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第三次世界大戦・弐

第三次世界大戦・弐・第78章・世界政府の介入

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作戦開始12時間前

空港で一組の親子の別れの時が来た

OSSのリン・ユーとその娘リャン・ユー

〈いやだー行きたくないよー

リャンと一緒に居たいよー〉

大声で泣いているのは

母親のリン・ユーの方

《ママそんな事言ったら

おじさん達が困るよ

元気で行ってらっしゃい

お土産宜しくね!》

手を振り母親を見送る

作戦メンバーの一人

加藤里音はリャン・ユーに

「これでいいのかい?」と

問いかけると

背中を向け肩を震わせ

《私が泣いていたら

ママ心配して

お仕事が出来ないでしょ

ママは必ず帰って来るもん》

その後姿は肩を震わせ泣いていた

輸送機は5人を乗せ飛び立つ

機内では加藤里音の未知のウイルスについて

話しが始まる王少佐が

『加藤少尉あなたが使う

未知のウイルスについて

詳しく教えて欲しい

出来ればどの系列のウイルスかを?』

(私が使うコンピューターウイルスは

研究室で開発された物で既存の

どのタイプのウイルスとも違う

全く新しい系列の

コンピューターウイルスです

今現在ネットを検索しても

ヒットしない筈です

特徴として使用後

ウイルス自体が自動消滅して

何の痕跡も残りません

研究室のシュミレーションでは

あらゆるアンチ・ウイルスの

攻撃をダミーウイルスで誤魔化し

目標をワンポイントで攻撃します)

リー少尉は

「言った通りなら

何も我々が乗り込まなくても

ネットを通じて

地下原子力発電所のコンピューターに

感染させれば済む事では?」

(残念ながら地下原子力発電所の

原子炉をコントロールしている

コンピューターは外部との接続は

北中国軍の地下要塞の司令室だけ

どう考えても地下原子力発電所の

コントロールルームへの進入の方が

成功の確率は高い)

全員が納得

輸送機は北中国軍の支配空域に入る

〔お迎えの北中国軍戦闘機が接近中

念の為に格納庫の輸送車に

非難して下さい〕

機長から機内アナウンスが流れる

機長は戦闘機に対して

輸送機の所属と目的地を伝えたが

応答は無く正面から

輸送機の後方に回り込み

いきなりミサイルを輸送機に向け発射

輸送機はミサイルをかわすために

急降下と急旋回を行い

ミサイルをかわし

地表すれすれを飛ぶ輸送機に

機銃掃射を行い

翼を被弾した

加藤里音は心の中で思う

(今回は実力行使で来たか

世界政府め)

輸送機は墜落寸前になる

機長は格納庫の扉を開け

緊急脱出装置に載った輸送車を射出した

輸送車を載せた脱出装置は

逆噴射ロケットと

巨大なパラシュートで減速したが

湖へと落下水没し

輸送機は爆発空中分解した
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