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学園生活は危険がいっぱい!

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◇◇◇

哀れな子羊は数学準備室まで連れてこられました。

「そこが浴室だ。入ってこい」
「え?」

お叱りじゃないの‥?

てか、数学準備室に浴室って;
さすが金持ち学園。

「ヨーグルト、ベタベタすんだろ? 入れ」
「うわっ!」

扉を開けられて、浴室のなかに押しこまれる。
振りかえったら扉はもう閉まってた。

「‥…まぁ、いっか」

お言葉に甘えて入っちゃお♪
ベタベタはイヤだもんねぇ。

センセーの善意を受けとってさっそくシャワーを浴びる。

コレでいつものみつくんに戻りましたよぉ♪

「はぁ~、スッキリしたぁ」

ただいま、若干だらけモード入ってます。
裾出しっぱなしっス☆

「出たか」
「はい♪ ありがとうございましたぁ」

って、生徒の前なのにタバコ吸ってるぅ!
さすが俺様ホスト教師。

あ、でも窓開けてあるしすぐにタバコを消してくれた。
センセーらしいトコもあるじゃん。

「気にすんな。…上、やっぱ汚れてたか」
「あ、はい。汚れてました;」

乾いてカピカピになってます。
なんかアレがついたみたいでヤダ…

「クリーニング頼んでやるからちょっと待ってろ」
「お願いしまっす!」

やった! 
寮まで取りにいく手間が省けたよぉ♪

「──すぐ来るとさ。それまで適当にくつろいでろ」
「はぁい」

返事をして、遠慮なく近くにあったソファーに座る。

「コーヒー飲めるか?」
「あ、はい。飲めます」

あれ? 
入れてくれんのかな?

俺様ホスト教師なのに気が利くねぇ。

「砂糖とミルクは?」
「1個づつでお願いしまぁす」
「わかった」

そう言うと、俺様ホスト教師が灰皿を片づけがてらコーヒーを入れはじめた。
そのとき、タバコの吸い殻が目にうつる。

「──‥あ」

あれ? 
俺様ホスト教師が吸ってるタバコって…

うわ、懐かしい。

いろんなことを思い出して、おもわず消されたタバコの吸殻を見つめる。

「──どうした、みつ」

あ、ボーッとしてたみたい。
コーヒー入れおわってるよ;

「いや、なんでもないです」

俺はごまかすようにそう言って、俺様ホスト教師から差しだされたマグカップを受けとった。
それから、さりげなさを装って気になったことを口に出す。

「‥…ねぇ、センセーのタバコって自分で巻くヤツでしょ?」
「あ? そうだけど、それがどうした」
「いや、めずらしいの吸ってんなぁって思って」

だってソレ、コンビニとかじゃ売ってないし。
ひさびさに見たなぁ、あのタバコ。

「まぁな…」
「──ねぇ、センセ」

視線が合った。

思ったよりその目が真剣で、まっすぐで…
すこし、身体が緊張する。

「ソレって…──

──コンコン──

「あ…」

扉をノックする音に、緊張してた身体から力が抜けた。

『お待たせしました。クリーニング係です』
「はぁ……。入れ」

センセーがため息を吐きながら部屋の扉を開けた。

あれ‥? 
センセーも緊張してたのかな…?

「失礼いたします。クリーニングするお洋服は…」
「あの、コレです」

立ちあがって、ソファーに置いてたのを差しだす。
そのとき、俺はさりげなくセンセーに背を向けた。

「では、お預かりいたします」
「お願いします」
「はい。あと…勝手ながら、揚羽様の予備のブレザーがありましたのでお持ちしました」
「あ、ありがとうございます」
「いえ…っ、失礼いたします」

そういって出てくクリーニング係の人に軽く手を振ったあと、キレイなブレザーに袖を通した。

「‥上も着たし、もう行きますねぇ。コーヒーごちそうさまでしたぁ」
「あ、おい」
「じゃあ失礼しまっす」
「みつ!」

名前を呼ばれたけど、背中を向けたまま振りきるように部屋から出た。

部屋に居られなかった。
だって今、絶対情けない顔してる…

ごめんね、センセェ。




.
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