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戦後編・選択の時代
戦後編・選択の時代・参・第145章・シティ・カグヤ
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月の軌道エレベーター建設に伴い
月面では気圧を調整された小型のドーム内に
工事関係者の宿舎が作られ
同時に店舗が作られ
小規模ながら街が作られた
工事が進むに従い
家族も移り住み
学校や病院・娯楽施設が出来
街は大きくなる
当初月面の資源採掘場から
衛星軌道まで
資源を打ち上げるのに
資源打ち上げ用の
レールキャノンや
貨物打ち上げ用の
リサイクルロケットを使っていたが
軌道エレベーターの本工事とは別の
工事用の仮設の軌道エレベーターが完成した
速度も遅く一度に数トンしか運べないが
レールキャノンや貨物用ロケットと違い
打ち上げ後に軌道が変化して行方不明や
爆発事故で荷物が失われる事が無くなり
衛星軌道上に確実に荷物を送れた
月の上空
最上階に到着すると
そこは工事関係者の宿舎を兼ねた
リング型宇宙ステーションがあり
仮設の宇宙港に貨物運搬船が待機している
その隣にはまだ骨組みだが
巨大な宇宙港が建設されていた
月面の資源採掘場から
仮設軌道エレベーターまでの間を
資源を積んだ
エアートラックが走っていた
今や月面は岩ではなく
細かい氷に覆われていた
それでも道は凸凹で
戦車でなければ走る事は不可能
地球の6分の1の重力を最大限に利用し
圧縮空気を下部から噴射させ
地上から数メートル浮き上がり
後部からも圧縮空気で推力を得
月面を縦横無尽に走らせた
それでも最近は
EMエンジンを改良した
車両が登場して来た
日本本州島生まれの美麗ローラは
軌道エレベーター建設が行なわれている
アポロンと丁度反対側月の裏側にある
カグヤの間をエアートラックを
走らせていた
カグヤは希少鉱物資源が採掘されていた
ローラはカグヤのトラックステーションで
何時も荷物を積み込んでいたが
今回は特別に
採掘場での積み込みを依頼された
渡された採掘場の場所のデータは
公式地図には載っていなかった
胡散臭いが
破格のギャラにローラは飛びついた
翌日公式地図に無い採掘場への道は
谷やクレーターに何度も阻まれ
到着に3日掛かった
そこは
すり鉢上の地形で
ローラが到着した時
誰も居なかった
関係者を探し
坑道の奥に進むと
巨大な空間に出た
鉱物の採掘あとではなく
人口のドックか工場に見えた
しかしデザインは古代の遺跡に見え
劣化状態から最近の物には見えなかった
≪見てはいけない物を見てしまった≫
そうローラが思った時
《早く此処から出て》と
女性の声がした
ハッとして
ローラは今来た道を引き返す
自分の車に戻った時
坑道の中から作業員が出て来た
「誰だ」
サーチライトを照らされたローラは
『運送屋だよ』
「遅いぞ何日掛かっているんだ」
『公式地図に無いルートを
通って来たんだこれくらい掛かって当然だ
文句が在るなら帰っても良いんだよ』
「くっ」
男はそれ以上言えなかった
その男の後ろから
責任者らしき男が
<いや悪い気分を治してくれ
運んで欲しいのは
この3つのコンテナだ>
『こんな物そっちの
車でトラックステーションまで
運べばいいだろう』
<実は此処には
衛星軌道から着陸艇で降下して来た
陸路トラックステーションまでの道は
我々にも分からん
君が此処まで来たのなら
帰り道も分かるはずだ>
『ロケットで打ち上げれば良いだろう』
<これは非常に希少な鉱物だ
打ち上げに失敗すれば
全て終わりだ頼む>
頭を掻きながらローラは
『分かったさっさと積み込んでくれ』
<ありがとう>
掘り出された鉱物を
トラックに積み込みながら呟く
『・・・もしこれがあの遺跡の一部なら
こいつはとんでもない事になるかも・・・』
月面では気圧を調整された小型のドーム内に
工事関係者の宿舎が作られ
同時に店舗が作られ
小規模ながら街が作られた
工事が進むに従い
家族も移り住み
学校や病院・娯楽施設が出来
街は大きくなる
当初月面の資源採掘場から
衛星軌道まで
資源を打ち上げるのに
資源打ち上げ用の
レールキャノンや
貨物打ち上げ用の
リサイクルロケットを使っていたが
軌道エレベーターの本工事とは別の
工事用の仮設の軌道エレベーターが完成した
速度も遅く一度に数トンしか運べないが
レールキャノンや貨物用ロケットと違い
打ち上げ後に軌道が変化して行方不明や
爆発事故で荷物が失われる事が無くなり
衛星軌道上に確実に荷物を送れた
月の上空
最上階に到着すると
そこは工事関係者の宿舎を兼ねた
リング型宇宙ステーションがあり
仮設の宇宙港に貨物運搬船が待機している
その隣にはまだ骨組みだが
巨大な宇宙港が建設されていた
月面の資源採掘場から
仮設軌道エレベーターまでの間を
資源を積んだ
エアートラックが走っていた
今や月面は岩ではなく
細かい氷に覆われていた
それでも道は凸凹で
戦車でなければ走る事は不可能
地球の6分の1の重力を最大限に利用し
圧縮空気を下部から噴射させ
地上から数メートル浮き上がり
後部からも圧縮空気で推力を得
月面を縦横無尽に走らせた
それでも最近は
EMエンジンを改良した
車両が登場して来た
日本本州島生まれの美麗ローラは
軌道エレベーター建設が行なわれている
アポロンと丁度反対側月の裏側にある
カグヤの間をエアートラックを
走らせていた
カグヤは希少鉱物資源が採掘されていた
ローラはカグヤのトラックステーションで
何時も荷物を積み込んでいたが
今回は特別に
採掘場での積み込みを依頼された
渡された採掘場の場所のデータは
公式地図には載っていなかった
胡散臭いが
破格のギャラにローラは飛びついた
翌日公式地図に無い採掘場への道は
谷やクレーターに何度も阻まれ
到着に3日掛かった
そこは
すり鉢上の地形で
ローラが到着した時
誰も居なかった
関係者を探し
坑道の奥に進むと
巨大な空間に出た
鉱物の採掘あとではなく
人口のドックか工場に見えた
しかしデザインは古代の遺跡に見え
劣化状態から最近の物には見えなかった
≪見てはいけない物を見てしまった≫
そうローラが思った時
《早く此処から出て》と
女性の声がした
ハッとして
ローラは今来た道を引き返す
自分の車に戻った時
坑道の中から作業員が出て来た
「誰だ」
サーチライトを照らされたローラは
『運送屋だよ』
「遅いぞ何日掛かっているんだ」
『公式地図に無いルートを
通って来たんだこれくらい掛かって当然だ
文句が在るなら帰っても良いんだよ』
「くっ」
男はそれ以上言えなかった
その男の後ろから
責任者らしき男が
<いや悪い気分を治してくれ
運んで欲しいのは
この3つのコンテナだ>
『こんな物そっちの
車でトラックステーションまで
運べばいいだろう』
<実は此処には
衛星軌道から着陸艇で降下して来た
陸路トラックステーションまでの道は
我々にも分からん
君が此処まで来たのなら
帰り道も分かるはずだ>
『ロケットで打ち上げれば良いだろう』
<これは非常に希少な鉱物だ
打ち上げに失敗すれば
全て終わりだ頼む>
頭を掻きながらローラは
『分かったさっさと積み込んでくれ』
<ありがとう>
掘り出された鉱物を
トラックに積み込みながら呟く
『・・・もしこれがあの遺跡の一部なら
こいつはとんでもない事になるかも・・・』
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