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第三次世界大戦・弐

第三次世界大戦・弐・第49章・人類管理計画

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北中国軍の指向性兵器を無力化した

核ミサイルに対する対策会議場で

ワタリ教授が開発した技術が

連合軍から盗まれ間もなく

北中国軍の対指向性核ミサイルが

完成寸前で在る事が判明

教授は半年前に島を破壊した

未完成の指向性レールキャノンを

完成させる事が唯一の方法だと断言した

現在実戦配備されている

レールキャノンは金属の塊を

電磁エネルギーで一気に

音速で発射するシステム

だが3Dプリンターで塗装された

表面の強度は通常の数倍

現在連合軍に配備されている

レールキャノンでは

破壊出来ない

より大きな北中国軍が

配備を進めている

大口径のレールキャノンなら

破壊は可能だが

実戦配備には時間が掛かる

解決策として

現行のレールキャノンの口径に

合わせた特殊な弾丸を開発すれば

直ぐに実戦配備が可能になる

試作品は最終段階に入り

レールキャノンを使った

試射により選りすぐれた

弾丸を選ぶだけと話す

会議場はホッとした

安堵感が流れた

だがワタリ教授は

『しかしこの研究は半年前に中止になった』

戸惑う会議場で若い科学者は

(もしかしてそれが原因で

令和島が消滅したんですか?)

『そうじゃ』

(実験が失敗すればこの研究所が

消滅するのでは?)

怯える様に話す若い科学者に教授は

『実験が失敗すれば世界が消滅する』

と言い切った

もはや誰も反対する者は居なかった

その頃北中国軍核ミサイル基地周辺では

連合軍と北中国軍の激戦が続いていた

対レザー拡散物質が撒かれ

実弾による砲撃戦と

上空では有人・無人戦闘機による

空中戦と爆撃が続いていた

ミサイルは地下深く隠され

指向性兵器では攻撃出来なかった

北中国軍ミサイル基地指令官は

副官から核ミサイルの改修状況の

報告を受けていた

<ミサイルの改修状況は

50パーセントを超えました>

[この改修作業が完了すれば

連合国は崩壊し全世界は

わが中国にひれ伏すのだ]

<我々中国がこの地球を支配した後は?>

[決まっておる人類管理計画を実行する]

<人類管理計画とは?>

[此処だけの話しだが

我が漢民族を中心に黄色人種の内

優秀と認める者のみ子孫を残す事を認める]

<では白人や黒人など他の人種で

優秀な者は子孫を?>

[そうだ例えどんなに優秀でも

生存は許しても子孫を残す事は許さん]

<ところで優秀でない者達の処分方法は?>

[ホロコーストと言いたい所だが

あれは何十億の人間を焼却するのに

何年も掛かるその間に掛かる

食料や施設に掛かる費用は

莫大な物になる

その為に貴重な燃料を浪費するなど問題外だ]

<ではどの様に?>

[この荒れ果てた大地を

元に戻すために利用する]

<放射性物質と化学物質で汚染された土地をですか

数時間で死亡します>

[構わん計算では50億も居れば出来る]

<我々優秀な人類の為に利用し

同時に廃棄物を処理出来ると言う訳ですな>

[そういう事だ・ワハハハ]

二人の笑い声は核ミサイルのサイロに響き渡った

二人の会話をミサイルの影で

聞いていた者が居た事に気が付かずに・・・
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