乱れそめにし

1-5

　※

　伊万里の視点。

　廊下側、一番後ろの席につくと机に突っ伏し寝の体制にはいる伊万里。
　腕の隙間から恵輔を覗き見る。

　また、あの笑顔を張りつけている。
　恵輔の本性を知った今。あの恵輔をみてると苛々する。

　あ～あ～、俺はあの時から恵輔一筋なのになから～。
　恵輔が嫌うから、タバコも止めたし。
　髪だって、本来の地毛の生え変わりをまってるからプリン頭なのだ。
　髪が痛むと嘆いたのと、俺の黒髪の手触りが好きだと恵輔がいうので染色をやめたのだ。


　※

　そもそもの接点は、
　2年の1学期前の春休み。　
　実家に帰るのが面倒で、寮に残った。
　寮の管理人と二人しかいないので、のびのびと過ごしていた。
　食堂の閉店時間が押しせまっており、
　階段を20段飛ばしで駆けおりていたら、階段の着地地点に人がいた。
　
　勢い付けすぎて避けれないし、

　目の前の見覚えある少年も、ほうけているのか避ける様子もない。



　もうダメだと思った瞬間‥‥‥