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第三次世界大戦・弐

第三次世界大戦・弐・第34章・嵐の前

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南アジア・インド軍・パキスタン軍は

南中国の補給基地で燃料・武器・弾薬の

補給と車両の整備を行なっている

北中国を目指し4,000キロを走破して来た

車両特に戦車の傷みは酷く

部品交換で済む修理を越え廃車寸前の状態

だが度重なる戦費で本国には経済的余裕も無く

米国でさえ数千台の戦車を

今直ぐに揃える事が出来ない

日本軍の為に本国から補給物資を満載した

輸送船が香港の港に接岸

次々に降ろされる物資その中の

21型機動戦闘車を巡り

補給部隊が揉めていた

現地補給部隊は100両を発注していたのだが

運んで来たのは10倍の1,000両

実は機動戦闘車は日本に中国軍が上陸した場合に備え

自動車製造ラインを改造して

既に1万両が生産されていたが

中国軍が日本に上陸する事は無く

大量に余っていた

朝鮮半島侵攻作戦では

同時に大量生産された10式戦車が

戦車兵に好まれ在庫は殆ど無くなったが

機動戦闘車は倉庫で埃を被っていた

その話を聞きつけたインド軍とパキスタン軍の

補給物資担当将校は日本軍と交渉

900両の機動戦闘車を

是非譲って欲しいと申し入れて来た

事は現地司令官の判断を越え

日本政府に判断を委ねた

日本政府はインド政府・

パキスタン政府と交渉

900両以外に5,000両を両政府に

儲け抜きの原価で販売する事で

交渉が纏まった

更に東南アジア諸国からも

同じ条件で3,000両の発注が来た

戦車の耐久年数を越えた状態は

何処の国も同じ状態で

結果として機動戦闘車の在庫は無くなる

現地では各国戦車兵の熟練操縦が行われ

同時に整備兵への講習訓練が行われた

当初戦車兵達の間から

タイヤ式の車両は戦車では無く

装甲車だと強い抵抗感が在ったが

従来の戦車との3対3のバトルタンクで

時速100キロで走行中に射撃が可能で

更にネットワーク機能を使った

連係プレーで戦車の完敗

何度リターンマッチをしても同じ結果に

戦車兵達の機動戦闘車に対する見る目が変わった

しかしタイヤ車唯一の弱点雨季の悪路の問題から

侵攻計画再開は雨季が明ける乾季とされた

北中国では地下要塞の建設が進み

北中国全体から食料物資を引き上げと

連合軍の予想侵攻ルート上の

軍用車が通行出来なくする為に

橋やトンネルなど主要幹線道路を破壊した
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