になり次々と入植者が増えていく

しかし3年後

欧州軍にAS軍と同じ様に

約束を反故にされ

樺太も千島列島もボロボロにされ還って来た

旧中国大陸地域は

採掘出来る資源はほぼ取り尽くされ

すでに価値無しと欧州連合は

日本軍に対して中国は明け渡すので

シベリアを含む旧ロシアからの撤退を求めた

日本軍は欧州軍の圧力に屈し

シベリアなどの旧ロシア領を返し

中国までの日本軍の撤退を発表すると

日本に先立ちAS軍から返還された

欧州軍占領下のロシアでは

ロシア時代と同じやり方でロシア人が

次々と強制労働現場に送られていると

日本側に脱出して来たロシア人から知らされ

それを知った日本から欧州軍占領下のロシアに戻る筈の

ロシア人は欧州軍政下に残る事を拒否

日本軍と共に中国大陸に付いて来た

だが問題は3年前まで中国人を圧制していた事実

中国人との軋轢を避ける為に入植は認めず

完全分離を進め

日本政府は日本軍への志願を条件に

日本軍占領下に残ることを許可した

志願兵は後に日本軍外人部隊の基礎と成った

この戦いでAS軍と日本軍は利用され

欧州軍は旧ロシア軍の領土と

ASのアラスカと日本の樺太と千島列島の資源を手に入れた

東南アジアとアフリカ・中東の資源を独占

南アメリカ・中南米を経済的に支配し

もはや地球の支配者と言って過言ではなかった

AS軍や日本軍などもはや敵では無かった

その中で自分達の国を失い過酷な環境で生きる同胞の姿を見て育った

ロシアの次世代の若者達は現状を打破する為に

AS軍・日本軍に志願

その中でも海兵隊・特殊部隊・空挺部隊など

最も厳しい部隊へと志願

またある者は外交官・情報部員・政治家

それらを支える経済力を持たせる

大企業を立ち上げ経済を発展させた

そして今まで欧州軍が独占していた

最新鋭の技術開発を推し進めた

そして武器を使った戦いと同時に

経済力を使った戦争を始めた

それは欧州連合最大の富を生む源泉であり

最大の弱点であるアフリカ・東南アジア・中東の植民地の

住民を極秘裏に訓練し武器や資金全を渡して独立させる事

独立阻止の為の軍隊を派遣するが

ゲリラ戦術で戦争は泥沼化し

若者たちは兵役を拒否

それだけでなく旧ロシアの占領地での非人道的扱いを

旧ロシアの時代の出来事で終わっていたとされたが

今も続けて行われていた事や

欧州連合の植民地でも行われていた事が判明

対ロシア戦争を解放戦争と自国民に教育していた事が

全てでたらめと判明

同時にASのアラスカや日本の樺太や千島列島での

環境破壊さえも白日の下に晒された

欧州連合の国民は政権ににノーを付き付け

それまで圧倒的多数の支持を集めていた

政権与党は議席数30パーセント以下の政党に転落

半数を占める政党が居なくなり大混乱

もはや国を纏める者は居なくなり

植民地の独立阻止処ではなくなり

派遣されていた軍は全て撤退

植民地からの収入は無くなる

それにより欧州連合の財源の半分を失うが

それだけでは済まなかった

それまで独立阻止に派遣していた軍事費が

国家予算程になり財政は破綻

財源確保の為に国債の大量発行と

通貨を大量に発行したが

数年後経済破綻

欧州連合傘下の大企業は

苦境に立つ

そこに欧州連合下の大企業に

AS・日本・ロシア系企業が

ホワイト・ナイトとして

手を差し伸べ

再建を約束したが

その実多くの技術と特許を奪うと

捨て去った

結果欧州連合は崩壊

経済力は10の1以下に

軍事力は100分の1になる

欧州連合はもはや過去のものと成った

だがその時まで共通の敵を失い

ロシア連邦や欧州連合と同じ様に対立し破滅する

負の歴史を繰り返す事を互いに避けていたが

宇宙開発の時代を迎えASと日本は共同で

親子宇宙船の開発が始まり

宇宙ステーションの開発までは

問題なく過ぎたが

月面着陸で

小型核兵器に必要な物質が発見されてから

AS軍と日本軍との関係がおかしくなり

間もなく初めて核兵器を使った戦争が

始まろうとしている

そして我々は

親子宇宙船を空中空母に改造した

この機体でホノルルに向かっていたが

コースを間違え

この硫黄島基地に着陸して拘束された」

そこまで聞いていた基地司令官は

≪親子宇宙船について聞きたい≫

『横に胴体を2列或いは

縦2段・横2列に繋げた胴体に

シャトルを乗せて

大気圏ぎりぎりの所で

シャトルを切り離して

宇宙空間に送り出し

またシャトルが地球に帰るときは

シャトルが迎えに来る

それにより大量のシャトルを使い

最初の飛行から僅か5年で宇宙基地を

さらに5年で月面着陸に成功した』

≪君たちは本当にロケットを使わないのか?≫

【初期の頃には実験されたが

1回ごとに使い捨てにするシステムでは

コストが掛かり過ぎ

実験中に都市に落下して

大惨事を起こして中止になったが

どうしてそんな当たり前の事を聞くんですか?

アメリカ軍指揮官・・・】

<それは・・・>

「貴方は自分達の事を

アメリカ軍と名乗った

だがアメリカ軍は何十年も前に

AS軍に統合され今は存在しない

そして何より敵国である日本軍とこうして同席している

その日本軍の制服は私が知る物とはまるで違う

そしてこうも事細かく

我々が知る日本軍の歴史を訪ねる

これは私の感ですが・・・

ここは私たちと違う歴史を歩んだ

並行世界ですね?」

沈黙が流れ基地司令官は口を開く

≪その通りです

何れ分かる事です

お話ししましょう

貴方達の世界と違いこちらの歴史では

日露戦争で日本は陸上戦でも負けず

そこから世界の歴史は大きく変わる

白人国家の敗北で植民地の独立運動が始まり

欧州では1度は敗北したドイツが欧州を占領

同時に欧州の東南アジアの植民地に侵攻して

欧州は世界の大国としての地位を失う

だがそれだけでは終わらず

日本とドイツは同盟を結び

ドイツはロシアと戦争を始め

日本はアメリカ軍と開戦

ドイツはアメリカ軍とロシア軍に敗北

アメリカ軍は日本軍に2発の核爆弾が使い

日本は降伏戦後日本はアメリカ軍の同盟国となる

世界は戦後アメリカとロシアが2分して支配

ロシアの経済崩壊までに

数万発の核ミサイルが生産された≫

その30年後中国が超大国となり

日本とアメリカとの間で戦争が始まろうとしている

核爆弾を生産したばかりの君達と違い

数万発の核兵器が使われたら

この星を破壊してしまう

アメリカ軍が存在していて

日本軍とこうして同席しているのは

そうした分けだ≫

『そうでしたか

だがこれから私たち3人はどうなるのです?』

≪こうして急ぎ君達の話を聞いたのは訳がある

並行世界からの訪問者は君達が初めてではない

その多くが数時間後に消えてしまったからだ

おそらく元の世界に戻ったと思われる≫

【もう一つ答えて欲しい

我々はどうしてこの世界に呼ばれたのか】

沈黙の後で基地司令官は

≪君達の歴史を聞いて

未来に対する考え方が少し変わった≫

「どう変わったと?」

≪未来は一つではないと確信出来た

それを君達にも経験させる為に

君達はこの並行世界に運ばれたのではないか≫

数日後彼らは機体事こつぜんと消えた

彼らの映像や音声や乗って来た機体を映した映像や

コピーしたデーターも消えたが

手書きのデーターは残った

空中空母に乗っていた4機の戦闘機のデッサンも

彼らの付けた機体名は

F-101・F-135α・F-135β・F-135γ

後のF-22やF-35そしてエア・シャトル開発へと繋がる

≪あれから半世紀か彼等の会見を生かし

こうして生き残っている

彼らも我々との会見を生かし核戦争を生き残り

今も生きているのだろうか・・・≫
しおりを挟む

処理中です...