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第三次世界大戦・弐

第三次世界大戦・弐・第22章・ターニングポイント

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中国海軍の空母全滅の報は

中国軍と対峙している敵国の情報部が察知

オセアニア方面では

豪州が中国軍に対し反転攻勢に出る

空母消失で航空戦力が激減した

中国陸軍地上部隊は撤退を始める

東南アジア方面では

ベトナム軍は陸続きのカンボジアと

東側の海岸から中国軍に侵攻され

細長い国土の中央部を中国軍に占領され

ベトナム軍は南北に分断されていた

空母の消失で海上の制空権を失った

中国海軍の補給艦がベトナム空軍の空襲で

次々と撃沈され

補給物資がベトナム中心部を占領している

中国軍に届かず

ベトナム軍に南北から挟み撃ちにされ

次第に劣勢に陥る

南アジア方面では

パキスタン軍が中国軍空母の航空支援が無くなり

逆に定期点検が完了したインド海軍空母が参加し

パキスタン空軍はインド内陸部から攻撃してくる

インド空軍とは別に洋上の空母艦載機に対処する為

パキスタン空軍は戦力を二方面に分割したが

少ない戦力が更に減り制空権を維持出来ず

陸軍の地上部隊に損害が出始め中国空軍の

直接支援が無ければインド戦線から

離脱すると中国軍に申し入れた

中国人民解放軍が各方面軍に

大規模な増援を行なう為には

共産党政治部の決裁が必要だが

空母艦隊を失い

日本軍の輸送船団の撃滅のも失敗した今

各方面軍の敗北が知れ渡れば

軍首脳の責任問題になるのは必定

人民解放軍は事態を秘匿し

中国共産党本部には伝えなかった

だが中国共産党情報部は事態を把握

中国人民代表大会で軍首脳の責任問題を

取り上げた中国軍首脳は形勢逆転の切り札として

豪州に対して核ミサイル攻撃を主張だが

中国共産党執行部は米国と同盟国の

イギリス連邦の一員の豪州に

核ミサイル攻撃を行えば

米国が参戦する口実になると

軍首脳の提案を拒否

さらに軍首脳に敗戦の責任を取らせて

軍首脳を逮捕拘束した

中国共産党執行部は

強引に日本との講和を決定する

国家を滅亡から救う当然の処置だが

戦場で血を流す将兵から見れば

日本に国を売る裏切り者でしかなかった

中国人民解放軍では戦争を続ける事が

国家を救う唯一の方法と考え

中国人民解放軍の実力者達が

密かに集まり極秘の決定をした
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