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第三次世界大戦・弐

第三次世界大戦・弐・第44章・北京大虐殺

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北京郊外何時もの朝平穏でとても戦時中とは思えない

父親と兄が仕事に出かけ祖父母と母に見送られ

ュゥ・ミャンは登校して行く

この日はスモッグも無く良く晴れている

学校で友達とのおしゃべり休み時間の遊び

夕方友達と別れ下校中道路を軍隊の車が列を成して

北へと向かう何時もと違う様子をぼんやりと眺めていた

でもうちに帰り母親に抱きつきただいまと言い

今日の出来事を夢中で話しそんな事は忘れていた

父や兄が帰り祖父母と家族6人何時もの家族団らん

何時までも何時までも続くと信じていた

夜ベットに入るとヘリコプターや飛行機の音がうるさく

中々寝付けなかった

次の日朝早く父親と母親の大きな声で目を覚ました

外には兵隊達と父親と母親と兄と祖父母がいた

突然父親が殴られ倒れた

ユウ・ミャンは思わず外に出た

兵士はユウ・ミャンの顔を見るなり

《まだ役立たずがいたのかこいつも粛清だ》

と言いユウ・ミャンに銃を向けた

兄がユウ・ミャンの前に立つ

《貴様は兵士に使えるから助けてやる

そこを退けろ》

兄は兵士の言葉にひるまず動かなかった

兵士達の隊長は無言でユウ・ミャンの兄を撃った

ユウ・ミャンを庇い倒れる兄

父親と母親が二人に覆いかぶさり

子供達を助けてくれと懇願する

祖父母も二人に寄り添う

《隊長宜しいのですか?

住民は連合国軍に情報を漏らす危険があるので

全て処分するとは聞いてますが

同時に兵士として使える者は連行する筈では

我が隊は現在3名程少なくノルマが達成していません》

隊長は考えニヤリと笑い言った

兵士達の隊長が

《連行中に死んだと言えば良い構わん撃て》

と部下達に命じた

一家は皆撃たれ倒れた

隊長は部下に命じた

《我々はいずれ世界を支配するのだ

利用出来ない国民など必要ない

国民全てが死滅しても問題ない

世界には我々の支配を待っている

数億の『同士』がいる

世界が『解放される日』は近い

まもなくナパーム弾の攻撃が始まる

我等が北の要塞に凱旋だー》

隊長が叫ぶと兵士達は一斉に雄叫びを上げ

兵士達は引き上げてゆく

苦しい息の中で母親は二人の子供の名前を呼び続けた

間もなく空爆が始まり北京は炎に包まれ

火災旋風が起き炎はビルの窓ガラスを溶かし

鉄骨さえ飴の様に曲がり

地価に逃げ込んだ人々には地中貫通弾で

生き埋めにさ生残ったのは僅か百名ほど

その中にユウ・ミャンがいた

ベットで目が覚めた彼女は

最初何が起きたか理解出来なかった

次第に記憶が蘇り

家族の事を聞いた

看護師は遠まわしに話し始めた

だがユウ・ミャンは直ぐに

自分が一人ぼっちに成った事を悟った

看護婦が話しかけてもただうなずくだけで

夢を見ても家族が亡くなる夢ばかり見てしまい

一人になると一日中泣き続け

食事ものどを通らず日々に痩せてゆく

ある日ユウ・ミャンの元に

彼女を救助した兵士が見舞いに訪れた

そしてユウ・ミャンを助けた時の状況をはなした

最初誰も生きていないと思われ

その場を通り過ぎようとした時

かすかに人が呼ぶ声がした

それがユウ・ミャンの母親だった

焼け爛れ最後の声を振り絞り

「この下に私の子供がいます助けて下さいお願・・・」

そう言って息を引き取った

そして君を助ける事が出来たのは

家族が君に隙間なく覆いかぶさっていたから

君に生きて欲しいからだ

君は家族の分まで生きなければいけない

それが家族の願いだ

ユウ・ミャンの中で何かが弾けた気がした

その夜ユウ・ミャンはあの幸せだった一家団欒の夢を見た

それから10年が過ぎた

北京宇宙港では

スペースシャトルを胴体下部に収容し

大気圏ギリギリまで上昇し

シャトルを宇宙空間に送り出す

エアーシャトルが初めての宇宙移民を載せ

宇宙に送り出す日が来た

ユウ・ミャンはパイロットになっていた

エアシャトルの副操縦しになっていた

元日本軍の戦闘機パイロットの操縦で

ユウ・ミャンは飛び立つ生きる希望を目指し
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