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しまおか

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第四章~①

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 どうやら鈴木健は日本人だが、中国人との繋がりがあると判明したらしい。やはり和香が言っていたように、例のメールと関わっていたのは彼かもしれないと聞かされたのだ。
 しかし藤子はそこで躊躇した。もし雄太が香港国家安全維持法に関わっていて殺されたとなれば、通常ではあり得ない事態になる。深く関われば、自分が危険に晒される状況に陥ったっておかしくない。これ以上の調査は中止し、何が関係しているか不明な彼の遺産も放棄した方が良いのではないかと思い始めた。
 そうすれば後にマスコミが嗅ぎ付け何らかの問題が表面化したとしても、藤子が巻き込まれる局面だけは避けられる。そうすれば芥山賞作家としての活動における支障だって最小限で済むだろう。
 兄達が遺産総額に目がくらみ、危険を顧みず相続すると言えば好きにさせればいい。その後問題が起こっても、家庭裁判所に正式な放棄手続きを出しておけば藤子には関係ないと突っぱねられる。
 そうなった場合、兄達との関係は悪化するだろう。だが放棄しなければ同じ事だ。最悪なのは、協議して仲良く二分割した後に問題が生じるケースだった。騒動に巻き込まれれば仕事やプライベートの生活だけでなく、兄との間に入った傷口は広がるに違いない。その上負の財産まで抱えるとなれば目も当てられなくなる。
 安全策を取るなら断然遺産放棄だ。そう考えている事を同じく田北から連絡を受けた和香に告げると、再び彼女は強く反対した。
「真相を知る為、調査は絶対に必要です。もし藤子さんがこれ以上関わらないと言うなら、自分一人でも鈴木と会って問い質します」
 だが雄太の昔の同僚である彼女だけだと、相手は話してくれないかもしれない。ましてや彼女はフリーライターだ。もし鈴木が香港の件に深く関係していたならば、まずは警戒するに違いない。
 そう告げると彼女は言った。
「雄太さんの彼女だと言います。だったら良いでしょう」
「それは無理があるでしょう。相手は雄太をよく知っている人なのよ。彼女がいたかどうかくらい、聞いているはず。もし嘘だとばれたらどう出てくるか分からないし、危険だから止めた方がいいわ」
「いいえ、止めません。私は自分が納得いかない事を、そのままにしておくなんて無理です。それに私は雄太さんを信じています。これまでの調査でも出てこなかったように、彼は他人名義を使って悪事を働き、お金を稼いでいた事実はありません。だから彼の遺産を放棄するという、藤子さんの意見にも賛成できません。彼がわざわざお姉さんに全財産を残すと遺言したのにも、ちゃんとした理由が絶対にあるはずです。彼の気持ちを尊重するのなら、藤子さんは受け取るべきです。その上でそのお金をどう使えばいいかは、彼の過去を調べていけばいずれ分かるのではないでしょうか」
 藤子は綺麗事ばかり主張する彼女に腹を立て、思わず言い返した。
「勝手な事を言わないで。雄太を信じたいのは私だって同じよ。だけど現にあなたも私も、彼が別名義を持っているなんて知らなかったじゃない。渡部亮という名で働いて、その名義で部屋を借りている事を隠していたんだから。それだけでも犯罪でしょう。それなのに遺言通り私が遺産を受け取ったら、その後色んな問題が明らかになった時、賠償したりするのは私なの」
 だが彼女も負けてはいなかった。
「だったら万が一負の遺産が出てきた場合、私が責任を持ってお支払いします。それだったらいいでしょう。絶対そんな事態にはならないと信じていますけどね」
 藤子は更に反撃した。
「そんな話が通用する訳がないでしょう。被害者がいたら、お金を払うだけで済むと思ったら大間違いよ。頭を下げたって許して貰えないかもしれないでしょ。それにお金を貰った私が、他人のあなたに任せて知らない顔が出来ると思うの。しかも私は世間に顔が知られている。社会的な制裁を受けなければならない覚悟が必要なの。現に雄太が死んだ時、偶然コメントをしただけでバッシングを受け、仕事に支障をきたしたんだから」
「それは何かあった場合じゃないですか。藤子さんは負の遺産があると決めつけ過ぎです。そんな心配はいりません」
「だから何の根拠があってそう言えるの」
「それをこれから調べるんじゃないですか」
「時間がないの。放棄手続きまで一カ月も無いんだから。いくらでも調査してからでいいと言うのなら、私だってそうしたいわよ。でもそれが無理だから、泣く泣く放棄するケースも考えなくちゃいけないんじゃない。それに私は元保険会社の社員だったから、最悪のリスクを考えて行動したり決断を下したりするのが当たり前なの。あなたのように何の根拠もなく信じているというだけで、問題が解決できないから悩んでいるのよ」
 激しく言い争っていた二人だが、藤子が安易に考えているのではないと彼女も理解したらしい。少しトーンを抑えた声で言った。
「藤子さんのお気持ちは分かりました。私とは立場が違うので、同じように考えられないのは当たり前ですよね。でもあと少しだけ時間を下さい。鈴木と会って話をし、そこで得た情報を元に最終結論を出しても間に合いますよね。ですからそれまで待っていただけませんか。私が一人で行きますから」
 藤子は溜息をついた。彼女は真剣に雄太の死の真相を探り、何故別名義を持たなければならなかったのかを知ろうとしてくれている。その感情が痛いほど伝わって来たからだ。
 それだけに彼女を一人で危険に晒す訳には行かなかった。既に告げた通り、彼女だけなら必ず相手は警戒するだろう。その点世間でも騒がれ実の姉だと顔バレしている藤子になら、雄太との関係を正直に話してくれる確率は高い。
 そこで彼女が勝手な行動をして危険な目に遭わせるくらいなら、自分も一緒にいた方がいいと判断せざるを得なかった。そう告げると意外な提案をしてきた。
「確かに藤子さんが心配されるように、私達二人だと危ないかもしれません。だったら念の為に、男の人も一緒に同行して貰うのはどうでしょう」
「男の人って、田北さんについて来て貰うとでもいうの」
「いいえ。あの人は立場もあって、そう滅多には人前へ出て来られません。藤子さんの所まで出向いて名刺交換までしたことさえ、普通はありえませんから」
 もちろん警視という階級もあるだろうが、やはり藤子が予想していたように彼は公安絡みの人なのだろう。よって自ら名を名乗り、顔を晒すケースなどまずないと考えて良い。
「だったら誰を連れて行くつもりなの」
 彼女はニヤッと笑って答えた。
「川村さんですよ。鈴木さんの名前を出したのは元々あの人です。だから知らない間柄ではないですし、お願いすれば一緒に来るくらいは協力してくれると思いませんか。雄太さんを友人だと言っていましたし、少しでもお役に立てればと言っていたじゃないですか」 
 そう口にしていたのは確かだが、あれから連絡は全くない。よって社交辞令だと捉えた方が良い気がした。それに彼を危険かもしれない場所へと連れて行き、もしもの事があれば責任など取れない。
 そう告げると、彼女は首を振った。
「聞いてみないと分からないじゃないですか。相手が断れば無理には誘いません。だけど行っても良いというなら自己責任ですよ。もちろんそういう危険もあると説明した上でお誘いするつもりです」
 和香がそこまで言うのなら、と最終的に了承した。しかも連絡は藤子の携帯からかけるが話は彼女がすると言い張ったので、渋々任せることにした。すると意外にも川村は二つ返事で同行すると言ってくれたらしい。今はまだ就職活動中という名目の休養期間なので、時間は十分あるという。
 その言葉に甘え、日時を調整して鈴木宅へは三人で向かう事にした。やはり中年とはいえ、相手は四十五歳の男性だ。一つ年下の川村がいてくれるだけでも正直心強かった。
 田北から教えられた住所は、木造二階建てアパートの一階の角部屋だった。下と上でそれぞれ五つ扉が並んでいる。意外だったのは、外観からしてとても貧相だったことだろう。雄太や川村が住んでいた部屋とは余りにギャップがあり過ぎた。
 転職を繰り返していたとはいえ、彼らと同年代で同じ会社に勤務していたのだから、経済的に苦しくはないはずだ。家族を抱えているなら別だが、雄太達と同じく独身だと聞いていたから尚更だった。
 しかしよく考えれば、人それぞれ暮らし方や事情、また価値観は異なるものだ。両親の介護等でお金がかかっていたり、ギャンブル好きで金遣いが荒かったりするのかもしれない。
 住む場所に頓着しない分、高級車を乗り回す人だっている。趣味に多くのお金を費やしていたり、または将来の為にしっかり貯蓄していたりする可能性もあった。
 一戸建ての家を別で所持していた点を除けば、雄太と川村は比較的似たような暮らしぶりだった。だから鈴木も同じようなものだと、勝手な想像をしていただけに過ぎない。
 頭を切り替えた藤子は一度深呼吸をした。川村の時と同様、アポイント無しの訪問だ。彼がどういう態度を取るかも気になるが、それ以前に滞在しているかも分からない。
 だが田北の調査によると、今の時間は部屋にいる可能性が高いと教えられた。どうやら川村同様、会社を辞めた後は失業保険を得ながらしばらくノンビリしているらしい。
 意を決し、古い形式の呼び出しブザーを鳴らした。すると扉の向こうで人の動く気配がした。どうやらいるらしい。緊張しながら藤子は覗き穴の前に立つ。和香達はその後ろで横に並んでいた。
 しばらくして鍵を開ける音がした。ゆっくりと扉が開き、中から鈴木と思われるがっしりとした体格の男が出てきた。突然見知らぬ人達が訪問したからか、険しい顔をしている。ただそれは想定内の反応だ。
 相手が口を開く前に、藤子はこれまでと同様に説明を始めた。
「鈴木健さんでいらっしゃいますか。急に押しかけて申し訳ございません。私は以前あなたが勤めていた会社で、渡部亮と名乗っていた保曽井雄太の姉、藤子と言います」
 既に慣れた口上こうじょうを言い終わったところで気が付く。彼は話をしている藤子ではなく、後ろにいた二人を不審そうに見ていた。和香はともかく、川村とは顔見知りのはずだ。
 疑問を感じつつ二人を紹介した上で、雄太について少しでも知りたいとお願いした。勇気を振り絞ってここまで来たのだから、何かを得てからでないと帰ることは出来ない。よってかなり切迫した想いを表に出して迫った。
 だが彼からは目ぼしい反応が返ってこない。鈴木さんですかと尋ねた際には否定されなかったし、後ろにいる川村は何も言わなかった。よって彼が目的の人物なのは間違いないだろう。雄太と親しくしていた割に、何故このような薄いリアクションをするのか。
 そう訝しんでいると、ようやく彼が沈黙を破った。
「お姉さんについては亮から聞いて知っている。あいつの話を聞きたいというのなら部屋に入っても構わない。ただしあなた一人だけだ。部屋も狭いからな」
 川村達とは違い雄太が偽っていた下の名前を口にした為、より親しい関係だったのだろうと推測は出来た。しかし口調はぶっきらぼうで、眼光も鋭く刺々とげとげしい様子に藤子は尻込みした。
 その一方で雄太が亡くなった時のアリバイはある為、彼が殺した犯人だと疑ってはいない。それよりも尋常でない緊張感の漂った態度に、何か予想もしない事実が聞けるのではと期待させた。
 けれど和香がそれに反発した。
「狭くても私達は構いませんので、一緒に聞かせて下さい。それに雄太さんと親しかった方とはいえ、男性一人の部屋に藤子さんだけを入れる訳にはいきません」
 川村も賛同して言った。
「ご無沙汰しています。私の顔は覚えていますよね。私達も亡くなった彼について知りたいと思いここまで来ました。どうしても狭いからと言うのなら、私だけでも入れてくれませんか。それも駄目なら別の場所に移動しましょう。ファミレスが近くにありましたから、そこでお話しませんか」
 だが鈴木は首を振った。
「駄目だ。お姉さん一人だけになら話をしてもいい。内容を知りたければ後で聞けばいいだろう。二人だけにするのが心配なら外で見張っていればいい。ここは壁が薄いから何かあっても声を出せばすぐ外に聞こえる。ドアの前と裏の窓に一人ずつ立って監視していれば済むじゃないか」
 危険な匂いがしたけれど、確かに彼が言う通り二人が外で居ればおかしな真似は出来ないだろう。それよりもここまで警戒するからには、それ相応の情報を持っているのではないかと強く感じた。
 一度はこの件から身を引こうと考えていたが、遺産放棄の期限が来るまでは出来る限り調べようと説得され納得したのだ。その為ここで引き下がる訳にはいかない。
 そこで和香達に言った。
「鈴木さんがこうおっしゃっているんだから、しょうがないでしょう。アポなしで尋ねて来たのに、時間を取って下さるだけでも有難いじゃない。申し訳ないけど、二人は外で待っていて貰えますか。何かあれば声を出します。でもここで騒ぎを起こすなんて無理でしょう。だから大丈夫よ。心配しないで」
 不服そうにする二人を置いて、藤子は彼に促されるまま部屋の中へと入った。直ぐにドアの鍵は閉められた。
 靴を脱いで上がると台所がすぐ横にあり、その奥には畳の居間が見える。その横にはまた扉があったので、間取りとしては一LDKらしい。低いテーブルと座布団が置かれていたので、おそらくそこに座り話をするのだろうと思っていた。
 しかし彼は部屋に入って直ぐ奥のカーテンを閉め、隣の部屋へ入るよう指示してきた。言われるがまま向かうとそこはガラリとした和室になっていて、昔ながらの押し入れがあった。
 どこに座ればよいのか悩み立ったままでいると、彼は何も言わず押し入れを開けた。下には布団とプラスチックの衣装ケースが置かれていたが、上には何もない。
 一体何をするつもりだろう。そう戸惑う藤子の背後に回ったと思った瞬間、口を塞がれ首筋に痛みが走った。突然の事で声を出せずにいたが、何か注射のようなものを打たれたことだけは分かった。急に力が抜け声を出せなくなった。
 意識はあるが、ぼんやり浅い眠りについているような状態に陥ったのだ。どうやら何らかの薬を投与されたらしい。
 藤子はここで殺されてしまうのか、と恐怖を覚えた。しかし助けを呼ぶことさえできず、そのまま畳に倒れ込んでしまったのである。
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