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第三章 ドワーフ国騒乱!
プロローグ
しおりを挟むここは魔王国から北にあるノーズ山脈の向こう側にあるドワーフ国。
私達魔王国とは友好的な国交を交わしており工業品や装飾品作りなら魔王国よりも格上で牛と豚の家畜飼育も盛んだ。
またドワーフは全体的に魔族や人間と比べると小柄だがそそ身体能力は実に侮れず女性でも巨大な斧を軽々と扱えるぐらいの怪力揃いだ。
そして、そのドワーフ国にある国王が住まうお城。
その国王は既にかなりの高齢だがかなりの好人物で、私も一度直接会った事がある。
だけど……このドワーフ国も我が国同様問題が多いみたいで。
「ローブ、近頃の情勢はどうだ」
「はっ、現在我が国に新型の麻薬が出回っており既に多数の重体者や死亡者も出ております」
「そうか……あまり良い知らせではないな」
「しかも、その新型麻薬ですが……どうも我が国が製造元らしいと……ミルク様が突き止めました」
「ミルク……そうか、娘も軍の親衛隊長として頑張ってるみたいだな」
ミルクはこの国王の一人娘で年齢は十六歳。
幼い頃からの女傑でたった一人で人間国の進撃を食い止めた程の武勇を誇る。
私も魔王就任直後に一度出会ったが今思い出しても凄い威圧感のある女傑だった印象だった。
「それだけではありません。近頃我が国の優秀な職人や技術者が次々と行方不明になっているそうです」
「なんだと!」
「現在ボルト将軍が主になって創作してますが……」
「結果は出ずか」
「申し訳ございません。ですが……近頃、我が国にこのような事件が多いのは私としては気になります」
それにしても、この宰相ローブって苦労が絶えなさそうね。
ドワーフ国もかな~りきな臭い雰囲気ね。
「父上!それにローブ」
「おおっ、ミルクか。どうだ?違法麻薬の流通経路はつかめたか」
「申し訳ございません。ですが……どうも先日逮捕した麻薬承認から我が国の大臣の誰かが関わっている事をつかみました」
「何?もしそれが本当なら由々しき事態だ」
おいおい!
問題の麻薬密売の裏にドワーフ国の大臣の誰かがねぇ。
この娘からの報告に国王さん完全に顔が真っ青よ。
「ローブよ!すぐに信用できる密偵を用いてその麻薬密売を仕切っている愚か者をいぶり出せっ!」
「はっ、仰せのままに」
それから日も沈んだので国王は自室へ。
謁見の間で二人きりとなったミルクとローブ。
「ミルク……国王の容態が良くないのは知ってるだろう」
「うん、医者の話だともう長くはないそうよ」
「もし国王に何かあったら……ミルク!」
「そうね。覚悟はもう出来てるわローブ」
そうか、国王はもう……・
となると次の国王は必然的に国王の娘であるミルクが継承するのか。
ドワーフ国の王政は代々世襲制。
代々王族の血筋が引き継ぐものなのね。
それに比べて我が魔王国は代々魔王にあるのはその時の最強の存在が魔王になるから世襲制ではないのよね。
「となると……ミルクが国王になったらすぐに婿を決めないとね」
「……」
「そうだな……ボルト将軍辺りはどうかな?確か前の奥さんが亡くなって現在は独身だし」
「ローブ」
「痛い!何僕の頬を津ねっえてるんだよ」
「……ローブのバカ」
ほほう。
これはミルクさん意外と恋する乙女みたいですね。
しかもローブさんって結構鈍いなぁ。
ミルクさん、こうゆうのはもっとグイグイと攻めないといけないわよ。
「とにかく今日はもう遅いから部屋まで送っていくよ」
「あら?私がローブを部屋へ送った方がよくない?言っておくけどローブより私のほうが強いんだから」
「はは……これは参ったな」
だが、その時であった!
王様の私室から王様の悲鳴が響き渡る!
「ミルク!」
「ローブ!」
ミルクとローブは急ぎ国王の私室へ!
「父上!」
「そ、そんな!」
なんと……時すでに遅かった。
あろう事か国王は何者かにより惨殺されていたのだ。
私室の窓が空いている処、賊は窓から侵入したと思われる。
「う……ううっ」
「!?父上っ」
まだ国王に意識がある。
ミルクとローブは瀕死の国王に駆け寄る。
「み……ミルクか……」
「父上、お気を確かに!ローブ、エリクサーを」
「いい……んだ。どの道私は助からん」
やはり手遅れだったのか。
もう国王の命は尽きようとしていた。
「父上……」
「娘よ、嘆く出ない。人は誰も……がいずれ……この世を去るのが定めなのだ」
「国王……」
「ローブか。お前に……最後の命を言い渡そう」
「はい!」
「ミルクを……頼む。そし……て、魔王国のヒカル・グレーズと……宰相の百合……太助に会え」
「魔王国の魔王と宰相ですか」
「そうだ……魔王国の宰相は……相当な切れ者と……聞く。きっと今度の聞きを救ってくれるであろう」
ここで国王の口から血がはき出てきた。
もう限界みたいだ。
「父上!」
「国王様っ」
「ドワーフ国の……未来を頼むぞ。ミルク……ローブ」
ここで国王は事切れた。
国王の臨終を見届けたミルクとローブは泣きなgら冥福を祈った。
「ローブ、城の皆に国王の死亡と国王を暗殺した賊の追跡を……」
「そこまでだっ!国王暗殺の首謀者めっ」
なんと!
国王の私室の出入口には複数名の衛兵と一人の大臣の姿があった!
「逆賊ミルクが同じく逆賊ローブと共謀して国王陛下を暗殺したぞ!すぐに捕らえて処刑せよ」
「おっ、お前はヌーク!」
「待ってくださいヌーク大臣、これは何かの間違いだ」
だけど、ローブの必死の言葉もヌーク大臣率いる衛兵達には一切耳を貸す様子はない。
「この肉親殺しの大罪人めっ!構わぬ、この二人の逆賊を抹殺しろ」
ヌーク大臣の号令により複数名の衛兵はその巨大な斧でミルクとローブを抹殺しようとしている!
ミルクとローブも必死に弁解をするが話にならない。
「駄目だ……ここは逃げるぞ、ローブ」
「逃げるっt何処へ?」
ミルクはローブをお姫様抱っこして……国王の私室の空いている窓から飛び降りた!
「!?逆賊が逃げたぞ。追えっ、必ず抹殺するのだっ!」
ヌーク大臣の号令で城中の衛兵や騎士、その他戦える者達がミルクとローブを抹殺する為に行動を開始した!
ミルクはローブを抱えたまま地上へ落ちて着地!
そのまま襲い来る衛兵達を軽々となぎ倒して閉じようとする城門へ。
「ミルク、城門が閉まる」
「構うかっ!」
城門が閉まろうとしている中でローブをお姫様抱っこしながら全速力で疾走。
「うおおおおおおおおおおりゃぁぁぁぁっぁぁっ!」
なんと、城門が完全に閉まる直前。
閉まる寸前のわずかな隙間へ……ミルクは大きく飛び上がった!
そして、ミルクはローブをお姫様抱っこしながら閉じる直前の城門を……抜けた!
城の外で着地したミルクとローブはそのまま一目散に疾走していく。
「ミルク……いや肉親殺しの逆賊は何処だっ」
「殺せ!肉親殺しはドワーフ最大の大罪だっ!」
「逃がすな、まだ遠くへは行っていない筈だ」
既にドワーフ国中にはミルクが国王を殺害した報が広まった。
一国の王女が一転して肉親殺しの逆賊へ。
なんという転落劇だろうか。
「とりあえず逃げてる訳だけど……これって明らかにおかしいわよ」
「これは完全に僕達ハメられたね。まんまと国王を暗殺した真犯人ににね」
「これからどうする?今の私達に味方はいないよ」
「今は時を待とう。そして魔王国の魔王と宰相と何とかしてコンタクトを取るんだ」
そして……ミルクとローブはノーズ山脈の奥深くへと消えていった。
これは丁度私とアンナが決闘をしていた頃に起こった事である。
そして、舞台は再び我が魔王国へ!
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