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プロローグ・怪物と少女
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大正7年、帝都。
とある華族の屋敷、そこには1人の少女が住んでいる。
屋敷の主の名前は富良野ルリ。彼女は齢16歳にして天才生物学者と称される程の才女である。
見た目は長い黒髪に真紅のリボン、そして色白の小柄な赤目の少女である。
そんな彼女は秘密裏に政府からの依頼を受け不老不死の研究をしている。それは死なない兵隊を作ることに繋がるらしい。
早くに親をなくした彼女はひっそりとただ広い屋敷のなかに取り残されたように暮らしていた。
楽しみと言えば本を読み漁ること。元々学者の家の生まれであったので屋敷にはもの凄い数の本が揃えられていた。女学校に行く以外はそれらを読む更ける毎日である。
「理論上完成するはずだけど…決定的な材料が足りない」
彼女はある日ひとつの答えにたどり着いた。人体を構成し直すことも、作り出すことも材料があれば理論上可能である。しかし、魂とはどこから手に入れたら良いのか。海外では魂は21グラムという説もあるという。しかし、その21グラムの魂を捕獲できたという話は聞いていない。
死と生の間にはその重さの壁を越えなければならないことになる。
ある夏の日、普段はだれも近づかない屋敷に客が来た。
その日はひどい夕立でざあざあと激しい雨音に雷が唸っていた。
鈴を聞いたルリがドアを開けると、一人の少年が大きな棺を抱え座っていた。フードを被ったその姿は顔は見えないが異常とも言える独特な雰囲気を身に纏っていた。
「僕の屋敷に何のようだ?押し売りなら他を当たってくれ…」
ルリはそう突っぱねた。
「いえ、そう警戒しないでください。貴女に贈り物とお願いがあってきたんだから。」
「贈り物?僕にはそんなもの必要ないんだが?」
「いえ。貴女は必要とするよ。〝不老不死〟そんな研究をされてるあなたにぴったりな贈り物だからね」
「何の事だかさっぱりだな」
「あなたの研究を知っている。21グラムの謎で困ってるんでしょ?富良野ルリさん」
ルリの顔が一瞬陰る。
「この棺のなかには怪物が入ってる」
「怪物だと?」
「かの有名なフランケンシュタインの怪物」
「!??」
「この怪物の作者はヴィクター、いえ、本名はヴィクトリアという女性学者。彼女の死後封印されていた怪物を届けに来たんだ」
「フランケンシュタインの怪物。そんなばかな」
「本日はこの棺を置いて行くから。よくよく自分の目で確かめてみて」
少年は棺をルリの前に差し出す。
「待っちたまえ!!」
その時ピカっと雷が近所に落ちたらしい。ルリは閃光が目に入り、思わず瞑った。次に目を開けた時には少年は消えてしまっていた。
ルリが持ち上げてみるとある程度の重みがある棺だった。
「仕方ない、今晩は屋敷の中に入れておこう」
ルリは小柄な身体でどうにか棺を屋敷の中へ押し込んだ。最初に思ったよりも重かった。
「全く、、、怪物だか何だか知らないが、こんな荷物を置いていくなんて迷惑極まりない」
この棺には本当に怪物が入っているのだろうか、いやそんなはずはない。そう考えながらもルリは棺を少し開け言葉を失った。
「え…」
中に入っていたのは、十代後半くらいの青年だった。背は高めで、パーマのような癖っ毛の整った顔つき。
ルリはそっと彼の頬に手を伸ばす。
「冷たい…」
それは間違いなく生きている人間の体温ではなかった。しかし、腐敗臭も一切しない。人形だろうか。その青年はとても綺麗な白い肌をしているがまるで生気が感じられないのである。
「今日はそっとしておこう。明日考えればいい…」
そうルリが呟いたやいた時だった。
「富良野博士ですね?」
振り返ると知らない男がいた。そしてルリに銃を向けていた。
「博士なんてそんな大層な号を貰ったことはないのだが?私は富良野ルリ、ただのそこいらの女学生に過ぎないさ」
「研究の成果を差し出せ」
「研究?そんなもの何もないぞ」
「白を切るな!その棺の中身が答えだろ!」
「この棺は預かりものでな。僕の所有物ではないのだよ」
バンッ!!
大きな銃声音が屋敷内にこだまする。天井に向けて一発の銃弾が撃ち込まれた。
「そんなものぶっぱなして、雨漏りしたらお前のせいだ」
ルリは涼しい顔つきで冷静だった。
「こんなことで威嚇できると思ったか!私は逃げも隠れもしない!撃ちたけば好きにしろ!」
銃声と変わらない音量でルリが怒鳴る。
ルリには一つ勝算があった、何一つ研究の成果を資料化せずに自身の記憶だけに留めている。そう、ルリが殺されれば研究の資料も全て消失することになるのだった。
茶番もここまでだな-
そうルリは悟った。次に銃口から弾が放たれれば男は間違いなく殺意をもって自分を狙ってくる。そう思って覚悟は決めていた。
バンッ!
二発目の銃声が屋敷のなかに響く。ルリは静かに目を瞑っていた。が、身体に痛みは走らない。
「お待たせ、ヴィクトリア…100年ぶりかな?」
ルリの目の前には先程まで横たわっていたはずの青年が立っていた。そして彼は銃弾を素手で握っていた。
「!!!?」
カラン…高い音で弾が床に落ちた。
「さてと、ヴィクトリアはどうしたい?僕は別に殺してもいいかなって思ってるけれど」
ルリはこの怪物とやらはどうやら自分をを昔の主人だと思っているのだと咄嗟に感づいた。
「…やめろ…殺すな!」
「うん!ヴィクトリアならそう言うよね!変わってない!」
怪物は無邪気に笑った。
「化け物!」
バンッバンッ
二発の銃弾が放たれる。怪物は軽々と舞うようによけた。そして低い体制から相手の内側に入り込み、みぞおちを殴った。あっけなく男は崩れ込み気絶をした様だった。
「はい。おわったよ!気絶してるだけだから!」
またもや無邪気に笑う怪物。彼にとっては造作もない作業に違いない。
「ありがとう…僕は」
「ううん、ヴィクトリア!君のためなら何でもするよ」
「違う、僕はヴィクトリアじゃない、富良野ルリだ」
「覚えてないの…ヴィクトリア…」
パチパチパチパチ!手を叩くフードの少年が立っていた。
「はーい!お二人ともお疲れ様!」
「お前!!」
「無事アルマ君が目覚めてくれてよかった」
「アルマ?」
怪物の名前らしい。
「でもって、はい撤収!」
パン!と少年が手を叩くと先程までアルマの腕で項垂れていた男は砂になって崩れ去った。
「さて、では状況を説明しますね!」
少年は無邪気に解説をはじめた。
「彼はアルマ=フランケンシュタイン。約100年前、ヴィクターという科学者によって作られた人造人間。でもヴィクターは本当は女性だった。本名はヴィクトリア。異端の科学者だったから彼女は男性の振りをしたんだ。ヴィクトリアは悪魔と取引してアルマに命を与えた。君がたどり着いた21グラムの壁を彼女は取引によって攻略したんだよ」
「それが僕と何の関係があるんだ?」
「君はヴィクトリアの生まれ変わりだからね」
「!??」
「そしてその取引の内容だけどね、賭けをしたんだ」
「どんな賭けだ?」
「今世でアルマと君が、俺の出すゲームに勝てるかどうか」
「はぁ!?」
「前世の君は自分の来世を犠牲にして悪魔と取引したんだよ」
「だから君達は、これから僕が主宰するゲームに二人で力を合わせて勝ち進んでしていくんだ」
「もし、クリア出来なければ君とアルマの魂は俺のもの。無駄に死にたくなければ俺の出すゲームに勝つこと」
フードの少年は楽しそうに話す。
「因みにね、前世の君はゲームに負けて命を落としたんだ。確か攻防の末、北極まで行ったかな。だから君の魂は半分俺のものになってる。」
少年がフードを取ったとき、ルリはその言葉の意味を理解した。
「僕と同じ顔―」
少年はルリと同じ顔、同じくらいの背格好だった。目は青い。
「ふふ。ルリは覚えてないと思うけど、俺は覚えてるよ。俺たちは双子で僕だけが養子に出されたからね。ちなみに君の兄、ルカだ。」
ルリはそこで思い出す。両親の寝室に飾られていた二人の赤ん坊の絵。
自分には兄弟がいたのだとルリは確信する。
「とりあえず今日はアルマが目覚めた、それが目的だったからこれでいい。ゲームの参加者は君達だけじゃないしね。詳しい内容は招待状を送るよ。じゃあね、愛しい妹よ」
そう言ってルカはその場から去っていった。
とたんその場で崩れ落ちるルリ。彼女が目覚めたのはそれから2日後の雲一つない晴れた朝のことであった。
とある華族の屋敷、そこには1人の少女が住んでいる。
屋敷の主の名前は富良野ルリ。彼女は齢16歳にして天才生物学者と称される程の才女である。
見た目は長い黒髪に真紅のリボン、そして色白の小柄な赤目の少女である。
そんな彼女は秘密裏に政府からの依頼を受け不老不死の研究をしている。それは死なない兵隊を作ることに繋がるらしい。
早くに親をなくした彼女はひっそりとただ広い屋敷のなかに取り残されたように暮らしていた。
楽しみと言えば本を読み漁ること。元々学者の家の生まれであったので屋敷にはもの凄い数の本が揃えられていた。女学校に行く以外はそれらを読む更ける毎日である。
「理論上完成するはずだけど…決定的な材料が足りない」
彼女はある日ひとつの答えにたどり着いた。人体を構成し直すことも、作り出すことも材料があれば理論上可能である。しかし、魂とはどこから手に入れたら良いのか。海外では魂は21グラムという説もあるという。しかし、その21グラムの魂を捕獲できたという話は聞いていない。
死と生の間にはその重さの壁を越えなければならないことになる。
ある夏の日、普段はだれも近づかない屋敷に客が来た。
その日はひどい夕立でざあざあと激しい雨音に雷が唸っていた。
鈴を聞いたルリがドアを開けると、一人の少年が大きな棺を抱え座っていた。フードを被ったその姿は顔は見えないが異常とも言える独特な雰囲気を身に纏っていた。
「僕の屋敷に何のようだ?押し売りなら他を当たってくれ…」
ルリはそう突っぱねた。
「いえ、そう警戒しないでください。貴女に贈り物とお願いがあってきたんだから。」
「贈り物?僕にはそんなもの必要ないんだが?」
「いえ。貴女は必要とするよ。〝不老不死〟そんな研究をされてるあなたにぴったりな贈り物だからね」
「何の事だかさっぱりだな」
「あなたの研究を知っている。21グラムの謎で困ってるんでしょ?富良野ルリさん」
ルリの顔が一瞬陰る。
「この棺のなかには怪物が入ってる」
「怪物だと?」
「かの有名なフランケンシュタインの怪物」
「!??」
「この怪物の作者はヴィクター、いえ、本名はヴィクトリアという女性学者。彼女の死後封印されていた怪物を届けに来たんだ」
「フランケンシュタインの怪物。そんなばかな」
「本日はこの棺を置いて行くから。よくよく自分の目で確かめてみて」
少年は棺をルリの前に差し出す。
「待っちたまえ!!」
その時ピカっと雷が近所に落ちたらしい。ルリは閃光が目に入り、思わず瞑った。次に目を開けた時には少年は消えてしまっていた。
ルリが持ち上げてみるとある程度の重みがある棺だった。
「仕方ない、今晩は屋敷の中に入れておこう」
ルリは小柄な身体でどうにか棺を屋敷の中へ押し込んだ。最初に思ったよりも重かった。
「全く、、、怪物だか何だか知らないが、こんな荷物を置いていくなんて迷惑極まりない」
この棺には本当に怪物が入っているのだろうか、いやそんなはずはない。そう考えながらもルリは棺を少し開け言葉を失った。
「え…」
中に入っていたのは、十代後半くらいの青年だった。背は高めで、パーマのような癖っ毛の整った顔つき。
ルリはそっと彼の頬に手を伸ばす。
「冷たい…」
それは間違いなく生きている人間の体温ではなかった。しかし、腐敗臭も一切しない。人形だろうか。その青年はとても綺麗な白い肌をしているがまるで生気が感じられないのである。
「今日はそっとしておこう。明日考えればいい…」
そうルリが呟いたやいた時だった。
「富良野博士ですね?」
振り返ると知らない男がいた。そしてルリに銃を向けていた。
「博士なんてそんな大層な号を貰ったことはないのだが?私は富良野ルリ、ただのそこいらの女学生に過ぎないさ」
「研究の成果を差し出せ」
「研究?そんなもの何もないぞ」
「白を切るな!その棺の中身が答えだろ!」
「この棺は預かりものでな。僕の所有物ではないのだよ」
バンッ!!
大きな銃声音が屋敷内にこだまする。天井に向けて一発の銃弾が撃ち込まれた。
「そんなものぶっぱなして、雨漏りしたらお前のせいだ」
ルリは涼しい顔つきで冷静だった。
「こんなことで威嚇できると思ったか!私は逃げも隠れもしない!撃ちたけば好きにしろ!」
銃声と変わらない音量でルリが怒鳴る。
ルリには一つ勝算があった、何一つ研究の成果を資料化せずに自身の記憶だけに留めている。そう、ルリが殺されれば研究の資料も全て消失することになるのだった。
茶番もここまでだな-
そうルリは悟った。次に銃口から弾が放たれれば男は間違いなく殺意をもって自分を狙ってくる。そう思って覚悟は決めていた。
バンッ!
二発目の銃声が屋敷のなかに響く。ルリは静かに目を瞑っていた。が、身体に痛みは走らない。
「お待たせ、ヴィクトリア…100年ぶりかな?」
ルリの目の前には先程まで横たわっていたはずの青年が立っていた。そして彼は銃弾を素手で握っていた。
「!!!?」
カラン…高い音で弾が床に落ちた。
「さてと、ヴィクトリアはどうしたい?僕は別に殺してもいいかなって思ってるけれど」
ルリはこの怪物とやらはどうやら自分をを昔の主人だと思っているのだと咄嗟に感づいた。
「…やめろ…殺すな!」
「うん!ヴィクトリアならそう言うよね!変わってない!」
怪物は無邪気に笑った。
「化け物!」
バンッバンッ
二発の銃弾が放たれる。怪物は軽々と舞うようによけた。そして低い体制から相手の内側に入り込み、みぞおちを殴った。あっけなく男は崩れ込み気絶をした様だった。
「はい。おわったよ!気絶してるだけだから!」
またもや無邪気に笑う怪物。彼にとっては造作もない作業に違いない。
「ありがとう…僕は」
「ううん、ヴィクトリア!君のためなら何でもするよ」
「違う、僕はヴィクトリアじゃない、富良野ルリだ」
「覚えてないの…ヴィクトリア…」
パチパチパチパチ!手を叩くフードの少年が立っていた。
「はーい!お二人ともお疲れ様!」
「お前!!」
「無事アルマ君が目覚めてくれてよかった」
「アルマ?」
怪物の名前らしい。
「でもって、はい撤収!」
パン!と少年が手を叩くと先程までアルマの腕で項垂れていた男は砂になって崩れ去った。
「さて、では状況を説明しますね!」
少年は無邪気に解説をはじめた。
「彼はアルマ=フランケンシュタイン。約100年前、ヴィクターという科学者によって作られた人造人間。でもヴィクターは本当は女性だった。本名はヴィクトリア。異端の科学者だったから彼女は男性の振りをしたんだ。ヴィクトリアは悪魔と取引してアルマに命を与えた。君がたどり着いた21グラムの壁を彼女は取引によって攻略したんだよ」
「それが僕と何の関係があるんだ?」
「君はヴィクトリアの生まれ変わりだからね」
「!??」
「そしてその取引の内容だけどね、賭けをしたんだ」
「どんな賭けだ?」
「今世でアルマと君が、俺の出すゲームに勝てるかどうか」
「はぁ!?」
「前世の君は自分の来世を犠牲にして悪魔と取引したんだよ」
「だから君達は、これから僕が主宰するゲームに二人で力を合わせて勝ち進んでしていくんだ」
「もし、クリア出来なければ君とアルマの魂は俺のもの。無駄に死にたくなければ俺の出すゲームに勝つこと」
フードの少年は楽しそうに話す。
「因みにね、前世の君はゲームに負けて命を落としたんだ。確か攻防の末、北極まで行ったかな。だから君の魂は半分俺のものになってる。」
少年がフードを取ったとき、ルリはその言葉の意味を理解した。
「僕と同じ顔―」
少年はルリと同じ顔、同じくらいの背格好だった。目は青い。
「ふふ。ルリは覚えてないと思うけど、俺は覚えてるよ。俺たちは双子で僕だけが養子に出されたからね。ちなみに君の兄、ルカだ。」
ルリはそこで思い出す。両親の寝室に飾られていた二人の赤ん坊の絵。
自分には兄弟がいたのだとルリは確信する。
「とりあえず今日はアルマが目覚めた、それが目的だったからこれでいい。ゲームの参加者は君達だけじゃないしね。詳しい内容は招待状を送るよ。じゃあね、愛しい妹よ」
そう言ってルカはその場から去っていった。
とたんその場で崩れ落ちるルリ。彼女が目覚めたのはそれから2日後の雲一つない晴れた朝のことであった。
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