桃色

天野 帝釈

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銀杏並木

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(そういえば・・・。あの銀杏の木はまだ残っているだろうか・・・?)

私は思い出に耽りながら閉じていた目を開けると、川辺から離れ、懐かしい銀杏の木を探しに歩いて行った。

さっきとは違い足が勝手に目的地へとスルスルと動いて行く。

道端に一本ぽつりと立っていた木が、何本も植えられ、昔は無かった小さな公園への並木道となっている。

もうどれが懐かしいあの木かも分からない。

否、もしかしたらもうあの木は抜かれてしまって存在すらしていないかもしれない。



私は昔置かれてなかった白い洒落たベンチに腰掛けて、もう一度目を瞑った。
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