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46、50mは流石にビビる

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「打てーー!」

 アルフォード軍から放たれる無数の魔法。
 さっきの攻撃は不意を突かれたが、飛んで来るのがわかってたら簡単に避けれます。


 ドドドドドバッーーン!


 後ろに転がり回避する。
 俺のいた場所に着弾した魔法が土をえぐっていた。

「俺たちは味方だ!」

 声を張りあげて叫ぶが、アルフォード軍の動きは止まらない。

「早いぞ! 広範囲魔法で迎撃しろ、構え!」

 俺たちを囲んでいるアルフォード王国軍は数万人規模。
 叫んだところで指示系統に伝わらないようだ。

「ニア様、こっちは私が抑えます!」

 後ろを振り向くと、魔王城の門からモンスターがうじゃうじゃと出てきていた。
 門の前に立つレイラは、出てくるモンスターを凄いスピードで斬りまくっている。
 手に持つのは『勇者の剣』と『煉獄の剣』の二刀。
 どちらの剣も宝物だと言い張るレイラは、二刀流という新たな戦法を編み出している。
 レイラはかなり強い。

「レイラ暫く頼んだ!」

 アルフォード王国軍の相手をする俺より、モンスターの大軍を止めるレイラの方が大変だ。
 はっきり言って、アルフォード王国軍は物凄く弱い。
 門を出て初めに食らった数十発の魔法なのだが、実はダメージがほとんどなかった。
 やはり魔法が使えたところで人間は弱い。
 魔王軍とはとてもじゃないが、戦えないことが確認できた。

 ──やはりこの戦争止める。

 このままでは、人間側にとんでもない数の犠牲者が出るのは確実だ。

「打てーー!」

 先程隊長っぽい人が言ってた通り、皆さん広範囲に広がる魔法を打ってこられました。
 妙に避けるとレイラに当たる可能性がある。
 レイラもこんな魔法では大したダメージは受けないだろうが、後ろから攻撃されると隙が生まれるかもしれない。
 レイラの相手は魔王軍。
 チラチラと魔族も門から出てきてるのが見えた。
 魔族はモンスターより確実に強いはず。
 
「‥‥‥これでどうだ!」

 道具袋から一番大きな岩を取り出した。
 今の俺のレベルは583。
 力は1700を超えてます。
 持てる最大の岩のサイズはかなり大きい。
 魔法を全て岩で受け止めてやる。


 ドドドドンッ!


「ひっ! ば、化け物だ!」

 声をあげるアルフォード軍の兵士。
 俺の事だろう。
 化け物とは心外だが、普通の人間にはそう見えるだろうな。
 俺が持ち上げている岩の大きさは50メートル級。
 流石にビビってくれたようで、静まる戦場。

「聞け! 俺たちは勇者パーティー、お前らの味方だ!」

 かなりの注目を集めていたので、今度は多くの兵士に聞こえたのだろう。
 アルフォード軍の動きが止まる。

「レイラ、下がって!」

「はい!」

 俺の声に反応して、門の前でモンスターを足止めしていたレイラが俺の方へ走ってくる。

「えい!」

 城壁の門に向かって俺は岩を投げた。
 

 ドッゴーーーーーンッ!!


 成功。
 岩で門を完全に塞いだ。
 少しは魔王軍の足を止められるだろう。

 ──逃げるなら今!

「ニア様、ここは私が守ります!」

「ごめんレイラ、すぐ戻るから」

 レイラが城門前で殿をしてくれるようだ。
 俺はアルフォード軍の中を走り、指示系統の頭を探す。

「指揮官は何処だ! 返事しろ!」


 後は総大将を見つけて撤退させるだけだ。
 




【ニア】
レベル583
力1758
素早さ1699
身の守り1685
かしこさ1791
魅力1656
HP3385
MP2019
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