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太陽系の夜明け・移民の時代

太陽系の夜明け・移民の時代・士・第198章・誰がために

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日本艦隊の宇宙船ドッグには整備を終えた

戦艦・空母・強襲揚陸艦が

地球軍から日本軍へと移籍して来た

アフリカ系の

元地球軍の将兵たちを出迎えた

『これが日本軍の空母か地球の空母より

小型だが発艦用のカタパルトが

3基も在るこれなら3倍のスピードで

艦載機が発進出来る』

<こっちの強襲揚陸艦の艦首を見ろよ

この重装甲戦艦に体当たりしても

壊れないぜ>

≪その戦艦の艦首だけど

大砲の砲口に見えないか?≫

『まさか戦艦自体が巨大な大砲?』

<8隻ぐらいで一斉砲撃されたら艦隊なんか全滅だぜ>

≪地球軍の艦艇より10年は進んでるぜ≫

彼らの前に日本軍将校が歩み寄る

【私はこれから諸君をサポートする

リオン・カトーです

君達には日本軍の制服に着替えてもらいます

まず今着ている制服を脱いで

こちらの測定器で体を測り

3Dプリンターで制服を作ります】

『この制服ともお別れだな

アメリカ軍・地球軍そして日本軍か

制服が変わろうと

俺たちの待遇は変わらないさ

どんなに成績優秀でも

俺達アフリカーナは最終選考で落とされ

ひのき舞台に立つ事は無いさ

この日本軍でもな』

サイズピッタリの制服が各自に届いた

『制服はすべてオーダーメイドの新品だぞ』

<知らなかった俺ってこんなに制服が似合うんだ

俺の体型はどの標準の制服も合わないから

地球軍で支給された制服は

戦死した兵士の物だった

背中に穴が開いていたよ>

≪これがその跡かたまらんなー≫

<俺に合うサイズの制服無いな

又誰かのお古かよ

仕方ない俺達アフリカーナには

体に合わせて作られた

新品の制服は当たらん

さすがに今度は戦死者の制服は

ごめんだなと思っていたんだ

オーダーメイドの制服とは嬉しいね

でもどうして俺達だけ特別扱いなんですか?>

それを聞いていたカトーは軽い笑みを浮かべ

【日本軍では当たり前の事ですよ】

≪日本に着いてから出された食事はまるで将校用の食事だった

そして今度はオーダーメイドの制服だ

日本軍はどうして此処まで良くしてくれる

俺たちはアフリカ系だぞ

日本軍に何のメリットがある

やはり俺たちをゴースト艦隊との戦いで

盾として扱い死んでもらう為の前払いか≫

【いや日本軍では

食事に将校と兵士に差は有りません

制服はオーダーメイドの方が

動きが良くなるのが理由です】

あっけにとられる元地球軍人は

互いに顔を合わせ

これまで彼らが地球軍の中で扱われて来た

待遇が異常であると気づき始めた

彼ら旧地球軍兵士は

日本軍の兵士として

新しいIDと階級が与えられ

宿舎で部屋割りが行われた

外見は急場しのぎのプレハブだが

内装はベットを含めすべてが新調

夜の外出には時間厳守を言い渡されたが

案の定数十名が12時を過ぎても帰らず

MPによる摘発を受け拘束

懲罰房入れられる

そしてMPの取り調べを受ける

特別にリオン・カトーが通訳の名目で同席する

【君達アフリカ系が

これまで様々な偏見差別を受け

どれだけ優秀でも正当に評価れない事は

承知しているが

地球軍違い日本軍は

何より規律を重んじる

出来ないのであれば

たとえ将軍の息子でも

軍から放り出す】

『俺たちがアフリカ系だから

MPに拘束されたのでは無いと?』

【日本軍における

アフリカ系の最高位は

総参謀長だ地球軍の階級では元帥に当たる

宇宙艦隊司令

軍務大臣と並ぶ

事実上軍のトップ3の一人だ】

『彼だけが特別扱いなのでは』

【宇宙艦隊だけでもアフリカ系将校は

第二・第四・第六艦隊司令官

第一・第七艦隊副司令官

第八・第十一艦隊参謀長

これだけ居ても

まだアフリカ系だから

差別していると思うのか】

『ではなぜ拘束された

俺たちは少し羽目を外しただけだ』

【君達に取ってはたかが羽目を外した

だけかもしれないが

戦場で命令をひとつでも無視をすると

些細な事でもいずれ作戦に支障が起き

失敗に終われば

多くの将兵に危険が及ぶ

その様な者達に私は戦場で背中を預けられない】

『分かった俺たちはこれからどうなる

日本軍を追い出されるのか?』

【君達にはこれから移民船団が出発する

までの3か月の間に日本艦隊の操艦を

すべてマスターしてもらう】

『俺たちは日本軍に残れるのか』

【当然だ

たかが1回や2回羽目を外しただけで

放り出さないよ

正し懲罰としてグラウンド30周です】

『待ってくれ

まだ朝飯前なんだが・・・』

【朝食は9時まで

早く30周しないと飯抜きになりますよ】

腹ペコの彼ら数十名はこの日は朝食に間に合わなかった

次の日から日本艦隊乗組員としての訓練が始まる

〈日本軍の戦闘艦の特徴は遠距離からの

艦首砲による砲撃後高速エンジンを利用して

一撃離脱を行うこれは巡洋艦も同じで

基本的に艦首砲以外の砲塔は敵艦からの離脱時の

けん制に使うだけだ

パトロール艦と護衛艦と駆逐艦は護衛任務なので

戦闘艦並みの複合装甲で敵艦からの砲撃耐え迎撃する

空母の特徴は地球軍の3分の1の大きさで

艦載機の発進カタパルトは3倍有り

3倍の速度で艦載機を発進出来

小型の空母の為に速度は速く

被弾率が低い

強襲揚陸艦は艦首の装甲は

戦艦の3倍有り

艦首から突撃すれば

戦艦の装甲を破り乗り込む事が可能

日本艦隊が移民船団の護衛に

戦艦・空母・強襲揚陸艦を使わないのは

攻撃には有利だが船団護衛には向かないからだ

だが今回はゴースト艦隊の大規模な攻勢がある

君たちは船団護衛を護衛艦隊に任せて

ゴースト艦隊と思う存分戦ってくれ

だが必ず生きて帰ってこい

諸君は今回に戦いで

ゴースト艦隊に勝てば

天王星圏にアフリカ系が多数の

移民国家を作ることが出来ると

本気で思っているだろうが

地球軍での君たちの処遇を考えれば

地球政府が約束を破る可能性は大きい〉

≪そんな俺達は使い捨てかよ≫

『俺たちを地球軍から厄介払して

やはり初めから守るつもりない

約束をていたのか』

<もう移民船団の護衛ど知るか>

〈君達が移民船団を守らなければ

天王星圏にアフリカ系の国家作ることは出来ず

君たちアフリカ系の境遇はこれからも

変える事は出来ない〉

『ではどうすればいいんですか』

〈だからこそ生きて帰ってこいと言っている

生きて帰り君たちは

天王星圏の移民船団の護衛艦隊任務に就く

もし地球政府が約束を破れば

どうなるか地球政府も理解出来る筈だ〉

『どうしてです

なぜ我々の事をそこまで考えてくれるんですか』

〈日本は30年前地球を追放された

その時助けてくれたのは

かつてODAで助けた国々だ

その中にはアフリカ系の国々も多数含まれていた

だから今度は我々が恩を返す番だ

だから君達の希望の国家を作るためにも

必ず生きて帰って来てくれ〉

それから3か月後土星圏への最後の移民船団が旅立つ

それをリオン・カトーは見送る

【A大使あなた達の時代の努力が今実結ぼうとしています】
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