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第三次世界大戦・弐

第三次世界大戦・弐・第71章・布石

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北中国軍の将兵100万人の将兵の

食料が食糧生産工場が連合軍に占領され

生鮮食料品が手に入らないが

冷凍食品を使い何とか兵士の

不満を抑えていた

連合軍では北中国政府に対し

正式に無条件降伏を通告する前に

現在唯一の窓口を持つロシアから

北中国政府に接触し

降服に応じるよう説得する

使節をロシアから派遣してもらう様

ロシアを説得する為に

日本の元A総理がロシアに向かった

相手は旧知の間柄の

ロシア大統領

世界大戦勃発後初めての会談と成る

まず日本が行なったロシアへの

核ミサイルを撃墜した事を

感謝をされ

会談は始まった

3時間に及ぶ二人きりの会談は

ここで日本とロシアの

70年以上に渡る

懸案事項が解決された

北方領土で返還される島について

平和条約の突き詰めた内容

ロシア領への小型漁船の自由往来

樺太千島列島への開発問題など

ロシア側を配慮した内容に成った

そして今後10年に及ぶ

世界を見据えた話に移る

『大国の中でロシアは

大戦を無傷で乗り切り

特にインフラが唯一

完全に動いている

戦後世界はロシアに食料エネルギー供給を

頼る事になる

だがロシアの工業設備は

新規事業で作られた物を除き

旧ソビエト時代の物を改修又は

増築した物が多く

増産体制への移行は容易ではない

そこで日本の技術とインドの資本を使い

大規模な工業化を進める提案をした

食糧問題も日本が持っている

放射能に対する除染技術と

気候に左右されずビルの中で

食料を作る事が出来る

食料生産工場を

資源とエネルギーがあり

何よりもインフラが

無傷のロシアでしか出来ない』

余りにもロシアに取り

有利な話にロシア大統領は

「日本側は何を見返りとして

求めているのかと聞いた」

日本のA大使は

『北中国軍の地下要塞には

100万の兵力が在る

正面から衝突すれば

連合軍の将兵にも

多大な犠牲が出る

連合軍各国は約を

核攻撃で荒れ果てた国土を

再建する為の労働力が

兵士として最前線にいる

彼らは生きて故郷に

帰らなければ成らない

地下原子力発電所を

攻略すれば地下要塞100万人分の

兵士を賄う事は出来ず

兵士の間に不満が高まるが

それだけでは

無条件降伏させる事は出来ない

そこで唯一北中国政府と

窓口が在るロシアに

説得をお願いしたい』

深く深呼吸をして

ロシア大統領は答えた
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